武居由樹、127秒殺 電光石火のV2防衛「最初から飛ばした」…WBA世界バンタム級タイトルマッチ

2025年5月28日(水)20時50分 スポーツ報知

1回TKO勝利の武居由樹はこん身のガッツポーズを見せる (カメラ・堺 恒志)

◆プロボクシング ▽WB世界バンタム級(53・5キロ以下)タイトルマッチ12回戦 王者・武居由樹—同級7位・ユッタポン・トンデイ(5月28日、横浜BUNTAI)

 WBO世界バンタム級王者・武居由樹(28)=大橋=が、同級7位の挑戦者ユッタポン・トンデイ(31)=タイ=を1回2分7秒、TKOで退け、2度目の防衛に成功した。

 わずか127秒。武居が、3度倒して秒殺防衛を果たした。開始早々、左ストレートでダウンを選手。明白にダメージが残るユッタポンになおも襲いかかり、左で2度目、3度目のダウン。それでもなんとか立ち上がったユッタポンに、連打を浴びせてトドメを刺した。

 ボクシング転向後、8戦連続KO勝利の快進撃だ。しかし戴冠した世界戦、初防衛戦と2戦連続判定勝利。V2戦を前に、所属ジムの大橋秀行会長(60)から「野性味がなくなった」と指摘され、「守りに入っていた」と反省。「めちゃめちゃにしようと思っています」と野性を取り戻そうと拳を磨き、野性の攻撃で初回KO防衛で示した。リング上で「とにかくきょうは倒さなきゃと思って、最初から飛ばした。メインで1ラウンドKOで勝てたことは幸せです」と笑顔を見せた。

 当初1月に予定されていたユッタポン戦は、昨年12月の自身の右肩関節唇損傷により延期となった。年明けから右腕を固定した状態で走り込みを開始。2月上旬に右のパンチを打てるようになり、4月から本格的にスパーリングを再開した。故障を機に、利き手である右に比べ「得意ではなかった」という左のパンチとステップワークを徹底的に鍛えてきた。

 リハビリ期間中は、他団体の日本人王者たちの躍動をリング外から見つめる日々だった。2月に圧巻のKO防衛を果たしたWBC王者・中谷潤人(27)=M・T=は、6月8日にIBF王者・西田凌佑(28)=六島=と王座統一戦で激突する。WBA王者・堤聖也(29)=角海老宝石=も2月に比嘉大吾(29)=志成=とダウンの応酬となる激闘を繰り広げた。堤は試合後に目の手術を受けたため休養王者となり、比嘉は新たに正規王者となるアントニオ・バルガス(28)=米国=の初防衛戦の対戦相手として候補に挙がっている。「自分はちょっと出遅れた。評価も少し下がっていると思う。しっかり勝ち切って並んでやる、追い越してやるっていう気持ち」との覚悟で臨んだ一戦だった。

 世界王者同士での対戦を誓い合った那須川天心(26)=帝拳=はWBC1位、WBA&WBO2位、IBF4位と世界ランクを着々と上げてきた。6月8日の世界前哨戦を経て、11月にも世界挑戦を迎える予定だ。

 武居の次戦は今秋、WBO1位クリスチャン・メディナ(メキシコ)との指名試合が内定。この試合をクリアすれば、いよいよ天心戦が現実味を帯びてくる。

 ◆武居由樹(たけい・よしき)1996年7月12日、東京・足立区生まれ。28歳。高校時代はボクシング部で活動も、その後キックボクシングに転向。「パワーオブドリーム」に所属し、2014年11月にKrushでデビュー。17年4月、K—1ワールドGPスーパーバンタム級王座を獲得。19年6月、K—1同級世界最強決定トーナメント優勝。20年12月にボクシング転向を表明。21年1月のプロテストに合格し、3月にデビュー。身長170センチの左ボクサーファイター。

スポーツ報知

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