二所ノ関親方から新横綱・大の里へ「強さも大事だけど、憧れを持たれるような力士になってほしい」

両手にタイを持ち、笑顔がはじける大の里（左は二所ノ関親方）

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　日本相撲協会は２８日、大相撲名古屋場所（７月１３日初日・ＩＧアリーナ）の番付編成会議と臨時理事会を開き、大の里（２４）＝二所ノ関＝の第７５代横綱昇進を満場一致で決めた。新横綱は茨城・阿見町の部屋で行われた伝達式で「横綱の地位を汚さぬよう稽古に精進し、唯一無二の横綱を目指します」と口上を述べた。「唯一無二」は昨年秋場所後の大関昇進時と同じ。今年は相撲協会の財団法人設立１００周年。節目に誕生した若き最高位力士は、土俵入りは師匠・二所ノ関親方（元横綱・稀勢の里）と同じ雲竜型で行う。

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　まな弟子の伝達式を終え、記者会見で並んだ二所ノ関親方は柔和な笑みを浮かべていた。２１年に部屋を創設して４年で育てた新横綱は、日本出身では自身以来８年ぶり。「一つの目標だった。これからも強い弟子を育てたい」と語った。

　年６場所制以降新入幕では、大の里が最速９場所で昇進したのに対し、親方は最も遅い記録となる所要７３場所で昇進。「僕の場合は大関も５年いたから全然違う」と話し、弟子の成長の理由を「地道な稽古をやり続け、少しずつ身になってきた」と明かした。

　親方はけがもあり横綱での優勝は１度。在位は２年と短命だった。それでも「僕は自慢できるような結果ではなかったが、経験したことを伝えられればいい」。内容は明かさなかったが、横綱の心構えも与えた。「強さも大事だけど、人の見本となり、憧れを持たれるような力士になってほしい。背中で引っ張っていってほしい」と期待。大の里も「親方の教えを守って、教えを信じて頑張りたい」。これからも二人三脚で相撲道の発展に尽力していく。