大の里 先輩・輪島を「超えられるように頑張りたい」 同郷・石川出身で、2人目の学生出身横綱に
2025年5月29日(木)4時30分 スポーツニッポン
日本相撲協会は28日、東京・両国国技館で名古屋場所(7月13日初日、IGアリーナ)の番付編成会議と臨時理事会を開き、大の里(24=二所ノ関部屋)の第75代横綱昇進を満場一致で決めた。師匠の稀勢の里(現二所ノ関親方)以来8年ぶりの日本出身横綱が誕生。大の里は茨城県阿見町の二所ノ関部屋で昇進伝達式に臨み、大関昇進時と同じ「唯一無二」を使って決意を述べた。
大の里が同じ石川県出身の輪島以来、2人目の学生出身横綱になった。「常々耳にしてやっていた。こうやって偶然ですが、同じ夏場所後に上がれた」と感慨深げだ。
優勝14回で「黄金の左」と呼ばれた左下手からの攻めを得意とした輪島は日大で2年連続学生横綱に輝き、デビューから所要21場所で横綱昇進。大の里が抜くまでは最速記録を誇った。幼少の頃に父から輪島の存在を聞かされた新横綱は「最初はピンとこなかったが、相撲を重ねると(輪島の)凄さが分かってきた」という。
金星獲得なしでの昇進、初優勝から7場所目となる名古屋場所で新横綱は憧れの大先輩と同じ。「番付的には並んだが、まだまだあの人にはかなわない。雲の上の存在。これから先輩を超えられるように頑張りたい」と決意をにじませた。 (黒田 健司郎)
【昇進アラカルト】
▽最速 初土俵から13場所は輪島の21場所を抜いて年6場所制となった1958年以降初土俵で最速。新入幕から9場所も大鵬の11場所を上回り、58年以降新入幕で一番の速さ。
▽負け越しなし 初土俵から負け越しなしの昇進は58年以降初めて。
▽石川県出身 江戸時代後期の阿武松、73年夏場所後に昇進の輪島に次いで3人目。最多は北海道の8人。
▽学生出身 日大出の輪島に次いで2人目。
▽二所ノ関部屋 元横綱・稀勢の里が師匠となって以降初めて。二所ノ関部屋の横綱は玉錦、大鵬に次いで3人目。二所ノ関一門からは17年初場所後の稀勢の里以来。
▽同一年に複数の新横綱 87年の北勝海、大乃国以来で昭和以降7例目。