中日選手の「幻の本塁打」騒動に球界OBが見解「ホームランだと思う」「人生も変わる」
2025年5月30日(金)5時20分 ココカラネクスト

27日の試合で、右翼ポール際の打球がファウルと判定された川越も納得のいかない様子を見せた(C)産経新聞社
今週、大きく野球界で注目を集めたのは中日がヤクルトと戦った27日の試合(神宮)の判定だった。
中日が0—1の8回1死一塁の場面。「5番・左翼」で先発した川越誠司の打球は右翼ポール際への大飛球となり、ファウル判定。これに対し井上一樹監督が、本塁打の指標であるポールを打球が巻いたのではないかとしてリクエストを要求した。
【プロ野球解説】中日川越”疑惑の判定”俺は〇〇だと思う!福永復帰もまた離脱…広島の強さは”末包のある成長”巨人キャベッジがNPB通算11万号!西武が1位まで0.5ゲーム「ネビンの打撃力と圧巻の投手力」
場内でも当該の映像が流れる中、しかしリプレー検証でも判定は覆らず。もし入っていれば、逆転の2ランともなっており、中日球団はこの判定に対し、NPBを訪問。森健次郎審判長に経緯の説明を受けたが、判定は変わらないと返答されたという。
さらに球団としては改善案を含む抗議文をNPB側に提出したが、リクエストに関する意見書は認められないという慣例もあり、不受理になったとも報じられた。
今回の判定に関しては球界内からも様々な考察の声が上がっている。
現役時代は大洋(現DeNA)で活躍、引退後は日本代表コーチを務め、現在は野球解説者として活躍する高木豊氏は29日に自身のYouTubeチャンネルに「【プロ野球解説】中日川越"疑惑の判定"俺は〇〇だと思う!福永復帰もまた離脱…広島の強さは"末包のある成長"巨人キャベッジがNPB通算11万号!西武が1位まで0・5ゲーム『ネビンの打撃力と圧巻の投手力』」と題した動画を更新。週前半の各球団の戦いぶりに触れる中で、中日の「幻のホームラン」に関しても自身の見解を伝えている。
高木氏は27日のヤクルト戦(神宮)で川越が放った大飛球に関して、「ビデオを何回も見直した、スローにもして。何回も見直して」と入念にチェックした上で「俺の見解だよ、ホームランだと思う」とコメント。
「(ポールで)ボールが一瞬消える。ということは内を通っているんだよ。あれが入っていたら中日が勝っている」と当日の中日の勝敗にも影響を及ぼしたと見る。
リプレー検証でも判定が覆らなかったことには「確信が持てないとジャッジを変えられない」としながら、「見方があるからな。いろんな角度から見ているから。俺もいろんな角度から見てみたけど、いや、これは入っているよなって」と本塁打と感じたとした。
今回の判定においてはファンの中からも様々な意見が出る中、高木氏も「今の技術ならセンサーを飛ばしておくとか、それで分かるようにしておくとか、そういうのも必要かなと思う」とポールに関わる打球に関しては映像だけではない形で、ジャッジが担保できるように提案するシーンもあった。
さらに高木氏は打った選手にも目を配った。ファウルと判定された1球だが「川越の人生も変わるよね」と話しながら、「ファームにいて上がってきて、必死に打った当たりが、あれが入っていると来年も野球ができるかもわからないし。極端に言えばそういうことも言える」と野球人生にも影響を及ぼす可能性もあるとした。川越は5月24日に初昇格、今季は32歳シーズン、プロ10年目の節目の年でもある。
「必死にジャッジしてくれたことも分かる」と審判団の日頃の努力を認めながらも、「今の技術を考えたら、やり方もあるんじゃないかな」と今後のジャッジの取り組みに関しては一考の余地もあるとした。
その中日は29日のヤクルト戦で今季最多タイの13安打、先発全員安打と猛爆。2回に村松開人の1号2ラン、3回に上林誠知に6号ソロが飛び出すなど打線が奮起、6−0と勝利。2連勝で4カードぶりの勝ち越しを決めた。
今回の判定を契機に今後も多角的な議論が求められそうだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]