スプリント14位から獲得した決勝レースの2位。バニャイアのコンスタントな強さ/第9戦イギリスGP

2023年8月9日(水)23時50分 AUTOSPORT web

 2023年シーズンのチャンピオンシップをリードするディフェンディングチャンピオン、フランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)は、MotoGP第9戦イギリスGPの決勝レースを2位でゴールした。といっても、バニャイアにとってこのイギリスGPは、順調なレースウイークだったわけではなかった。だからこそ決勝レースで獲得した表彰台に、バニャイアの揺るがない強さが垣間見えたと言っていいのではないだろうか。


 土曜日の予選Q2で4番手を獲得したバニャイアだったが、フルウエットコンディションのなかで、転倒を喫していた。また、その後のスプリントレースを14位で終えている。スプリントレースではマシントラブルが発生しており、ウオームアップ・ラップの時点でバイクが止まらないことがわかったという。


 しかし、ドライコンディションでスタートした日曜日の決勝レースは、序盤からトップに立ち、20周のレースのほとんどをリードした。13周目に小雨が降りだし、2番手のアレイシ・エスパルガロ(アプリリア・レーシング)を含む5人ほどのトップ集団となったが、バニャイアはトップをキープしていた。最終ラップでエスパルガロにかわされたものの、僅差で2位を獲得したのだった。


「ただただ攻めていたよ、勝つためにね。この結果には満足しているよ」と、バニャイアはレース後の会見で振り返る。


「昨日はかなりポイントを取り損ねたからね。どんなコンディションであってもこういう結果になるべきポテンシャルがあるとわかっている。だから、今週末全体として満足しているんだ」


「今日は挑戦した。スタートで攻めたんだ。僕たちはフロントにソフトを履いてスタートしたけど、たぶんこれはいいチョイスじゃなかったな。それから雨が降りだして、怖かったよ。最終セクターの15コーナーでは、どのくらい攻められるのか限界がわかっていなかった。それからアレイシがかなり迫ってくるのが聞こえて、アレイシのこのサーキットでのポテンシャルとアプリリアのトラクションを考えると、最終ラップで仕掛けてくるだろうと思っていた。彼の攻めに備えて反応したけど、うまく守れなかった。今日、彼は優勝にふさわしいよ」


「レースをリードしていて雨が降りだしたときは危険だ。どう攻めるか、どこで攻められるのかがわかりにくい。ミゲールが僕より毎ラップ1秒から1.5秒速く走っていたことを考えると、僕は最善の形で攻めていなかったんだろうな。彼のほうが限界をわかっていた。たぶん、この部分は僕が改善すべきところだろうね。でも、今日についてはハッピーだよ」


 エスパルガロに勝ちを譲ったとはいえ、バニャイアは予選での転倒、スプリントレースでのトラブルから決勝レースで2位表彰台を獲得して、イギリスGPを締めくくった。


 今季のバニャイアには、多少のアクシデントやトラブルに影響されないような、さらなる安定が加わった感がある。9戦を終えて、決勝レースで9レース中6度、スプリントレースで9レース中7度、表彰台を獲得。チャンピオンシップでランキングトップにつけている。転倒回数も第9戦を終えて5回と少なめだ。バニャイアは、この安定感を得るまでに時間が必要だったと語っている。


「このカテゴリーは、コンスタントに走れるようになるまで時間がかかるのは確かだよ。Moto2とはタイヤが違うし、タイヤの選択肢もMotoGPのほうが多い。MotoGPに来て、僕はたくさん転倒した。今もクラッシュはするけどね」


「正直なところ、MotoGPでは簡単ではないけど、正しい方法でアタックすることを理解してきたんだ。アグレッシブな操作はできない。MotoGPに参戦してすぐに強かった(ファビオ・)クアルタラロなどと比べると、僕はそれを理解するのに時間が必要だった。でも今はチームとすごく取り組んでいるんだ。自分を向上させるためにね。そして今は、安定感がある。全てが問題ないときは、トップ争いができるとわかっている。トップ争いは、唯一の目標なんだ」


 一貫性のある強さによって、バニャイアは今季のチャンピオンシップを突き進んでいくのかもしれない。

バニャイアは惜しくも2位ながら、今季6度目の表彰台を獲得した

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