WTCR:シリーズ復帰のゼングー、eシリーズ第3戦復活勝者のベンス・ボルディズを起用へ

2020年6月3日(水)16時55分 AUTOSPORT web

 WTCR世界ツーリングカー・カップの現世界王者ノルベルト・ミケリスを輩出したハンガリーのZengő Motorsport(ゼングー・モータースポーツ)が、2020年シーズンへの本格的復帰参戦を表明。若手有望株のベンス・ボルティズを含む2名を起用し、CUPRA Racingと新型『CUPRA Leon Competición TCR(クプラ・レオン・コンペティションTCR)』の投入に向け協議を進めている。


 かつてはWTCC世界ツーリングカー選手権を戦い、2019年のWTCRハンガロリンク戦では同じく地元のスター候補生であるタマーシュ・テンケを擁してワイルドカード参戦したZengőが、2台体制でのシリーズ本格復帰を表明した。


 そのリードドライバーに抜擢されたボルティズは、現在TCRヨーロッパ・シリーズの開催延期に合わせ実施中の『TCR Europe SIM Racing』に参戦中で、第3戦ハンガロリンクのレース2ではファイナルラップまで優勝戦線に加わり2位に入るパフォーマンスを披露していた。


 さらにイベント終了後にはBRC Racing所属の勝者マット・オモラに対し、ボルディズへのバトル中のインシデントで10秒加算のペナルティ裁定が降ったことで、オモラは4位へと降格しボルディズが繰り上げ優勝を獲得。これでレース1と合わせてイベント最多得点者となり、実際のシリーズ第3戦でヨコハマタイヤ2セットの無償供給を受けるプライズを獲得している。


 仮想空間でも実績を重ねつつあるボルディズとともにWTCR復帰を決めたZengőだが、使用機材の面でもアップデートを予定しており、これまでのクプラ・レオンTCRから2020年のデビューがアナウンスされている新型モデルへのスイッチを検討している。

『TCR Europe SIM Racing』第3戦のレース2で2位に入っていたベンス・ボルティズが繰り上げ勝利を手にした
数々の若手を送り出して来たZengő Motorsport代表のゾルターン・ゼングー(右)


「我々Zengő Motorsportの使命は、ベンスのような若く才能のあるドライバーに機会を与えることだ。彼はすでにハンコック・レーサー・カップ(地元ハンガリーのスズキ・スイフト・ワンメイク)で自身の能力を証明しており、個人的に彼の潜在的なチャンピオンとしての資質を確信している」と起用の理由を語るのは、Zengő Motorsport代表のゾルターン・ゼングー。


 そのボルティズは、大先輩のミケリスが育ったこのワンメイク・シリーズで複数の勝利を手にしたのち、2019年は国内ラリークロス選手権でもランキング2位を獲得するなど幅広い活躍を演じて来た。


「彼のWTCRデビューシーズンには大きな目標を課したりしない。チームとしては彼に多くの経験を積んでもらい、トラック上で可能な限りの走行距離を稼ぐとともに、もっともプロフェッショナルなツーリングカー・ドライバーたちから多くを学んで欲しい」と続けたゼングー代表。 


 22歳のボルティズはすでにチームの所有する旧型モデルでテストを開始しており、近日中にはセカンドドライバーのアナウンスと新型モデルの納入が実現する見込みだ。


「我々も彼に多くのテスト機会を与えたいし、エンジニアはこれまでに蓄積してきた“ギガバイト級”の膨大なデータを、彼の成長と学びのサポートとして活用したい」


「すでに丸1日のテストで30分のレースシミュレーションを8セッションこなし、結果はとても有望なものだった。そのタイムは彼が経験した中で最速の部類だったからね。それに私たちエンジニアのサポートを得て、いくつかのSim選手権を戦っているのも役に立っているだろう」


「チームのセカンドドライバーに関しても、ハンガリーのファンを驚かせる経験豊富で才能のあるドライバーと契約を結ぶところだ。彼、ベンスと、我々Zengő MotorsportはWTCRで大きな目標を達成できると信じている」

チームは2020年デビューの新型『CUPRA Leon Competición TCR』の2台を投入予定だ
ベンス・ボルティズの「経験豊富で才能ある」チームメイトは近日中にもアナウンスされる


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