水瀬きいの突撃インタビュー! vol.7 片岡龍也選手

2017年8月3日(木)15時35分 AUTOSPORT web

 2017年からオートスポーツwebナビゲーターに就任した水瀬きいさんに、日本で活躍するレーシングドライバーに突撃インタビューをしてもらうことになりました。第7回目は、GT300クラスから初登場。グッドスマイル 初音ミク AMGをドライブする片岡龍也選手です!


 これまで6回お届けしたこのコーナー。じつは今までは編集部が事前にアポ取りして、質問の一部も考えてからインタビューを行っていたのですが、今回はまさかのきいさんの突撃アポ取りからスタートし、質問もぜんぶきいさんが考えたという、まさに“ガチ突撃”なインタビューです。いったいどんな内容になったのでしょうか!? ではどうぞ!


※この取材はスーパーGT第4戦スポーツランドSUGOの日曜日に収録しました。


■監督をやって気づく、ドライバーの○○


水瀬きい(以下Kii):ではよろしくお願いします! まずは、今シーズン前半戦を振り返ってください。今年は調子が良いと感じていますが。
片岡龍也(以下TK):
ありきたりな突撃ですなぁ(笑)。今年はメルセデスベンツAMG GT3が2年目になって、ヨコハマタイヤさんともテストを繰り返し、車両のセットアップも進み、全体的なパフォーマンスアップがありました。タイヤも良くなり、車両も良くなりかみ合ったのが今年の開幕戦の優勝に繋がっています。その後は富士でのパンクもあり、オートポリスはGT3があまり得意ではなかったりというのはありますが、たしかに例年と比べると調子はいいな、と思っています。

グッドスマイル 初音ミク AMG


Kii:去年とのいちばん大きな違いはなんでしょう?
TK:
タイヤの開発が進んだことがいちばん大きいでしょうね。


Kii:では、ご自身のなかで昨年から今年に変えたところはありますか?
TK:
自分は昔からパーフェクトなので、変えるところはありません(笑)。


Kii:今年はスーパーフォーミュラでSUNOCO TEAM LEMANSの監督をされていますよね。何か変化は?
TK:
監督をやって、ドライバーというのはいかにワガママなのか気づきましたね(笑)。自分がドライバーのときには、少しワガママを気をつけようと思いました。


Kii:監督就任の話はどういういきさつで決まったんですか?
TK:
監督の話は突然降ってわいた感じで、監督が必要になったとき、いちばん先に候補で名前が浮かんだみたいです。連絡をもらってスケジュールを調整したらなんとかできそうだったし、自分も興味がありましたからね。それこそ“突撃監督就任”みたいな感じですよ。

今季スーパーフォーミュラではSUNOCO TEAM LEMANSの監督を務める


■トントン拍子に進んだS耐チーム


Kii:今年はさらに、スーパー耐久でもご自身のチーム『T’s CONCEPT』を作りましたが、それについては。
TK:
レースって金がかかるな、と思いましたね(笑)。スーパー耐久ではチーム代表をしながら、ホテルの手配、食事の予約、エントリーもろもろを全部自分でやるので、本当に大変だなと。あとは、ふだんドライバーの立場だったらバンバンニュータイヤを使いたいけど、チームオーナーの立場だと、予算を気にして「ここはちょっと中古でいこうかな」とかね(笑)。そういう葛藤はあります。


Kii:スーパー耐久のチームを作る構想はいつ頃から考えていたんですか?
TK:
去年の夏くらいかな。いろいろと自分のまわりで話が出はじめて、これをまとめればできるんじゃないか……と思って、動き出したのが11月後半くらい。それからバババっとやって、1月になんとか目途がついて、そこから車両を手配して……だったので、開幕まではけっこうドタバタでした。

T’s CONCEPTのロゴマーク


Kii:スーパーフォーミュラの監督、そしてスーパー耐久のチーム代表をやって、ドライビング面で変化はありましたか?
TK:
ドライビングの技術面では変化はないですし、もともと頑張ってはいるのですが、裏方のみんなの気持ちや大変さを知った分、気持ちの面で「もっと踏ん張らなきゃアカン」みたいなのは増えましたね。自分が走るために何が起きていて、どれほどの人たちが動いているのか、どんな気持ちで見てくれているのかをより理解しました。だから「簡単にあきらめるのはよそう」と思いました(笑)。


Kii:では今シーズン後半戦の意気込みを教えて下さい。
TK:
今年はGTのチャンピオンを獲る予定の年なので、ちゃんとレースを進めていきたいですし、スーパーフォーミュラは早くチームが優勝して欲しいと思っています。スーパー耐久は“楽しむ”というテーマなので、ジェントルマンドライバーがみんなが楽しく安全にレースをできるようにしたい。それぞれのフィールドで目的があって、それを全部達成できたら最高の年になると思うので、実現できるように努力したいと思います。

片岡選手に正座でお話しをうかがうきいさん


<編集部から>
ホントはスーパーGTの際はひとりのみの予定だったこの突撃インタビュー。きいさんの突然の現場アポ取りにご対応くださった片岡選手、ありがとうございます! 質問もきいさんに考えてもらいましたが、“TK節”が出ているのではないでしょうか。


片岡龍也


1979年5月1日愛知県生まれ。レーシングカートで実績を積み、2000年に四輪デビュー。全日本F3を経て、03年には全日本GT選手権(JGTC)にシグマテック・セリカでデビュー。スポット参戦でいきなり優勝を飾った。以降フォーミュラ・ニッポンやスーパーGTでトップドライバーのひとりとして活躍。また、D1挑戦などカート出身の枠にはまらぬ活躍をみせる。12年からGOODSMILE RACING & Team UKYOに加入し、谷口信輝とのコンビは6年目になる。実家は名古屋の手羽先屋さん『うーちゃん家』


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