「私はコメントしない」全仏OPを仕切るフランスの重鎮が加藤未唯の失格騒動に持論「混合ダブルスに出場させた」

2023年6月12日(月)12時25分 ココカラネクスト

まさかの失格処分に揺れた加藤。その処分に対する大会側の意見が明らかになった(C)Getty Images

 世間を騒がせるニュースの余波はいまだ広まっている。

 去る6月4日に行なわれたテニスの4大大会「全仏オープン」の女子ダブルスで、加藤未唯(ザイマックス)の相手コートへの返球がボールガールに直撃。これがキッカケとなって、前代未聞の失格処分を言い渡された。

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 当人が「わざとやったわけじゃない」と釈明したこと、そして主審が最初に「警告」を宣告していたにもかかわらず、相手ペアの抗議を受けてジャッジを変更したこと。そして加藤の賞金とポイントが没収となったために、世界中のファンから28歳の日本人に同情の声が噴出した。

 いまだローランギャロス(全仏オープンの愛称)でのジャッジへのバッシングの声が上がるなか、現地6月11日に大会ディレクターを務めるアメリ・モレスモ氏が会見を実施した。一連の内容をフランスのスポーツサイト『France info』などが報じている。

 かつて全豪と全英を制した実力派プレーヤーでもあったモレスモ氏。テニス界の酸いも甘いも知る彼女は、「ロッカールーム(テニス関係者や選手)の意見は、とても分かれていると思う。多くの人がイエス、多くの選手が実際に不公平だったと言っていると聞いている。もし、ボールガールを7分、8分、それ以上も泣かすようなことであれば、それは何かしらを意味しているという意見も聞いた」と失格処分に対する賛否両論がある現状を強調。そのうえで、「私はコメントをしない」とし、そのワケを論じている。

「裁定を下した後に動画を見るのはいつでも簡単だから。裁定はツアーのスーパーバイザーと審判によってなされました。動画を見ずにコートに来て、見ていないことをもとに、報告されたことを判断しなければいけません」

 あくまで試合の当事者による判断に尊重する意思を示したフランス・テニス界のレジェンドは、「ボールガールがあれだけ長く泣いているのを見たら、何かしらの決断を下さなければならないと思います。それは単に事実です」と主張。そして、こうも続けてみせた。

「私はあの判断が良いか、悪いかをコメントするつもりはありません。そして、それ(裁定)はグランドスラムのルールブックにあり、とても明確なことです。彼女を混合ダブルスへの出場を継続させたのも大会の判断です。それは少なくとも彼女にとってはポジティブなことだった」

 一連のコメントを鵜呑みにする限り、女子ダブルスにおいて加藤に下された処分が覆る兆しはなさそうだが、はたして——。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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