【F1第7戦無線レビュー】フェルスタッペンまで0.7秒差。2位を悔しがるノリス「あと1、2周あったらね」

2024年5月24日(金)11時6分 AUTOSPORT web

 2024年F1第7戦エミリア・ロマーニャGP。2年ぶりのイモラでのレースは、王者マックス・フェルスタッペンの独走とはならなかった。初日から苦労し、なんとかポールポジションを獲得したフェルスタッペンだったが、レースでは前戦マイアミでキャリア初優勝を飾ったランド・ノリスに最後の最後まで追い詰められる展開となった。マイアミGPを無線とともに振り返る


────────────────────


 10番グリッドのニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)が会心のスタートを決めて、一気に8番手に上がった。


1周目
ヒュルケンベルグ:よ〜し、カモン!

2024年F1第7戦エミリア・ロマーニャGP ニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)


 一方、上位勢では、4番手カルロス・サインツ(フェラーリ)が、オスカー・ピアストリ(マクラーレン)の猛追を受け、引き離すことができない。


7周目
サインツ:マクラーレンは速い!




 予選Q1落ちを喫し、ピットレーンからスタートしたフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)。レースでも苦戦を強いられた。7周目のピットインの際に、前輪の内側から炎が上がった。


8周目
アロンソ:フロントブレーキが燃えている!
クリス・クローニン:フェルナンド、了解した。




 コースに復帰し、走っている間になんとか鎮火した。一方、8周目にピットインしたアレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)は、ホイールのトラブルに見舞われる。


9周目
アルボン:タイヤがしっかりハマっていない。




 スロー走行でなんとか1周し、ピットにたどり着いた。


 レース中盤、4番手まで順位を上げたピアストリに、担当エンジニアのトム・スタラードがこんな情報を伝えた。


30周目
スタラード:どのクルマもタイヤのデグはちょっと大きいけど、プランBで行くはずだ。プランCはやらない。


 2回ストップはないということだ。ピアストリ陣営ももちろん、1回ストップ戦略を敢行した。

2024年F1第7戦エミリア・ロマーニャGP オスカー・ピアストリ(マクラーレン)


 35周目、首位マックス・フェルスタッペン(レッドブル)を追走するランド・ノリス(マクラーレン)だが、3番手シャルル・ルクレール(フェラーリ)との差が縮まっていた。


35周目
ノリス:なんで僕は後ろの連中より、こんなに遅いんだ?
ウィル・ジョゼフ:他はみんな、我々よりタイヤを使ってるからだよ
ノリス:そうなの? 全然ペースがないんだけど。


 ジョゼフが不安を打ち消そうとするが、ノリスは納得できないようだった。


 そしてルクレールは、いよいよペースを上げてノリスに迫り始めた。


41周目
ジョゼフ:この数周、ルクレールがプッシュしてきてる。
ノリス:もっと大きな声で言ってくれ!
ジョゼフ:ルクレールがペースを上げてる。1分21秒だったのが、今は1分20秒5だ。
ノリス:僕もプッシュしてるんだけどね。向こうの方が、ずっと速い。


 逆にルクレール陣営は勢いづく。担当エンジニアはこの週末から、ブライアン・ボッツィに代わっていた。


44周目
ボッツィ(→ルクレール):コース上で一番速いぞ


 44周目には、ルクレールはノリスの1秒以内まで迫った。

2024年F1第7戦エミリア・ロマーニャGP ランド・ノリス(マクラーレン)&シャルル・ルクレール(フェラーリ)


 一方、首位のフェルスタッペンも、決して独走状態ではない。44周目に7秒あったノリスとのマージンは、51周目には4秒5まで縮まっていた。


51周目
ジャンピエロ・ランビアーゼ:ランドに対してタイムロスしてるのはターン2とターン6だ。
フェルスタッペン:もうタイヤがダメなんだよ。
ランビアーゼ:あくまで情報として上げただけだ、マックス。
フェルスタッペン:僕のも単なる情報だけどね。




 このやりとりだけ聞けばまだ余裕があるような印象だが、この後もノリスはさらに差を縮めていった。


 51周目の時点で、メルセデス勢はジョージ・ラッセル6番手、ルイス・ハミルトン7番手。しかしラッセルは、かなりタイヤが厳しくなっていた。


52周目
マーカス・ダドリー:今ピットインしたらルイスの後ろになってしまうけど、それでもいい? ペレスの前では、コースに戻れるけどね。
ラッセル:ああ。それでいいよ。でもピットインは、チェッカー間際だよね?
ダドリー:いや、違う。
ラッセル:ピットインの理由は? よくわからないんだけど。
ダドリー:タイヤが最後まで持つか、確信できないんだ。
ラッセル:理由もなしに、順位を落としたくないよ

2024年F1第7戦エミリア・ロマーニャGP ジョージ・ラッセル(メルセデス)


 結局、52周目にラッセルはピットイン。ハミルトンに先行されたものの、ファステストタイムを叩き出すことに成功した。


 ノリスに迫られているフェルスタッペンが、周回遅れのマシンに対して、珍しく焦りをあらわにした。


56周目
フェルスタッペン:あのバカ、僕を行かせないのか


 追い詰めるノリス。


57周目
ジョゼフ:ターン9でもうちょっとプッシュしたら最高だ
ノリス:やってるよ、精一杯やってる。


61周目
フェルスタッペン:バッテリーがほぼ空だ!


フェルスタッペンが0.7秒差で、辛くも逃げ切った。


チェッカー後
フェルスタッペン:かなり頑張らないといけなかったよ。でもなんとかやり遂げたね。




ノリス:ついてなかった。序盤のロスが痛すぎた。でも今回も、素晴らしい週末だった。みんな、よくやってくれた。




 3位に入ったルクレールだが、レッドブル、マクラーレンに対抗できなかったことに、少なからぬショックを受けたようだ。


ボッツィ:P3だ。よくやった。これ以上はないペースで、走ってくれた。ファンにも感謝だ。
ルクレール:ああ……そうだね。彼らはいつでも、一緒にいてくれる。いいレースだった。もっといい結果も出せたはずだけどね。これから勝てたら最高だけど、どうだろうね。
ボッツィ:ファンもわかってくれるさ。


ジョゼフ:ドライバー・オブ・ザ・デイに選ばれたぞ。
ノリス:あと1、2周あったらね。そしたら……。いや〜勝てなかったのは、イラつくね。今や、勝てないことがすごく辛いよ。


 初勝利を挙げたことで、ノリスの心のうちは確実に変化している。マイアミの前だったら、2位表彰台という結果をここまで悔しがることはなかっただろう。


投稿 【F1第7戦無線レビュー】フェルスタッペンまで0.7秒差。2位を悔しがるノリス「あと1、2周あったらね」autosport webに最初に表示されました。

AUTOSPORT web

「リス」をもっと詳しく

「リス」のニュース

「リス」のニュース

トピックス

x
BIGLOBE
トップへ