アキュラ、新型『RDX』含む4台で今季もパイクスピーク・ヒルクライムに参戦

2018年6月14日(木)9時0分 AUTOSPORT web

 2018年もアメリカ・コロラド州で6月24日に開催されるパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム(PPIHC)に向け、ホンダが展開するアキュラは、同ブランドから今年初頭に発表し、この6月1日に北米でも販売が開始された新型クロスオーバー『RDX』で参戦すると発表。さらに既存の『TLX』2台と『NSX』の3モデルを加え、4台体制で挑むこととなった。


 アキュラとして7年連続の参戦となる“レース・トゥ・ザ・クラウド(雲に向かうレース)”に向け、2017年のオープンクラス優勝車『TLX GT』、エキシビジョンクラス優勝車『TLX A-Spec』、そしてタイムアタッククラス表彰台獲得マシンの『NSX』に加え、新たに2019年モデルとして発売を開始したばかりの新型モデル『RDX』のレーシングスペックをモータースポーツに初投入することをアナウンス。


 加えて、大会のオフィシャル・ペースカーとしても4年連続でアキュラ・ブランドの車両を提供することを明らかにした。


 日本でも今夏の発売がアナウンスされた新型『CR-V』の姉妹車となるこの『アキュラRDX』は、アキュラR&Dの北米シャシー開発グループが製作を手掛けたもので、今季のPPIHCエキシビジョンクラスでレースデビューを果たす。


 この3代目『アキュラRDX』が搭載するエンジンは2リッター直列4気筒直噴VTECターボとなり、チューンは違えど最新のホンダ・シビック・タイプRに搭載されるエンジンと同形式のもので、こちらもベースモデルで10速に進化したスポーツATを組み合わせる。


 また駆動系にはホンダ自慢の4輪制御システム“SH-AWD”が採用され、ブレーキ制御だけでなく、エンジントルク配分による本格的なベクタリング機構を実現している。


 これらベースモデルの特徴を踏まえつつ、このPPIHC仕様ではタービンを大型化するなどし、生産車由来のVTECターボの最高出力をノーマルの272PSから350PSまで引き上げると同時にインタークーラーも強化。10速ATにもシフトスピードとロックアップを見直したスポーツセッティングが施された。


 さらに内装の簡素化とロールケージを組み込んだ上で、軽量化を施したパワートレーンには、電動スーパーチャージャーを備えた48Vのマイルドハイブリッド・システムもドッキングされる。


 全輪制御機構のSH-AWDにもソフトウェアのリセッティングが行われ、リヤの駆動バイアスが高められているほか、レース用の調整式サスペンション、19インチのHRE製鍛造レースホイール、ピレリ製のスリックタイヤ、ブレンボ製キャリパーとパッドを採用している。


 この『アキュラRDXパイクスピーク・レースカー』をドライブするのは、PPIHCではルーキーながら、ラリーの世界で長年ホンダ製のマシンをドライブしてきたジョーダン・ギターで、2016年にはホンダ・フィットで北米ラリー選手権のナショナルBクラス王者も獲得している。

2018年発表、発売の最新クロスオーバー『アキュラRDX』がPPIHCでレースデビューを果たすこととなった
17年大会でクラス優勝を達成したマシンも引き続き参戦。今大会は4台体制で挑む
3代目『アキュラRDX』は2リッター直列4気筒直噴VTECターボ+10速AT+SH-AWDという魅力的な構成を持つ


 そのほか、2台が参戦する『TLX』のうち、市販モデルのスポーツグレードと同じ“A-Spec”の名称を持つ昨季のエキシビジョンクラス優勝車『TLX A-Spec』は、再び同クラスにエントリー。アキュラR&Dセンターのエンジニアを務め、2輪部門、NSXでのタイムアタック2クラスで優勝経験もあるニック・ロビンソンがドライブする。


 昨季モデルよりさらに軽量化が進められたほか、サスペンションやエンジン特性をリファイン。500PSオーバーの3.5リッターV&ターボと専用LSDの採用でクラス連覇を狙っている。


 そしてこちらも昨季のオープンクラスを制している『TLX GT』は、元PWCピレリ・ワールドチャレンジのGTクラスに参戦したリアル・タイム・レーシング(RTR)が製作したワークス車両をベースとしており、そのRTRでアキュラ・ワークスのレジェンドとして活躍したピーター・カニンガムが引き続きステアリングを握る。


 こちらも17年の初参戦を経てJ35型V6ツインターボのマッピングが高地用に最適化されているほか、RTRが専用サスペンションを開発。さらにタイトターンからの脱出に有効なトラクション性能を稼ぎ出すため、トランスミッションのギヤリングを細かく見直している。


 さらに17年モデルとの識別点として、さらに大型化したスプリッターとカナードを追加し、フロントのダウンフォースが増加。これにより前後バランスを取る上でリヤウイングの角度をさらに立てることが可能となり、空気密度の薄いコースでも一層のダウンフォース量を獲得できる見込みとなっている。


 またニック・ロビンソンの弟で、同じくアキュラR&Dのエンジニアであるジェームス・ロビンソンは、昨季総合9位に入りハイブリッドでのレコードタイムを樹立したモデファイドNSXで再びタイムアタック1クラスにエントリー。


 このマシンも巨大なスプリッターとウイングが追加され、さらなる軽量化も実施。高度が上昇するのに伴う出力低下を補うためターボチャージャーも大型化され、エンジンとスポーツハイブリッドのシステムプログラムもPPIHCに特化した専用セッティングとなっている。

昨季のエキシビジョンクラス優勝車『TLX A-Spec』は空力改善、軽量化、マッピング最適化などを実施
PWCのトップカテゴリーでGT3勢と勝負を繰り広げた『TLX GT』は、ピーター・カニンガムが引き続きステアリングを握る
市販ベースのTA1型NSXはジェームス・ロビンソンのドライブでタイムアタック1クラスにエントリーする


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