“忘れるな、レースは24時間だ”。ル・マンのレースディレクターとドライバーのブリーフィング内容が公開

2022年6月11日(土)13時54分 AUTOSPORT web

 6月9日に行われた予選“ハイパーポール”で各クラスの上位グリッドが決定、11日スタートの決勝レースを待つばかりとなっている第90回ル・マン24時間レース。メンテナンス日となった10日はACOの記者会見やドライバーズパレードなど、さまざまなイベントが行われた。


 その裏では、決勝レースに向けさまざまな準備も進められている。金曜午前10時から行われた『トップ4スタートドライバーズ・ブリーフィング』もそのひとつ。これはハイパーカークラス、LMP2クラス、LMGTEクラスの予選トップ4ドライバーとチーム代表者を集め、レース・ディレクターとともにスタート手順等の確認を行うための打ち合わせだ。


 このブリーフィングの内容が公式通知として、WECレースディレクター、エドゥアルド・フレイタスの名で公開されているので、その内容を紹介しよう。


 まず、フレイタスからの特記事項としては、以下の5項目がドライバー/チーム代表者に伝えられている。


・フォーメーションラップの終盤では、可能な限り(前車との)ギャップを小さくするよう要請したい。


・このレースは24時間であり、ターン1だけではないことを忘れないように。


・レースディレクターに対し、コース上からのフィードバックを行うことを勧める。


・夜間、ディスプレイが表示されていないときに、(サインガードから表示される)シグナリング・パネルを覆うことができるのであれば、それはコース上のドライバーの混乱を少なくすることができる。


・マーシャルには『NEXT SLOW』ボード(※スローゾーン入口の手前で表示される)を、光の反射が少なくなるように提示してほしいと、依頼している。


■ドライバーとの質疑応答


 続いては、出席した各ドライバー/代表者と、フレイタスとの質疑応答だ。


ケビン・エストーレ(ポルシェGTチーム):もしミュルサンヌにグラベルが撒かれた場合、それを毎回清掃する予定か?


フレイタス:そのエリアにニュートラリゼーション(スローゾーン、SC等)がある場合、我々のプランでは可能な範囲で清掃を行うことにしている。


ニック・タンディ(コルベット・レーシング):グリッドはグループ(カテゴリー)ごとに編成されるのか、明らかにしてほしい。


フレイタス:特別規則書により、グリッドはカテゴリー別に編成されることが明確になっている。


グリッケンハウス:スタートではどの速度が推奨されるのか。


フレイタス:ポールポジションの車両は一定の加速度を保たなければならないが、我々は車速の増加を受け入れる。


アントニオ・フェリックス・ダ・コスタ(JOTA):ライトが消えるまで、スピードを維持することを期待しているのか?


フレイタス:その通りだ。前のクルマとの距離を保つこと。追い越しは、そのクルマがスタートラインを越えてからでなければいけない。


チームWRT:LMP2とLMGTEとのギャップは許されるのか?


フレイタス:小さなギャップは許容される。


チームWRT:ガレージの中で、CCTVをつけたままにしておくことは可能か?


フレイタス:リクエストは承知した。CCTVは、ドライバーにブルーフラッグについてアドバイスするために、また、何らかの介入があった場合に備え、利用できるようにしておくかもしれない。いずれにせよ、コース上で何らかの問題が発生した場合は、電源を切ることになる。

WECおよびル・マン24時間でレースディレクターを務めるエドゥアルド・フレイタス。2022年はF1でもレースディレクター業務を行っている

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