ローマ教皇がザナルディの回復祈り、手書きのメッセージ送る

2020年6月26日(金)6時23分 AUTOSPORT web

 ハンドサイクルのイベント中の事故で重傷を負ったアレックス・ザナルディの容体について、病院は依然として安定しているものの深刻な状態であると発表した。今後は大きな変化が起きない限りは、状況の公表は行わないということだ。大勢の人々がザナルディの回復を祈り続けている。


 元F1ドライバーで2度のCARTチャンピオン、パラリンピック金メダリストであるザナルディは、6月19日にハンドサイクルのイベントで公道を走行中にトラックと衝突、頭部および顔面に重傷を負った。約3時間の手術の後、集中治療室に移され、現在は人工的な昏睡状態におかれ、人工呼吸が行われている。


 サンタマリア・アレ・スコット病院は、24日、以下のような声明を発表した。


「6月19日金曜からサンタマリア・アレ・スコット病院の集中治療室に入院しているアレックス・ザナルディの状態に変化はない」


「彼は入院して5日目の夜を過ごし、心肺および代謝のパラメータに関しては、病状に実質的な変化はない。神経学的には依然として深刻である」


「神経モニタリングは継続しており、主に麻酔科医、蘇生科医、脳神経外科医からなるチームが、多くの専門分野にわたるチームのサポートのもと、さまざまな臨床的必要性に基づき、これを評価している」


「患者は常に鎮静され、挿管され、人口呼吸がなされている。予後診断については引き続き部外秘とする」


「家族の意見を聞いた結果、彼の健康状態に大きな変化が見られるまでは、他に医療報告を公表することが有益とは考えられないということになった」

アレックス・ザナルディ


 ザナルディは1991年から1994年まで、ジョーダン、ミナルディ、ロータスからF1に参戦した後、CARTで1997年と1998年にチャンピオンの座に就いた。1999年にウイリアムズでF1に復帰した後、CARTに戻ったものの、2001年ドイツのラウジッツリンクでの大クラッシュにより重傷を負い、両足を切断された。


 しかしザナルディは困難に負けることなくレースに復帰、ハンドサイクル競技にも挑戦し、パラリンピックで4つの金メダルを獲得。その不屈の精神で多くの人々に尊敬され、愛されている。


 FIA会長ジャン・トッドは「FIAのコミュニティ全体が辛い瞬間にいるあなたを応援している。あなたのために祈っています」とコメントした。


 フランシスコ・ローマ教皇は、ザナルディを励ますために手書きのメッセージをしたため、その手紙がイタリアの『Gazzetta dello Sport』に掲載された。


「親愛なるアレッサンドロ、あなたの物語は、予期せぬ停止を強いられた後に再び歩み出すことに成功する術を示すひとつの例です」


「スポーツを通して、あなたは、障害を人類のひとつの教訓とし、人生を力いっぱい生きる方法を私たちに教えてくれています」


「力を失った人々に力を与えてくれていることに感謝します。この辛い時に、私はあなたのそばで、あなたとご家族のために祈ります」


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