BTCC:第4戦オールトンパーク。常勝軍団覚醒、BMW2連勝で選手権首位浮上

2018年6月12日(火)15時14分 AUTOSPORT web

 BTCCイギリス・ツーリングカー選手権の第4戦が6月8〜10日にオールトンパークで開催され、予選とレース1で伏兵のマット・シンプソン(ホンダ・シビック・タイプR)が躍進を見せるなか、続くレース2、レース3で常勝軍団が覚醒。ウエスト・サリー・レーシング(WSR)のコリン・ターキントン(BMW125i Mスポーツ)が今季初優勝を決め、選手権首位に浮上した。


 フリープラクティスでのトップタイムマークでパドックを驚かせたユーロテック・レーシングのシンプソンは、その余韻も冷めやらぬまま予選で自身初のBTCCポールポジションを獲得。


 昨季チーム・ダイナミクスの3台目としてルーキーイヤーを過ごし、今季はユーロテックに移籍し、引き続き自身が代表を務める企業のオリジナルカラーをまとったシビックを走らせているこのジェントルメンドライバーは、ここまでの3戦で予選トップ10入りは開幕戦ブランズハッチの1回のみながら、このオールトンパークで後続にコンマ2秒の差をつける理想的なアタックを披露してみせた。


「ポールを獲得できるなんて”メガ・フィーリング”だよ。セッションが始まってからは1分25秒6前後がトップタイムになるだろうと思っていた。1分25秒750が出たのを見たときは『悪くないタイムだ』とは思ったけど、他にバラストを載せていないドライバーたちが続いてくると予想していたんだ」と、振り返ったシンプソン。


「(ルーキーだった)昨年の予選タイムは26秒9だから、僕自身は大きなインプルーブを成し遂げたといえるね。それが最高にうれしいんだ」


 そのシンプソンはレース1スタートでも見事にホールショットを決め、フロントロウに並んだサム・トルドフ(フォード・フォーカスRS)、3番グリッドのトム・チルトン(フォード・フォーカスRS)のモーターベース・パフォーマンス軍団を抑えることに成功すると、そのまま15ラップを走りきりBTCC初優勝をマーク。スタートでチームメイトを逆転したチルトンが2位、トルドフをかわしたWSRのアンドリュー・ジョーダン(BMW125i Mスポーツ)が3位に入った。


 しかし同日の午後14時50分スタートとなるレース2を前に、引き続きポールシッターとなるはずだった勝者シンプソンのマシンを異変が襲い、チームはエンジンの換装を決断。これでチルトンが実質先頭スタートで始まったレースは、3番手ジョーダン以下、虎視眈眈と上位進出を狙っていたWSRのBMW軍団が躍進する展開となる。


 チルトン、ジョーダンがパックを引っ張る形となったオープニングラップは、後続集団でいくつかのアクシデントが発生。チーム・ダイナミクスのルーキー、ダン・カミッシュ(FK8ホンダ・シビック・タイプR)が他車に弾かれる形でコースオフを喫すると、なんとかマシンを立て直してロスを最小限に抑えてコースに復帰。

ユーロテック・レーシングから参戦するBTCC2年目の伏兵、マット・シンプソンがポールポジションを獲得
落ち着いてスタートを決めたジェントルメンドライバーは「ばかげたミスを犯さない」ことに集中してレースをコントロール
2位トム・チルトン、3位アンドリュー・ジョーダンを従えてBTCC初勝利を飾った

R1は表彰台圏内を走行も、4戦連続4位のサム・トルドフは、R2で炎上リタイヤに


 その余波で後続は玉突き状態となり、レーザー・ツールズのエイデン・モファット(メルセデス・ベンツAクラス)、パワーマックス・レーシングの選手権リーダー、ジョシュ・クック(ボクスホール・アストラBTCC)が巻き添えとなる形でマシンにダメージを負いピットへ。


 ヘアピンでもユーロテック・レーシングのブレット・スミス(ホンダ・シビック・タイプR)が同様の混乱でスピンオフを喫するも、幸運なことに他車とのヒットを回避してコースへと戻ることができた。


 その混乱のオープニングラップを経て、WSRのターキントンはコントロールラインを4番手で通過すると、すぐさまトルドフのフォーカスRSを捉えて3番手に浮上。同じ周には、後方からターキントンを追尾していたチーム・ダイナミクスのマット・ニール(FK8ホンダ・シビック・タイプR)もトルドフをかわし、BMW追走体制を死守する。


 しかし勢いの衰えないターキントンは、そのままチームメイトであるジョーダンの背後に迫ると、最終コーナー”ロッジ”でBMW対決を制し、イエローのマシンをオーバーテイク。首位チルトンを射程圏内に収めて3周目に入っていく。


 そのまま2周を経てフォードのマシンとの距離を縮めていったターキントンは、駆動方式は異なるものの再びイエローのマシンを”ロッジ”で仕留めてついに首位浮上。8周目の1コーナーでニールがチルトンをかわして2番手に浮上してくるも、すでにターキントンはセーフティリードを築き上げており、そのままトップチェッカー。


 BMW125i MスポーツとチームWSRに今季初勝利をもたらすとともに、選手権首位浮上に成功。2位にはチルトンをかわしたニールが入っている。


 続く夕刻17時過ぎにスタートしたレース3でもBMW勢の勢いは衰え知らずとなり、リバースポールから5台の多重クラッシュが発生した混乱にも乗じて、ロブ・コラード(BMW125i Mスポーツ)がWSRに連勝をもたらすと、2位ジョーダン、3位ターキントンと続き、BMWが表彰台を独占する結果となった。


 これでターキントンはポイントを125とし、ランキング2位のアダム・モーガン(メルセデス・ベンツAクラス)、ジャック・ゴフ(ホンダ・シビック・タイプR)に12ポイント差をつけている。


 続くBTCC第5戦は2週間後、6月22〜24日にクロフト・サーキットで開催される。

R2で唯一、BMW勢に喰らい付いたマット・ニールが2位表彰台を確保した
R2での今季初優勝に続き、R3でも3位表彰台に上がったコリン・ターキントンが選手権首位に浮上
この週末、常に表彰台に絡む争いを見せたトム・チルトンとアンドリュー・ジョーダン
現王者のスバル・レヴォーグGT、アシュリー・サットンはトップ10圏外の苦しい戦いが続いている


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