母国戦連覇を狙うヌービルがシェイクダウンでトップタイム。勝田は9番手/WRC第9戦ベルギー
2022年8月19日(金)13時15分 AUTOSPORT web
8月18日、翌19日から競技がスタートするWRC世界ラリー選手権第9戦『イープル・ラリー・ベルギー』のシェイクダウンが行われ、地元ベルギー出身のティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1)が最速タイムをマーク。2番手にTOYOTA GAZOO Racing WRTのカッレ・ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1)が続いた。
昨年、WRCイベントとして初開催されたイープル・ラリー・ベルギーで優勝を飾ったヌービル。ホームのターマック(舗装路)ラリーでの連覇を狙う彼は、イープルの南側エリアに用意された全長7.34kmのテストステージで1走目から速さをみせ、堂々の暫定トップに立った。
同セッションの最初に降った雨の影響で、ダンプコンディションとなっていた路面が乾いていくとライバルたちもペースを上げ始める。中でも際立ったのは選手権リーダー、ロバンペラの存在だ。
今戦で史上最年少チャンピオンを決める可能性がある21歳のフィンランド人は、2度目の走行で3分47秒9を記録してトップに立つと続く3走目では3分45秒0をマークし、ともに僅差のタイムを記録したヌービルを上回ってみせる。
しかし、最終的には4回目の走行で3分44秒4までタイムを縮めたベルギー人ドライバーがタイムボードの最上段を取り返すかたちに。この結果、ヌービルがトップ、2番手にロバンペラ、3番手には3分45秒7の同タイムをマークしたオリバー・ソルベルグ(ヒョンデi20 Nラリー1)とエルフィン・エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1)が入るトップ3リザルトとなっている。なお、ロバンペラは4回目の走行を実施していない。
今季初優勝と母国ラリー連覇に向けて好スタートを切ったヌービルだが、彼は物事が簡単ではないと考えている。
「トリッキーなイベントになりそうだ。シェイクダウンで、すでにコンディションが変化していた」とヌービル。
「この週末も同じことが予想される。だから、クリーンでクレバーなドライビングをする必要がある。そうして週末を楽しみたい」
WRCイベントになる以前のイープル・ラリーで優勝経験があるクレイグ・ブリーン(フォード・プーマ・ラリー1)は、上位4名に続く5番手となり、ヌービルとは1.6秒差。ソルベルグとエバンスからはコンマ3秒遅れた。彼の0.1秒後方には前戦フィンランドで“ドラマチックなエンディング”を迎えたエサペッカ・ラッピ(トヨタGRヤリス・ラリー1)が続いている。
Mスポーツのアドリアン・フルモー(フォード・プーマ・ラリー1)は前戦ウイナーのオット・タナク(ヒョンデi20 Nラリー1)を抑えて7番手に。日本人WRCドライバーの勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)は、1走目にオーバーシュートがあったが大事には至らず。最終的にトップと4秒差の9番手となった。トップ10リザルトの最後、10番手はガス・グリーンスミス(フォード・プーマ・ラリー1)だ。
また、このベルギー・ラウンドにシュコダ・ファビア・ラリー2エボで参戦する福永修/齋田美早子組は、総合35番手/RC2グループ24番手でシェイクダウンを終えている。
■2022年WRC世界ラリー選手権第9戦イープル・ラリー・ベルギー シェイクダウン結果
Pos. | No. | Driver | Machine | Gap |
---|---|---|---|---|
1 | 11 | T.ヌービル | ヒョンデi20 Nラリー1 | 3’44.4 |
2 | 69 | K.ロバンペラ | トヨタGRヤリス・ラリー1 | +0.6 |
3 | 2 | O.ソルベルグ | ヒョンデi20 Nラリー1 | +1.3 |
4 | 33 | E.エバンス | トヨタGRヤリス・ラリー1 | +1.3 |
5 | 42 | C.ブリーン | フォード・プーマ・ラリー1 | +1.6 |
6 | 4 | E.ラッピ | トヨタGRヤリス・ラリー1 | +1.7 |
7 | 16 | A.フルモー | フォード・プーマ・ラリー1 | +2.2 |
8 | 8 | O.タナク | ヒョンデi20 Nラリー1 | +2.4 |
9 | 18 | 勝田貴元 | トヨタGRヤリス・ラリー1 | +4.0 |
10 | 44 | G.グリーンスミス | フォード・プーマ・ラリー1 | +5.6 |
35 | 39 | 福永修(WRC2) | シュコダ・ファビア・ラリー2エボ | +34.8 |
※リザルトは編集部集計