フォーミュラE:カナダでブエミ失速。ディ・グラッシが3代目王者に輝く

2017年7月31日(月)13時28分 AUTOSPORT web

 2016/17年のフォーミュラEは7月30日、最終戦モントリオールePrixが行われ、7位に入ったルーカス・ディ・グラッシ(アプト・シェフラー・アウディスポーツ)がチャンピオンを獲得した。


 2015/16年シーズン同様、セバスチャン・ブエミ(ルノー・e.ダムス)とチャンピオン争いを繰り広げたディ・グラッシ。前日の第11戦モントリオールePrixではブエミが失格処分を受けたことで、ポイント面でアドバンテージをもって最終戦に臨んだ。


 追いかける立場となったブエミは、表彰台を獲得しなければタイトルを防衛できない状況だったが、予選アタックでミスがあり13番手グリッドと厳しい戦いを強いられる。

最終戦モントリオールePrixではオープニングの1コーナーでステファン・サラザンがスピン


 迎えた決勝スタートでは、10番手スタートのステファン・サラザン(テチーター)が1コーナーでスピン。これを避けようとする集団の混乱に巻き込まれ、ブエミはマシン右リヤのホイールカバーにダメージを負ってしまう。


 ダメージを負ったホイールカバーは車体にぶら下がった状態となり、ブエミには1周目でオレンジディスクが掲示された。ブエミは3周目にピットインしたが、この間にパーツが脱落。これによりドライブスルーペナルティを課せられ、タイトル防衛の可能性はなくなってしまった。

ルーカス・ディ・グラッシ(アプト・シェフラー・アウディスポーツ)


 5番手グリッドからスタートしたディ・グラッシは無理をしないリスクを避けたレース運びに徹し、チャンピオン獲得を確信したのか、レース終盤にはチームメイトのダニエル・アプト(アプト・シェフラー・アウディスポーツ)にポジションを譲る余裕すらみせ、7位でチェッカー。悲願のフォーミュラEチャンピオンの座を手にした。


 レース後、ディ・グラッシは「チャンピオンへの戦いは3年前のシリーズ創設時から続いていた」と戦いを振り返った。


「(2014/15年)のシーズン1は失格処分も受けながら、チャンピオン争いに加わることができた。シーズン2も0ポイントに終わるレースがあり、チャンピオンには届かなかった」


「今年もノーポイントに終わったレースがあり、(ブエミと)10点差で最終ラウンドに臨んだ。かなり緊張していたけど、とにかく落ち着いて戦うことに専念したし、昨日(勝利した第11戦)と同じように戦うことを意識した」


「今シーズンはもっともハードな戦いだった。足の骨を骨折しながら走ったレースもあったからね。今年は運にも恵まれていたから、僕たちの年だったということなんじゃないかな」


「本当にうれしいし、チームのみんなを祝福したい。今日はパーティで盛り上がるよ!」


 11位でチェッカーを受け、ランキング2位の座を死守したブエミは「正直、がっかりしているが、ルーカス(・ディ・グラッシ)を祝福したい」とコメントした。


「今シーズンの僕たちの速さを考えれば、チャンピオンを取れなかったことは少し受け入れがたい。ただ、ルーカスは本当に素晴らしい仕事をしていた」


「失格処分を受けたレースもあったし、2戦は欠場を強いられた。本当に難しいシーズンだったよ」


 なお、チームタイトルは20点差でルノー・e.ダムスが獲得し、連覇を達成している。


 最終戦のウイナーは3番手スタートのジャン-エリック・ベルニュ(テチーター)。ベルニュは序盤こそ、ポールシッターのフェリックス・ローゼンクビスト(マヒンドラ)に先行を許したものの、バッテリーをうまくマネジメントし、ローゼンクビストより遅くピットイン。

最終戦を制したのはジャン-エリック・ベルニュ(テチーター)だった


 コースに復帰したときには6秒ものギャップがあったが、バッテリーに余裕があるベルニュは瞬く間にローゼンクビストへ接近。29周目にオーバーテイクに成功すると、そのまま逃げ切りトップチェッカーを受けた。


 シーズン3にあたるフォーミュラEの16/17年シーズンはこれで閉幕。サマーブレイクを経て、12月2〜4日の香港ePrixで17/18年のシーズン4が開幕する。



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