MotoGP:難攻不落のマルケス、ドイツGPで通算9勝目。「難しい状況に向け準備をした」

2018年7月18日(水)16時16分 AUTOSPORT web

 MotoGP第9戦ドイツGPで、マルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)がポール・トゥ・ウインを飾った。ザクセンリンクで通算9勝目。完ぺきな形でシーズンの折り返しを迎えた。


 予選Q2で、マルケスは変則的な戦略を見せた。15分間で争われるQ2は、1回目のアタックを終えてピットインしタイヤを交換。再びセカンドアタックを行うのが常となっている。しかし、ドイツGPの予選Q2でマルケスが採った戦略は違った。


 マルケスは新品タイヤを3セット残してQ2に挑み、最初のピットストップではTカーでコースに復帰。残り5分を切って再びピットインすると、フロントをミディアムからハードタイヤに換えて最後のアタックを行い、リーダーボードのトップに浮上。そのままポールポジションを獲得した。このときマルケスがマークしたタイムは、自身が2015年に記録したサーキットベストラップを更新するものでもあった。


 迎えた決勝は、ウイークをとおして最も高い気温27度、路面温度48度。マルケスは決勝でも勝利のための戦略を練っていた。


「明日の決勝レースは、30周のなかで前半と後半でふたつのレースがあると思っている。前半は速いライダーが多いと思うけれど、タイヤのパフォーマンスが落ちる後半が勝負の鍵を握るだろう」


 予選後にそう語っていたマルケスはレース後半の勝負に向け、フリー走行ではロングランを行い、コンスタントにタイムを刻むことを重視していた。


 そして迎えた決勝レース、序盤で3番手にポジションを落としたマルケスは、5周目にダニロ・ペトルッチ(アルマ・プラマック・レーシング)、13周目最終コーナーでトップのホルヘ・ロレンソ(ドゥカティ・チーム)をパスしてレースをリードする。


「タイヤのグリップ低下は9周目と、残り7周から5周の間にあった。難しい状況をマネジメントする準備をしてきたけれど、僕のスタートは完ぺきではなかったから、序盤は苦労したよ。ロレンソだけではなく、ペトルッチにも抜かれてしまった。ふたつポジションを落としてしまったから、それを回復するのは簡単ではなかった」


「彼らを抜いたとき、僕はギャップをつくるべくプッシュし始めたけれど、それは『クレイジー』のものではなかった。タイヤを最後までもたせるためにね」


 マルケスは、後方との差をつくろうとしていた間も、努めて冷静であったという。レースの後半には、ロレンソを交わしたロッシが2番手に浮上。一時はその差は1秒未満になった。それでもマルケスは冷静だった。


「サインボードを見て、バレンティーノが僕のコンマ6秒後方にいるとわかった。だから、2、3周の間に再びプッシュして、タイヤを使わなければならなかった。それで再びギャップを築くことができたんだ」


 マルケスはその後、一度もレースリーダーの座を譲ることなくトップでチェッカー。ザクセンリンクでマルケスが刻んだ勝利数は、125ccクラス、Moto2クラス、MotoGPクラスを通じて、9つとなった。


 勝利を飾ったマルケスは、この週末に2018年シーズン限りでの引退を表明したチームメイト、ダニ・ペドロサのキャップをファンの前に掲げて敬意を表した。「この週末の主人公はダニだと思うから」と厳しいレースのあとに見せた気遣いには余裕すら感じられる、と言ったら大げさだろうか。


 マルケスはこれで、今季5勝目を挙げた。チャンピオンシップでも2番手のロッシに46点差。後半戦に向け、いい流れを築いてシーズン前半戦を締めくくった。マルケスが飾ったドイツGPでの勝利は、その強さをさらに色濃く印象付けるものだった。

レース中盤、ロレンソを交わしてトップに立ったマルケスはそのまま優勝を飾った


AUTOSPORT web

「ドイツ」をもっと詳しく

タグ

「ドイツ」のニュース

「ドイツ」のニュース

トピックス

x
BIGLOBE
トップへ