広島ドラ1佐々木「7番・三塁」で1軍デビュー 無安打に終わるも新井監督「雰囲気ある」

2025年5月21日(水)5時45分 スポーツニッポン

 ◇セ・リーグ 広島3—2ヤクルト(2025年5月20日 マツダ)

 広島のドラフト1位・佐々木泰内野手(22)が20日、ヤクルト戦(マツダ)で「7番・三塁」として1軍初出場を果たした。デビュー戦は3打数無安打。快音は響かなかったものの右中間へ痛烈な当たりを放つなど、大器の片りんを見せつけた。開幕前に「左太腿裏の肉離れ」を発症して出遅れた黄金新人が新たな一歩を踏み出した。チームは連敗を2で止め、マツダスタジアムでの連勝も6に伸ばした。 

 佐々木は最後までフルスイングを貫いた。今後への期待感を抱かせる3打席。特に際立ったのが勝ち越した直後の6回1死二、三塁からの第3打席だ。先発・ランバートがフルカウントから投じた9球目。結果はナックルカーブにバットが空を切った。好機で痛恨の三振もコイ党からは拍手が湧き起こった。

 「まだルーキーだから、いい意味であまり期待されていなかったというか…。あそこで“ああ〜”(というため息)だったら期待されていると思う。あれが“ああ〜”となるぐらいの一人前のプレーヤーになりたい」

 大器の片りんもしっかり見せつけた。1点優勢で迎えた2回無死二塁からの初打席。外角のカットボールを捉えた大飛球は右中間を襲った。しかし無情にも右翼手・増田のグラブに収まり、佐々木は頭を抱えた。4回1死からの第2打席も遊ゴロ。デビュー戦で快音は生まれなかったものの、3打席すべてで貫いた力強いスイングは光った。

 「意外とリラックスして打席には入ることができた。(2回の1打席目は)本塁打にしたかった。あれが本塁打だったら今日は100点ですけど(自己評価は)0点です…」

 自己評価は厳しかった。ただ、打撃内容は悪くなかった。新井監督も心技体を含めたポテンシャルを高く評価する。

 「しっかりスイングできるところと、ミートポイントの幅も広いので対応力もあると思う。何より雰囲気があるし、気持ち的な強さというのも見えるので、本当に楽しみ」

 待ちに待った晴れ舞台に合わせ、家族も岐阜県大垣市から応援に駆けつけていた。2軍戦で好調を維持していた数日前に父・貴さんは「調子いいね〜」とLINEを入れたという。だが、佐々木からは「とにかく今は必死なの!」と返信があった。1軍で結果を残したいという強い気持ちが、短い言葉にも込められていた。

 3月5日のDeNAとのオープン戦(横浜)で走塁中に左太腿裏を痛めて戦線離脱。出遅れた黄金新人がようやく新たな一歩を踏み出した。「2軍とは違って、甘い、打てる球が来なかった。甘い球を打てる力をつけていきたい」。“ほろ苦デビュー”が、今後の糧となる。 (長谷川 凡記)

 ◇佐々木 泰(ささき・たい)2002年(平14)12月24日生まれ、岐阜県大垣市出身の22歳。県岐阜商では1年春から4番を務め、3年夏の甲子園交流試合に「3番・三塁」で出場し大会1号本塁打。青学大では1年春からリーグ戦に出場し3年夏に日米大学野球で侍ジャパン選出。主将の4年春は全日本大学選手権でMVP。24年のドラフト1位で広島入団。1メートル78、84キロ。右投げ右打ち。

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