豪州SC第6戦ダーウィン:王者スコット・マクラフランが3戦3勝のハットトリックを達成

2020年8月30日(日)7時10分 AUTOSPORT web

 南米大陸のSCBストックカー・ブラジルやアルゼンチンのスーパーTC2000と並び、南半球を代表するツーリングカー選手権、VASCヴァージン・オーストラリア・スーパーカーの第6戦ダーウィンが8月22〜23日に開催され、VASC連覇中のスコット・マクラフラン(フォード・マスタング/DJR・チーム・ペンスキー)が週末3戦3勝のハットトリックを決めている。


 前週のダーウィン・トリプルクラウン同様に、2週連続でノーザンテリトリー州ヒドゥン・バレー・レースウェイを舞台に開催されたスーパースプリント・フォーマットの週末は、フォード陣営のDJR・チーム・ペンスキーとティックフォード・レーシングに対し、ホールデンのファクトリーチームであるトリプルエイト・レースエンジニアリング、そして先週末も活躍を演じた好調チーム18の、トップチームによる4WAYバトルの展開をみせた。


 その予選シュートアウトで先手を取ったのは、シリーズ7冠王者のジェイミー・ウインカップ(ホールデン・コモドアZB/トリプルエイト・レースエンジニアリング)で、キャリア通算86度目となるポールポジションを獲得。マクラフランがフロントロウに並び、2列目にジェームス・コートニー(フォード・マスタング/ティックフォード・レーシング)、キャメロン・ウォーターズ(フォード・マスタング/ティックフォード・レーシング)と2台のマスタングが包囲するグリッドとなった。


 そのまま土曜現地時間14時を前にスタートが切られた週末のヒート1は、長年シリーズの顔として君臨するレッドブル・レーシング・オーストラリアのエース、ウインカップが通算121勝目を目指してスタートを切るものの、そのポールシッターの夢を打ち砕いたのが現ディフェンディングチャンピオンだった。


 38周の決勝を決めたのはそのオープニングラップで、スタートの蹴り出しに勝った2番手マクラフランは1コーナーに向けインサイドを確保。先頭でターン1へと雪崩れ込み、宿敵を抑え込んで主導権を握ることに成功する。


 その後も快適なマージンを維持したマクラフランは2番手のウインカップに先んじてルーティンピットを済ませると、終盤に出動した2度のセーフティカーにも動じずトップチェッカー。選手権リードを拡大する今季6勝目を飾った。

週末最初の予選シュートアウトを制したのはジェイミー・ウインカップ。キャリア通算86度目となるポールポジションを獲得となった
3戦連続スーパースプリントの初戦を、オープニングの攻防で制したスコット・マクラフランが今季6勝目をマーク
R1でのフォード・マスタング同士による最後の表彰台争いを制したのはキャメロン・ウォーターズ


■抜群のスタートに自画自賛


「スタートは本当に『美しい』と言いたくなるほど決まったね」と、ご機嫌でレースを振り返ったマクラフラン。


「イチかバチかだったけど、彼(ウインカップ)の鼻先に出ようとイン側に切り込んだ。当たったかどうかはわからなかったけど、紙一重でうまくいったようだね」


「自分が思っていたよりクラッチが滑ったけど、すぐ繋いだら最高のダッシュが決まった。隣のジェイミーがホイールスピンする音もクリアに聞こえたから、ラインを奪う判断をしたんだ」


「リヤだけの2輪交換もうまくいった。先週のここでジェイミーたち(トリプルエイト・レースエンジニアリング)がどんな戦略で優位に立ったかを分析していたし、そのままコピーして本当にアドバンテージが得られたよ」


 2位ウインカップに続き、最後の表彰台スポットには2010年王者コートニーを仕留めたウォーターズが入り、今季初ポディウムを確保している。


 明けた日曜の2ヒートに向けても、午前の予選からマクラフランはもうひとりのライバルである“SVG”ことシェーン-ヴァン・ギズバーゲン(ホールデン・コモドアZB/トリプルエイト・レースエンジニアリング)とポールを分け合うと、同じく38周のレース2でライト・トゥ・フラッグの完璧なレースを披露。キャリア通算50勝目は、2位SVG、3位スコット・パイ(ホールデン・コモドアZB/チーム18)を約10秒も突き放す独走劇となった。


 そして最終ヒートのレース3も、ポールシッターのSVGが4番手スタートのニック・パーカット(ホールデン・コモドアZB/ブラッド・ジョーンズ・レーシング)にかわされるのとは対照的に、2番手から土曜日を再現するような好スタートを決め、今季通算7勝目を獲得。2位パーカットに約13秒、3位スコット・パイには約14秒もの大差を築き、完璧な週末ハットトリックを達成した。


 続くVASCヴァージン・オーストラリア・スーパーカーの第7戦は、新型コロナウイルス(COVID-19)感染症対策の一環として“ホットスポット”指定による州境往来制限やレース関係者の検疫、隔離措置などの影響を考慮し、ふたたび暫定カレンダーからの日程変更が実施され、クイーンズランド州タウンスヴィルに位置する半市街地コース、リードパーク・ストリート・サーキットで8月29〜30日に第7戦を、続く9月5〜6日にも同地での第8戦を予定している。

日曜は2戦連続で3位表彰台を獲得したスコット・パイ。「チームにとっても最高の週末になった」
R3で2位に入り、選手権でも6位に浮上したBJRのニック・パーカット。「連戦がクルマをより良く理解する助けになっている」
週末ハットトリックでシリーズ3連覇に向け視界良好のスコット・マクラフラン。リードも177点まで拡大した

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