【女子W杯】得点王争いを繰り広げるなでしこ、宮澤ひなたとは?

2023年8月8日(火)14時0分 FOOTBALL TRIBE

日本女子代表 MF宮澤ひなた 写真:Getty Images

なでしこジャパンことサッカー日本女子代表は、2011年のFIFA女子ワールドカップ(W杯)ドイツ大会で世界1位に輝いた。しかし、前回2019年のフランス大会は決勝トーナメント1回戦でオランダに敗れて敗退。一時はFIFAランキング3位まで登り詰めたものの、今年6月9日の発表では11位まで順位を下げた。


現在、7月20日から繰り広げられている2023FIFA女子W杯オーストラリア&ニュージーランド大会で、なでしこジャパンは大躍進を続けている。8月5日には決勝トーナメント1回戦でノルウェーを3-1で撃破し、準々決勝へ駒を進めた。


そんななでしこジャパンで、同試合終了時点までに5ゴールを挙げ、W杯得点ランキングトップを走っている選手がいる。MF宮澤ひなただ。大活躍中の宮澤とはは何者なのか。サッカーを始めたきっかけから、ここまで登り詰めてきた経緯を細かく見ていこう。




日本女子代表 MF宮澤ひなた 写真:Getty Images

男子とサッカーする方が楽しかった


1999年11月28日に神奈川県で生まれた宮澤は、3つ年上の兄の影響を受け、幼稚園の頃に地元南足柄の向田サッカークラブに加入。中学に入ってからも男子に混じってサッカーを続けた。その理由は「スピード感があって男子とやっている方が楽しかった」ためだったという。


一方で中学生になると、すぐに神奈川県中郡大磯町をホームタウンとするSEISA OSAレイア湘南(現関東女子サッカーリーグ1部)からオファーがあり練習に参加。そこで女子サッカーに触れた宮澤は、中学の部活動と並行して同クラブの下部組織に加入した。




マリオナ・カルデンティ(左)宮澤ひなた(右)写真:Getty Images

日本代表への道


中学からサッカー中心の生活だった宮澤は、サッカー選手になる夢を次第に膨らませていったという。中学卒業後は通信制の星槎国際高校(湘南学習センター)に入学。同校の女子サッカー部に所属しながらレイア湘南のトップチームでもプレーし、大学生などに混じり神奈川県女子サッカーリーグ1部の試合にも出場していた。


2015年、高校1年生でU-16サッカー日本女子代表に招集された宮澤。世代別代表をいくつも経験し、2018年1月には、なでしこジャパンのトレーニングキャンプに唯一の現役高校在学選手として召集された。




WEリーグ 写真:Getty Images

全てはサッカーのために


宮澤は、高校卒業と同時に日テレ・東京ヴェルディベレーザ(現WEリーグ)に入団。またクラブだけではなく法政大学スポーツ健康科学部に入学した。大学進学を決めた理由は、これまでサッカー中心の生活をしてきたからこそ最後の学生生活を謳歌したい、という思いに加え、今後の選手生活に生かせるのではと考えたためであるという。


2021年、自分のスタイルにあったチームでプレーしたいという思いからマイナビ仙台レディース(現WEリーグ所属)に完全移籍。そして今W杯のなでしこジャパンに選出された。


日本女子代表 写真:Getty Images

強みを理解して成長し続ける姿


「本当に代表って、自分の特徴に自信がある選手が集まっている場所だと思うんですけど、スピードは誰にも負けたくないというのはあります」と語るように、宮澤の強みはなんといっても50m走6秒8のスピードだ。


U-16代表候補に選ばれた際にも「緊張しないように気を付けて、自分の強みのスピードを生かしたプレーができるようにしたい」とコメントし、マイナビ仙台のホームページでも得意なプレー、注目してほしいプレーに「スピードにのったプレー」を挙げていることから、自身の強みをは理解してきたことだろう。


日テレベレーザからマイナビ仙台に移籍した理由にも「ベレーザはパスがうまいチームで、私はサイドなどで生かしてもらっていました。でも私は自分でボールを前に出すのがスタイルというか強みで、そうした強みがあったから代表にも選ばれていたと思うんです」と明かしていた。


今W杯における、グループステージ第3戦のスペイン戦(7月31日)と決勝トーナメント1回戦のノルウェー戦(8月5日)のゴールなどからも、強みを活かして得点を量産していることがわかる。




ネイマール 写真:Getty Images

好きなサッカー選手は…


ちなみに自身の強みを理解してプレーをしてきた宮澤の好きな選手は、パリ・サンジェルマンに所属するブラジル代表FWネイマールだ。「どのようなプレーで魅了したいか?」という質問に対して「スピードに乗ったドリブルでたくさんのチャンスメイクをしたり、ゴール前でのアイディアで見ている人をワクワクさせたい。また、勝利という形で貪欲にゴールを狙う姿でも魅了したい」と回答している。




2011FIFA女子W杯ドイツ大会(日本代表優勝時)写真:Getty Images

レジェンドに並び、アジア人最多得点記録にも期待


今W杯グループステージ終了時点での4ゴールでW杯得点ランクトップタイとなり、決勝トーナメント1回戦ルウェー戦の5ゴール目でトップに躍り出た宮澤。これにて2011年ドイツ大会優勝時の、元なでしこジャパン主将MF澤穂希が決めた得点数に並んだ。澤以来、3大会ぶりのなでしこの得点王獲得に期待がかかっている。


さらに宮澤には、アジア人として記録を更新するチャンスも訪れている。歴代女子W杯で、1大会におけるアジア人最多得点記録だ。現在の記録保持者は、1999年の女子W杯で準優勝した中国のFW孫雯(スン・ウェン)で、1大会で7ゴールを決めている。宮澤はこの記録を塗り替え、歴史に名を刻むことができるだろうか。

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