パフォーマンスだけじゃない! 確実に力をつけてきた新庄ハムの鍵を握る「再生工場」 脅威の「.333」
2024年5月30日(木)13時16分 ココカラネクスト
特注の縦じまユニホームで甲子園を沸かせた新庄監督(C)産経新聞社
パ・リーグ2位の日本ハムは注目の交流戦初戦となる阪神戦(甲子園)に8−2と快勝。投打がかみあい、昨年の日本一チームを力で押し切った。
試合前には新庄剛志監督のド派手なパフォーマンスも話題を呼んだ。現役時代を長く過ごした聖地での一戦に特注の縦じまユニホームに身をつつみ、メンバー交換に現れた。
【動画】1番に起用された水谷はプロ初の猛打賞と躍動した
思わず敵将の岡田彰布監督も笑顔を見せた、”らしさ”満点の見参に阪神ファンも沸いた。
一方、試合内容は堂々たるものだった。2回は相手ミスにも付け込み2点を先制。さらに5回二死一塁からは新庄チルドレンの万波中正が相手先発・大竹耕太郎から6号2ランを放ち一発攻勢でも加点。
さらに2点リードで迎えた7回一死一塁の場面ではヒットエンドランのサインに代打・野村佑希がしっかり応えて左前打をマーク。一死一、三塁とし、代走で出た一走の五十幡亮汰が二盗に成功し一死二、三塁と好機を拡大させると、水谷瞬がプロ初となるこの試合3本目の安打を中前に放ち、2点を加えた。
先制、中押し、ダメ押し、ベンチワークも冴え、終盤まで手を緩めず昨年の日本一軍団から白星を奪った。
快進撃の要因となっているのは新庄監督のたくみな選手起用にもありそうだ。
この日、1番起用され、プロ初の猛打賞をマークした水谷は現役ドラフトでソフトバンクから移籍してきた。長打力が魅力とされながら、古巣ではなかなかブレイクを果たせなかったロマン砲にチャンスを与え、節目の大舞台で結果を残させ、自信をつけさせた。
ほかにもチームでは昨オフにFAで移籍した近藤健介の人的補償としてソフトバンクから獲得した田中正義も守護神として今やチームに欠かせない人材となっている。適材適所を見抜き、選手を育てる、師匠の野村克也氏ばりの「再生工場」が今やチームの快進撃を支えている。
好調な打線の中でも光る存在といえば、パ・リーグ2位の打率に躍り出た田宮裕涼にもありそうだ。今季がプロ6年目、開幕マスクを任されると非凡な打撃センスも注目されている。この試合も水谷に並び3安打の猛打賞をマーク、打率は「.333」まで浮上と今後は首位打者争いも期待できそうだ。
投打がかみあっての快勝で交流戦初戦を飾った日本ハムの30日の先発は左腕・山崎福也となる。こちらも打撃の良さで知られるだけに、聖地でどんなバッティングを見せるか、引き続き日本ハム旋風が吹き荒れるかも注目を集めそうだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]