WEC:アロンソ、ル・マンテストデー最速マーク。レベリオンがトヨタの1-2阻む

2018年6月4日(月)12時21分 AUTOSPORT web

 6月3日、フランスのサルト・サーキットでWEC世界耐久選手権第2戦ル・マン24時間レースの事前テスト“ル・マンテストデー”が行われ、TOYOTA GAZOO Racingの8号車トヨタTS050ハイブリッド(セバスチャン・ブエミ中嶋一貴フェルナンド・アロンソ/ホセ-マリア・ロペス/アンソニー・デビッドソン)が午前と午後の両セッションでトップタイムをマークした。


 約2週間後に迫った伝統の耐久レース、ル・マン24時間の本戦に先駆けて行われたテストデーは9時〜13時、14〜18時の合計8時間の走行セッションが設けられた。
 
 いずれのセッションでもアクシデントによってたびたび赤旗や、コースの一部で80km/hに制限されるスローゾーンが導入され、午前のセッションの終盤にはアストンマーチン・レーシングの95号車アストンマーチン・バンテージAMRがクラッシュを喫したことでバリアの修復が必要となり、約30分の走行時間を残してセッション終了となっている。
 
 そんなテストデーでベストタイムをマークしたのは“ルーキー”アロンソがドライブする8号車トヨタだった。今季トヨタ入りした2度のF1王者は午前のセッションで3分21秒468という全体トップタイムを記録していたが、午後はそこから約2.4秒のタイムアップを果たし3分19秒066をマーク。小林可夢偉がドライブし直前まで3分20秒008で暫定トップとなっていた7号車トヨタTS050ハイブリッドを上回ってみせた。
 
 この時点でタイムシートはトヨタのワン・ツーとなったが、その後、マティアス・ベッシェ駆るレベリオン・レーシングの3号車レベリオンR13が3分19秒680で総合2番手に割って入った。
 
 結局トップ3のタイムはこのまま変わらずにセッションは終了。例年、真の実力が見えづらいテストではあるが、LMP1プライベーターの中でもっともチーム力、マシンの戦闘力が高いとみられているレベリオンが、ワークスの牙城を一部崩す結果となっている。


 総合4番手はアンドレ・ロッテラーを擁すレベリオンの1号車レベリオンR13。これに元F1チャンピオンのジェンソン・バトンが加わったSMPレーシングの11号車BRエンジニアリングBR1・AER、僚友17号車BR1が続きここまでが3分21秒台に入った。
 
 総合7番手以下はバイコレス・レーシング・チーム、ドラゴンスピードが続き、開幕戦スパ・フランコルシャン6時間は資金面の問題からレースウイーク中の撤退を余儀なくされたCEFC TRSMレーシングの5号車、6号車ジネッタG60-LT-P1・メカクロームがクラス9番手、10番手となっている。

8号車トヨタTS050ハイブリッド
テストデー2番手につけた小林可夢偉と7号車トヨタTS050ハイブリッド


 LMP2クラスでは今季もオレカ07・ギブソン勢が好調をキープしており、この中でドラゴンスピードの31号車オレカ(リカルド・ゴンザレス/パストール・マルドナド/ナタナエル・ベルトン組)が3分7秒228でクラストップに。しかし、同チームは午後のセッションで、マルドナドがインディアナポリスでクラッシュを喫し赤旗の原因となった。


 トップからわずか0.024秒差のクラス2番手は、ドラゴンスピードと同様にミシュランタイヤを履くIDECスポーツが入り、オレカ+ミシュラン勢がワン・ツーを構築。ダンロップユーザーはGドライブ・レーシングの26号車オレカがクラス3位で最上位に。このほかリジェJS P217ユーザーではユナイテッド・オートスポーツの22号車リジェがクラス6番手、ダラーラP217はクラス8番手に留まった。
 
 6メーカー合計17台が参戦するLM-GTEプロクラスは、午前こそフォード・チップ・ガナッシ勢がトップ4を独占する速さを見せたが、午後になると同じく4台体制でル・マンに乗り込むポルシェ勢が躍進を果たす。
 
 最終的に3分52秒551をマークした93号車ポルシェ991 RSRがクラストップに躍り出ると、これに91号車ポルシェ911 RSRが0.096秒差で続きポルシェGTチームがワン・ツー体制を築いた。クラス3番手以下はフォード・チップ・ガナッシチームUK、同チームUSAのフォードGT勢が3分53秒台前半のタイムでクラス6番手までを占めている。
 
 LM-GTEアマクラスはデンプシー-プロトン・レーシングの77号車ポルシェ911 RSR(マッテオ・カイローリ/クリスチャン・リード/ジュリアン・アンロエア)がクラス唯一の3分55秒台をマークしてトップに。


 これに続いたのは2台のフェラーリで、スピリット・オブ・レースの54号車フェラーリ488 GTEがトップから約コンマ3秒差のクラス2番手、澤圭太を擁すクリアウォーター・レーシングの61号車フェラーリ488 GTEが同3番手に入った。ル・マン初参戦となる石川資章が率いるMRレーシングは、サルト初走行をクラス9番手で終えている。
 
 第86回ル・マン24時間レースは6月10(日)〜11日(月)に行われる公開車検を皮切りに13日(水)に走行がスタートする。13(水)〜14日(木)には公式予選が行われ、ドライバーパレードが実施される15日(金)をはさんだ翌日の16日(日)15時に24時間レースのスタートが切られる予定だ。

7号車トヨタTS050ハイブリッド


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