荒天のスパ、フリー走行は好調ドゥーハンが最速記録。岩佐歩夢は12番手【FIA F2第11戦】

　7月28日、2023年FIA F2第11戦のフリー走行がベルギーのスパ・フランコルシャン・サーキットで開催され、ジャック・ドゥーハン（インビクタ・ビルトゥジ・レーシング／アルピーヌ育成）が最速タイムをマークした。レッドブル＆ホンダ育成の岩佐歩夢（ダムス）は12番手となった。

　45分間のフリー走行は気温16度、路面温19度、小雨が降り続くウエットコンディションのなか、現地時間11時5分（日本時間18時5分）より実施された。

　今回のドライタイヤのコンパウンドは前戦ブダペストから変わらず、プライムタイヤがミディアム（イエロー）、オプションタイヤがソフト（レッド）となる。

　なお、PHMレーシング・バイ・チャロウズはブラッド・ベナビデスに代わって、21歳の新人ジョシュア・メイソンを17号車のドライバーに起用している。

　セッション開始序盤にビクトール・マルタンス（ARTグランプリ／アルピーヌ育成）が2分19秒455をマークする一方、多くの車両はコースインせず。ファン・アメルスフォールト・レーシングやカンポス・レーシングのドライバーはふたりともマシンには搭乗せず、タイミングモニターを見つめる姿も見られた。

　セッション開始から10分が経過も計測周回を走行したのはマルタンス、テオ・プルシェール（ARTグランプリ／ザウバー育成）、そして今回がFIA F2デビュー戦のメイソンという3名に留まった。

　マルタンス、プルシェールのART勢も1周の計測のちピットイン。その後はメイソンだけが周回を重ねる時間が続いた。そのほかの車両は路面コンディション改善をただただ待ち続けるという状況に。

　セッション開始から15分が経過し、残り時間30分となると、ロマン・スタネとクレモン・ノバラックのトライデント勢がコースイン。

　アウトラップを経てアタックに入ったノバラックだったが、ターン3でテールスライドを喫し、ターン4ラディオンをショートカット。この時点ではただの走路外走行かと思われたが、ノバラックはケメルストレート上でスローダウン。ターン5を前にしてコースサイドにマシンを止めることとなり、バーチャル・セーフティカー（VSC）が導入される。
　
　VSC解除後、雨足もおさまったこともあり、セッション残り25分を切ったところから岩佐を含む9台がコースイン。セッション残り19分42秒というところでフレデリック・ベスティ（プレマ・レーシング／メルセデス育成）が2分18秒272をマークし暫定首位に浮上する。

　その直後、マルタンスが2分18秒161を叩き出し、再び暫定首位に浮上する。ただ、そのタイムもジャック・ドゥーハンが2分17秒970で上回る。

　走れば走るほど路面コンディションの改善が進みタイムも向上を見せる中、残り14分時点でマルタンスが2分17秒479、残り12分時点でドゥーハンが2分16秒851と、アルピーヌ育成の2名がトップタイムを塗り替え合い、前戦ブダペストに続き好調を見せつける。

　セッションは残り5分を切ると路面こそ濡れたままだが雨は止んでおり、各車予選に向けた最後のシミュレーションに挑んだ。

　しかし、セッション残り2分を切ろうかというところでメイソンがピットレーン出口でマシンを止めたことでセッションは赤旗に。そのままフリー走行は終了を向けた。

　トップはドゥーハン、2番手に終盤タイムを上げたデニス・ハウガー（MPモータースポーツ／レッドブル育成）、3番手にマルタンス、4番手にランキングトップのベスティが続いた。ランキング2位のプルシェールが8番手、岩佐は12番手となった。

　2023年FIA F2第11戦スパ・フランコルシャンの公式予選は、28日の現地時間15時55分（日本時間22時55分）より30分間で行われる。

■2023年FIA F2第11戦スパ・フランコルシャン フリー走行結果