6勝目の巨人・山崎伊織、勝負勘を鍛える「ジャイケン」自主トレで赤星らと勝負 強いのは「やっぱり俺やな」

2025年5月29日(木)5時0分 スポーツ報知

6回1死、坂倉を空振り三振に仕留め、ガッツポーズする山崎(カメラ・相川 和寛)

◆JERA セ・リーグ 巨人4—1広島(28日・金沢)

 巨人が広島戦の連敗を4で止めた。先発の山崎伊織投手(26)は7回途中6安打1失点の粘投。3試合ぶりの白星で、セ・リーグトップに並ぶ6勝目をゲットした。1点を追う初回には、増田陸内野手(24)の自身初の先頭打者アーチとなる3号ソロで同点。4番のT・キャベッジ外野手(28)が右翼場外へ、NPB通算11万号の節目を飾る7号ソロを運び勝ち越した。チームは4年ぶりの金沢で、2位に浮上した。

 こん身の直球でバットが空を切るのを確認すると、山崎は思わずガッツポーズした。2—1の6回。先頭・末包をシュートで見逃し三振。続く坂倉はフルカウントから最速151キロ直球で空振り三振。拳を握り締めると、最後はモンテロを二飛。石川に集まった約1万人の歓声が響いた。

 続投した7回1死から矢野に安打を許して交代も中5日で6回1/3、103球、6安打1失点でリーグトップタイの6勝目。お立ち台では「立ち上がり難しくて、すぐ点を取られてしまった。でも、裏に逆転してくれたので何とか粘り強く、イニング途中で降りてしまいましたけど何とか試合をつくれたと思います」と汗を拭った。

 石川の人々の心を動かす投球を見せたかった。能登半島地震、能登半島豪雨の復興支援を込めた石川でのマウンドに「被災したことはないですけど、両親が阪神淡路大震災を経験して大変だったと聞いた。楽しかったと思ってもらえる一日にするためにも気持ちを入れていきたい」と力が入った。

 初回、2死一、二塁で坂倉に左翼線へ適時二塁打を浴びて先行されたが崩れなかった。「直球がうまく使えて、その分中盤から投球の幅が広がった」。直球にフォークやシュートなどを効果的に使い、カウントを崩しても大胆に攻めて7K。両翼91・5メートルの狭い球場でも一発へ細心の注意を払って投げた右腕に阿部監督も「なんとか粘っていい投球をしてくれた。素晴らしい」と拍手を送った。

 “伊織流特訓”で勝負勘を鍛えた。「自主トレで勝負勘を鍛える秘密があんねん」。赤星、園田と行っていたジャンケンだ。「ランニングの本数を決めるジャイケン! ジャイケン一つでも(相手が)何を出すとか表情を見て勝負勘を鍛えるようにしてる。集中して野球でもピンチであかん!ってときに抑える感覚をつける」と語り、打者との駆け引きの力も養われているという。中でも強いのは「やっぱり俺やな」とニヤリ。赤星は「伊織さんジャンケンじゃなくてジャイケンって呼ぶ。関西の人はそうだって言うんですけど、本当ですかね」と笑いながらも「ピンチでのギアの入れ方は本当にすごい」と語る。この日も走者を背負いながら、勝負強さを発揮した。

 地方球場は9試合で6勝2敗、防御率1・85。ヒーローインタビューを受けながら、笑顔あふれるスタンドを見渡した。「グラウンドに入った時から子どもたちが笑顔で入ってきたのが見えた。勝つことでより一層楽しい一日になれたと思うのでよかったです」。石川のファンへ、記憶に残る1勝を届けた。(水上 智恵)

◆2回以降は スライダー効果的

 村田真一氏Point 伊織は立ち上がりにちょっとバタバタしたね。両翼90メートルちょっとの球場の狭さと、打者有利の風、先制されたくないという心理も働いて、慎重になりすぎたように見えた。だから初回、坂倉のタイムリー直後のモンテロが初球を簡単に打ち上げてくれたのはラッキーやったね。2回以降は両サイドにしっかりと投げ分けられて、特にスライダーがよかった。これで右打者の内角に食い込むシュートも生きたよね。慣れない球場で7回途中1失点。試合をしっかりつくったよ。(スポーツ報知評論家)

スポーツ報知

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