大の里の横綱昇進 恩師も涙こらえる 「大横綱の予感がする」「20回以上の優勝もできる」周囲も期待
2025年5月29日(木)4時30分 スポーツニッポン
日本相撲協会は28日、東京・両国国技館で名古屋場所(7月13日初日、IGアリーナ)の番付編成会議と臨時理事会を開き、大の里(24=二所ノ関部屋)の第75代横綱昇進を満場一致で決めた。師匠の稀勢の里(現二所ノ関親方)以来8年ぶりの日本出身横綱が誕生。大の里は茨城県阿見町の二所ノ関部屋で昇進伝達式に臨み、大関昇進時と同じ「唯一無二」を使って決意を述べた。
【大の里と部屋に茨城県民栄誉賞】
茨城県の大井川和彦知事は28日の定例記者会見で、横綱昇進を正式に決めた大相撲の大の里と、所属する二所ノ関部屋(同県阿見町)に県民栄誉賞を贈る方針だと明らかにした。「努力が実り、最速で横綱昇進を勝ち取ったことは、県民として喜ばしい」と述べた。県によると、表彰式は例年11月に実施しているが、日程を調整し「個別に表彰したい」としている。
【中高6年間指導の田海監督も感激】
大の里を中高6年間指導した新潟・海洋高相撲部の田海哲也総監督が伝達式を見守った。「なんとか目から汗が出ないように頑張っているけど、綱打ちや土俵入りは、ちょっとジーンとくるかもしれない」と話した。夏場所では国技館で優勝の瞬間に立ち会うなど、教え子の成長した姿を見届けてきた。24歳の新横綱へ「みんなに愛される横綱になれると信じている」とエールを送った。
【横綱昇進に周囲の反応】
▼八角理事長(元横綱・北勝海) (夏場所は)よく集中していて安定感があった。横綱という最高位の誇りを胸に、全力士の手本となるよう率先して稽古に精進し、これからの新しい時代を切り開いていってほしい。
▼九重審判部副部長(元大関・千代大海) 大横綱の予感がする。揺れない心で淡々と取り、一つ一つできなかった課題を克服していけば完成するのではないか。
▼秀ノ山親方(元大関・琴奨菊) 横綱から横綱が生まれた。もう期待しかない。横綱がいると引き締まる。相撲協会と二所ノ関一門を引っ張ってもらいたい。
▼音羽山親方(元横綱・鶴竜) 20回以上の優勝もできるのではないか。まだ足りないところはあるかもしれないが、稽古をしてさらに強くなってもらいたい。
▼アデランス根本信男会長 史上最速での横綱昇進、誠におめでとうございます。本当に感無量です。日々の稽古に真摯(しんし)に取り組む姿勢や、土俵上での堂々たる相撲ぶりに、私たちも多くの勇気と感動をもらいました。これからは土俵の上だけでなく、土俵外でも相撲界の顔としての責任を担う立場になります。これまで通り真摯に相撲に向き合い、堂々とした取組で多くの人に感動を与えてほしいと思います。(二所ノ関部屋後援会法人会員)