IMSA:マツダ、初優勝まで“2周分”足りず。ガス欠覚悟の戦略取ったオレカLMP2が連勝

2018年8月6日(月)12時42分 AUTOSPORT web

 北米耐久シリーズの最高峰、IMSAウェザーテック・スポーツカー・チャンピオンシップは8月5日、ウィスコンシン州のロード・アメリカで第9戦が行なわれ、コア・オートスポーツの54号車オレカ07・ギブソン(ジョナサン・ベネット/コリン・ブラウン組)が今季2勝目を挙げた。


 GTル・マン(GTLM)とGTデイトナ(GTD)の2クラスのみで争われた前戦ライムロック・パークから1週間のインターバルを置いて開催されたロード・アメリカ。DPi、LMP2マシンが参戦するプロトタイプクラスを交えた今戦は、3クラス合計33台のマシンがエントリーし、この内3GTレーシングの15号車レクサスRC F GT3を除く32台が決勝に臨んだ。


 ロベルト・アロンのドライブでポールポジションを獲得したJDC-ミラー・モータースポーツ、85号車オレカ07・ギブソンを先頭にスタートが切られたレースは、オープニングラップ中にグラベルにスタックしたマシンを復帰させるため、レース開始早々にフルコースイエロー(FCY)が導入される。


 まもなくレースが再開されると、ポールシッターの85号車オレカがアキュラ・チーム・ペンスキーの7号車アキュラARX-05 DPiらを従えレースをリードしていく。しかし、スタートから30分過ぎにGTDクラスのマシンがクラッシュを喫し、早くも2度目のFCYが入ることに。


 2度目のリスタート後、トップに立ったのはコーションの直前にルーティンピット作業を終えていたウェレン・エンジニアリング・レーシングの31号車キャデラックDPi-V.R。これに同じタイミングでピットに入っていたコア・オートスポーツが続いた。


■残り4分の時点でマツダDPiが首位


第9戦ロード・アメリカ スタートシーン
右リヤにダメージを負った31号車キャデラックDPi-V.R
予選2番手となった14号車レクサスRC F GT3


 予選8番手から労せずトップに浮上した31号車キャデラックはスタート直後に他車との接触によって右のリヤフェンダーを失っていたが、これによってペースが落ちることはなく、その後も1時間40分に渡って首位の座を守る。そしてチェッカーまで残り20分の時点で最後のピット作業を済ませ総合5番手でコースに戻ると、先行車両のピットインを待った。


 レース最終盤、フィニッシュまで残り10分を切ったタイミングで見た目上の首位となっていたコニカミノルタ・キャデラックDPi-V.Rの10号車キャデラック、マツダチーム・ヨーストの55号車マツダRT24-P DPiが、給油のため相次いでピットへ。総合3、4番手につけていた54号車オレカ、JDC-ミラー・モータースポーツの99号車オレカ07・ギブソンが同様にスプラッシュ・アンド・ゴーを敢行すれば、31号車キャデラックが自動的にトップフィニッシュするという展開となった。


 しかし2台のオレカ勢は、通常40〜45分毎に給油しなければガス欠になるところを55分まで保たせてファイナルラップに突入すると、54号車オレカがそのままトップチェッカー。また、最後は31号車キャデラックに背後に着かれた99号車オレカだったが、0.008秒という僅差で猛攻をしのぎ切り総合2位表彰台を獲得した。


 なお、シリーズ初のワン・ツー・フィニッシュを達成したオレカ勢は、ウイニングラップ中に揃ってガス欠症状に見舞われコース上にストップしていることから、この勝利が紙一重だったことが窺える。


 総合4位以下は10号車キャデラック、終盤に左側2輪交換でポジションを挙げたアキュラ・チーム・ペンスキーの6号車アキュラARX-05 DPi、テキーラ・パトロン・ESMの22号車ニッサンDPiが続き、僚友2号車ニッサンは総合9位となった。


 マツダ勢はチェッカーまで残り4分の時点で給油を余儀なくされた55号車マツダが総合8位、レース序盤に3番手を走行していたものの、最後のピットストップで右フロントタイヤの脱着に手間どった77号車マツダは総合11位に終わっている。


■幻となったBMW M8 GTEの初優勝


優勝したコア・オートスポーツの54号車オレカ07・ギブソン
総合2位となった99号車オレカ07・ギブソン
目前で初優勝を逃した25号車BMW M8 GTE


 フォードとコルベットのアメリカンメーカーとBMW、ポルシェのドイツ勢が覇を競うGTLMクラスは、フォード・チップ・ガナッシ・レーシングの66号車フォードGTがポールからスタートしてレース序盤をリード。しかし66号車フォードはスタートから1時間過ぎにマシントラブルが発生し戦線離脱を余儀なくされる。


 ライバルの脱落後のレース中盤からはBMWチームRLLの25号車BMW M8 GTEが安定したペースを発揮して主導権を握ってレース終盤へ。このまま25号車BMWがM8 GTEに初優勝をもたらすかと思われたが、コナー・デ・フィリッピの駆るマシンはトップで迎えた2時間37分にまさかのスローダウン。最後のピットストップから1時間以上走っていたマシンはガス欠に見舞われ、目前の勝利を逃すこととなってしまった。


 クラス優勝は予選2番手からつねにトップ3に付けていた67号車フォードGT(ライアン・ブリスコー/リリチャード・ウエストブルック)。これにコルベット・レーシングの3号車、4号車シボレー・コルベットC7.Rが続いている。


 アキュラとレクサスが参戦するGTDクラスは、ライト・モータースポーツの58号車ポルシェ911 GT3 R(パトリック・ロング/クリスティーナ・ニールセン組)が今季初優勝をポール・トゥ・ウインで達成した。2位にはランキング首位につけるポール・ミラー・レーシングの48号車ランボルギーニ・ウラカンGT3が入り、ターナー・モータースポーツの96号車BMW M6 GT3がクラス3位につけた。


 アキュラNSX GT3を走らせるマイヤー・シャンク・レーシングは今戦、2台ともに苦戦を強いられ、7番手スタートの86号車NSXがクラス8位。また10番手からスタートした93号車NSXは9位でのフィニッシュとなった。


 15号車レクサスが決勝未出走となってしまった3GTレーシングは、14号車レクサスが2番手の好位置からスタートするも、中盤にポジションを落とし最終的にクラス6位でレースを終えている。


 IMSAウェザーテック・スポーツカー・チャンピオンシップの次戦、第10戦バージニアは8月17〜19日、バージニア州のバージニア・インターナショナル・レースウェイで行なわれる。同ラウンドは第8戦と同様、GTLMとGTDのみで争われる予定だ。

優勝した67号車フォードGT
コルベット・レーシングのシボレー・コルベットC7.R
GTDクラスを制した58号車ポルシェ911 GT3 R

マイヤー・シャンク・レーシングのNSX GT3
第9戦結果(PDF)


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