ヘンダーソンのサウジ行きが決定的に、ジェラード監督と再共演へ…LGBTQ+のサポーター団体は失望を表明

2023年7月22日(土)0時48分 サッカーキング

リヴァプールをキャプテンとして支えてきたヘンダーソン [写真]=Getty Images

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 リヴァプールに所属しているイングランド代表MFジョーダン・ヘンダーソンについて、サウジ・プロフェッショナルリーグのアル・イテファクへの完全移籍が決定的となったようだ。イギリスメディア『アスレティック』や『イブニング・スタンダード』が20日に報じている。

 サウジアラビアの複数クラブが今夏の移籍市場を賑わせる中、アル・イテファクはスティーブン・ジェラード新監督の就任を発表。かつてのリヴァプールのキャプテンは、今夏最初の“目玉補強”として現在リヴァプールの主将を務めるヘンダーソンに接触がしたことが報じられていた。去就に注目が集まる中、一足先にヘンダーソンが個人合意に達したことが各メディアによって明かされていた。

 そして今回、リヴァプールとアル・イテファクはヘンダーソンの完全移籍について合意に達した模様だ。ヘンダーソンとリヴァプールの現行契約は2025年夏まで残っていたものの、『イブニング・スタンダード』によると、アル・イテファクは移籍金は1200万ポンド(約22億円)の支払いでリヴァプール陣営の首を縦に振らせたようだ。『アスレティック』によると、ヘンダーソンはアル・イテファクと2026年夏までの3年契約を締結し、週給70万ポンド(約1億2700万円)を受け取ることになるという。

 現在、リヴァプールは2023−24シーズンのプレミアリーグ開幕に向けてドイツでトレーニングキャンプを行っているものの、ヘンダーソンは既にチームを離脱しているという。7月19日に行われたカールスルーエとのプレシーズンマッチにも出場していなかった。

 なお、突然の動きに動揺しているのはリヴァプールのファン・サポーターだけではない。ヘンダーソンの移籍先の国であるサウジアラビアでは同性愛は違法となっており、違反した場合は死刑を専攻されるケースもある。イングランド代表の一員としてEURO2020に出場した際には「レインボーレースキャンペーン」(※LGBTQ+などへの連帯を示すため、性的指向の多様性を表す虹色の靴紐を付ける動き)の支持を公の場で表明するなど、イングランドサッカー界を代表するLGBTQ+への理解者の1人でもあったヘンダーソンのサウジアラビア移籍報道を受け、LGBTQ+のイングランド代表サポーターグループである『3LionsPride』はTwitterを通して声明を発表。ヘンダーソンのサウジアラビア行きに賛同できないという立場を明かした。

「EURO(2020)のウクライナ代表戦でヘンダーソンがゴールを決めた際、我々が喜びを露わにしたのは、彼自身の心遣いと彼がピッチ上で身に付けてくれた『幸運な』レインボーレースのためでもあります。我々がイングランド代表を応援する権利について声を上げるという決して高くはないハードルを乗り越えたことを記念して、そしてピッチ上でその姿勢を示してくれたことによって、横断幕が作られました。移籍の噂が本当であるならば、その横断幕は歴史の闇に葬られることとなり、サッカー界が我々を受け入れるための闘いにおける、我々の失望の原因となるでしょう」

 現在33歳のヘンダーソンはサンダーランドのアカデミー出身で、コヴェントリーへのレンタル移籍を挟み、2011年夏にリヴァプールへと完全移籍で加入した。その後はリヴァプール一筋でキャリアを積み、2015−16シーズンにはジェラード氏から腕章を引き継ぐ形でキャプテンに就任。ピッチ内外で欠かせない存在として12シーズンにわたって貢献してきたが、ヘンダーソンとリヴァプールの物語はこの夏に終わりを迎えることとなるのだろうか。

サッカーキング

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