防御率は驚異の1点台 韓国に舞い戻った元阪神助っ人の躍動に地元メディアで皮肉の声「日本との差は埋められない」

2023年5月23日(火)6時0分 ココカラネクスト

日々投打で異次元の活躍を続ける大谷。そのハイパフォーマンスに賛辞が相次いだ(C)Getty Images

 日本で本領を発揮しきれなかった助っ人が、韓国で水を得た魚のように躍動している。昨季に阪神との契約満了を迎え、KBO(韓国プロ野球)リーグの古豪である斗山ベアーズへの復帰を果たしていたラウル・アルカンタラだ。

 2020年に韓国のKBOリーグで20勝(2敗)を挙げた実績を引っ提げて鳴り物入りで猛虎の一員となったアルカンタラ。しかし、2年4億2000万円(推定)の大型契約を締結した助っ人は日本球界で本領発揮とは至らなかった。

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 1年目はシーズン終盤に中継ぎに配置転換され、いわゆる勝ちパターンの一角を任さるなど、まずまずの活躍を見せたものの、勝負の2年目は鳴かず飛ばず……。ストレートを痛打される場面が散見され、通算成績で防御率3.96、WHIP1.17と散々な結果で帰国を余儀なくされた。

 決して華々しい成績は残せず、一部では「ダメ助っ人」のレッテルを貼られてしまった感が否めないアルカンタラ。しかし、「日本人コーチからのアドバイスもとても役に立ったし、多くを学んだ」という30歳は、いま、韓国球界でエース級の働きを見せている。

 今年1月に古巣だった斗山に復帰を果たすと、開幕から9試合に先発して5勝(2敗)し、防御率とWHIPは驚異の1.29と0.93。“超”が付くほどの打高投低が指摘される韓国球界にあって図抜けたハイアベレージを記録。チームを率いる元巨人の助っ人であり、韓国球界で「国民の打者」と称されるイ・スンヨプが「アルカンタラが投げる日は必ず勝つという確信を与えてくれている」「チームが苦しい時には一番に彼を思い出す」とベタ褒めするほどなのだ。

 阪神時代とは別人のように活躍を遂げているアルカンタラには、韓国メディアもスポットライトを当てている。ポータルスポーツサイト『Xports News』は「環境の差が影響したんだ。日本では韓国と明らかに異なる文化に触れ、少なからず複雑な心境にあった」という本人のコメントを紹介したうえで「期待以下の内容に終始した日本時代とは全く異なる姿をアルカンタラは見せている」と絶賛した。

 一方で母国球界の低レベル化を嘆く声もある。スポーツメディア『OSEN』は、アルカンタラが22年に防御率4.70だった点を強調し、「認めたくなくても、認めなければいけない。日本で成功を収められずに3年ぶりにKBOリーグに復帰したアルカンタラがリーグを支配している事実は、韓国と日本のリーグレベルの差を明らかにした」と指摘している。

「彼は日本においては中継ぎでも全く通用しなかった選手だが、韓国では全く違う姿を見せている。これは日韓各チームの特性や環境、文化の違いなど様々な要因もあるだろうが、リーグレベルの違いを無視することはできない成績だ」

「日韓球界の実力差は、短期間で簡単に縮めることが難しいレベルであることを確認できた。日本から帰ってきたアルカンタラの活躍で、忘れたくても忘れられない、目を背けられない現実と向き合うことになった」

 日本から舞い戻った助っ人の活躍は韓国において、少々複雑に見られているようだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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