ベルギーはなぜ“王国”ブラジルを倒せたのか…英紙が5つのポイントを解説

2018年7月8日(日)7時0分 サッカーキング

会心の勝利を喜ぶベルギー代表 [写真]=Photonews via Getty Images

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 2018 FIFAワールドカップ ロシア・準々決勝が6日に行われ、ベルギー代表がブラジル代表に2−1で勝利した。優勝候補を破ったベルギー代表のパフォーマンスには多くの称賛が集まっているが、勝敗を分けたポイントはどこにあったのか。イギリスメディア『スカイスポーツ』がこの試合を振り返り、ベルギーを勝利に導いた5つの要因を記している。

①戦術変更

 マルアン・フェライニとナセル・シャドリが先発メンバーに名を連ねたことは驚きをもって迎えられたが、より攻撃的なヤニック・フェレイラ・カラスコとドリース・メルテンスに代わってこの2選手が出場したことは、チーム全体のアプローチの変更を示唆していた。

 ロベルト・マルティネス監督は大胆なフォーメーション変更を行い、4−3−3の右ウイングにロメル・ルカクを動かした。そしてエデン・アザールが左に回り、ケヴィン・デ・ブライネは中央に位置して「偽9番」となった。

 前線の3人は対戦相手に対して本物の脅威を与え、フェライニはシャドリ、アクセル・ヴィツェルと共に守備陣をプロテクトした。この変更はデ・ブライネが日本戦よりも前の位置でプレーできることも意味しており、これまでの試合よりもゴールに直結するプレーが増加していたことも同メディアは指摘している。

②チームの論理と統一

 試合後にマルティネス監督は以下のように語り、戦術変更に対応して会心の勝利を収めた選手たちを称賛している。

「これは重要な戦術の変更で、大事なのは実行力だった。監督の指示を選手たちが受け入れるのには勇気が必要だ。だが、彼らは2日でポジションとアプローチを変えた。それを実現させたいという欲求があったんだ」

 同メディアによると、より個々の才能に優れたブラジルを倒すためにはチーム全体の協力が必要だと主張した主将ヴァンサン・コンパニの元でチームが団結したことが、わずか2日で新戦術へと適応してみせた高いモチベーションにもつながっていたようだ。

③目標の共有

 同メディアはこの項目においてはルカクが非常に良い例であったとし、手放しで称賛を贈っている。マンチェスター・Uでもエースとして活躍している同選手は、自身が得点を決めることを脇に置き、ブラジルのサイドバックをくぎ付けにするというタスクを実行することに専念。チームメイトのためにグラウンドに飛び込み、技術を活かしてボールをキープし、ベルギーの攻撃を引き締めたとして、その献身ぶりを高く評価した。

④個々の輝き

 チームワークの中にも傑出した個人のパフォーマンスがあったとして、マン・オブ・ザ・マッチに選出されたデ・ブライネや、10度のドリブルを成功させて7度ファウルを受けたアザールの名前を挙げ、その個人能力の高さと勝利につながる働きぶりを称賛した。

 さらにはネイマールとのマッチアップで負けなかったトーマス・ムニエ、10度のクリアを記録したトビー・アルデルヴァイレルト、勝敗を分けるビッグセーブを見せたティボー・クルトワらの名前も列挙している。

⑤幸運

 ベルギーは上述のように多くの素晴らしい仕事をこなしていたが、それでもブラジルを倒すにあたっては運に恵まれた面もあったことは間違いないと同メディアは指摘。

 ブラジルが試合を通じて3つの決定機を逃したことや、エリア内でコンパニが犯した微妙なプレーがPKとならなかったこと、ブラジルにとって核のひとりだったカゼミーロの出場停止、そのカゼミーロの代役だったフェルナンジーニョのオウンゴールといった要素にも助けられたとしている。

 会心の勝利を収めたベルギーが10日の準決勝で対戦する相手は、絶好調のFWキリアン・ムバッペらを擁するフランス代表。悲願の初優勝に向けて、ベルギー代表は次の試合でも緻密な戦略を用意して難敵との対決を制し、決勝へと駒を進めることができるだろうか。

サッカーキング

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