トヨタ、タイトル確定の可能性もあるWEC富士で目指すは6連覇。小林可夢偉「フェラーリはリベンジを狙ってくる」

2023年9月4日(月)20時50分 AUTOSPORT web

 WEC世界耐久選手権に参戦しているTOYOTA GAZOO Racing(TGR)は、9月8日から10日にかけて、静岡県の富士スピードウェイで開催される2023年シーズン第6戦富士6時間レースに7号車と8号車、計2台のトヨタGR010ハイブリッドで参戦する。チームが狙うのは地元での大会6連覇だ。


 WECの最高峰ハイパーカークラスにおいて“世界一”を目指して戦っているトヨタ。TGRは2012年に現行の世界耐久選手権に復帰して以来、過去9回行われた“ホームコース”富士での日本ラウンドで8勝を挙げ、直近の5戦では連勝を飾っている。


 このWEC富士で6戦目を迎える今季2023年のWECで、TGRはル・マン24時間を除く5戦で勝利をマークしており、条件が揃えば最終戦である第7戦バーレーンを待たずにマニュファクチャラーズタイトルの獲得を決めることができる。現在ランキング首位に立つトヨタとランキング2位のフェラーリのポイント差は26ポイント。富士でさらに13ポイント差をつけることができればホームでの戴冠が実現するのだ。


 一方、ドライバー選手権では上位6台のドライバーにタイトル獲得の権利があるが、実質的にはトヨタの7号車と8号車、フェラーリAFコルセの51号車、50号車の計4台のドライバーの戦いになっている。


 ランキング首位の8号車セバスチャン・ブエミ/ブレンドン・ハートレー/平川亮組と、92ポイントで同2位につける7号車マイク・コンウェイ/小林可夢偉/ホセ-マリア・ロペス組の点差は23ポイント。ル・マン100周年大会を制した51号車フェラーリ499Pのアレッサンドロ・ピエール・グイディ/アントニオ・ジョブナッツィ/ジェームス・カラド組も同じく23ポイント差で続いている。こちらの争いは最終戦までもつれることが確定済みだ。


 そんなトップランカーたちに加えて、今年デビューしたキャデラックVシリーズ.R、ポルシェ963、ヴァンウォール・バンダーベル680など総勢12台のハイパーカーたちがグリッドを埋める今大会は8日(金)に走行初日を迎え、この日は各90分のプラクティスが2回行われる。予選日となる9日(土)は午前中に60分間のプラクティスがあり、午後に予選が実施される。


 ともに日本では見納めとなるWEC・LMP2とLM-GTEアマクラスの“WEC富士ラストラン”、6時間にわたって争われる決勝レースは10日(日)11時にスタートが切られる予定だ。

フロントロウからスタートした7号車トヨタGR010ハイブリッド(左:優勝)と50号車フェラーリ499P(中央:決勝2位) 2023年WEC第5戦モンツァ6時間レース


■TOYOTA GAZOO Racing 7号車&8号車ドライバーコメント


●小林可夢偉(チーム代表兼7号車ドライバー)


「チームの誰もがホームでのレースと、いつも支えてくれている日本のファンの皆さま、トヨタの仲間やパートナーの皆さまの前でレースを戦うことを楽しみにしています。ル・マンを終えた今、我々にとって次に重要なのは、これまでも強さを見せてきた富士で勝つことです。ハイパーカーの争いは激しさを増していますが、それを勝ち抜き、富士での勝利記録を伸ばすことが目標です」


「ファンの皆さまが期待している、多くのマニュファクチャラーによる素晴らしいバトルが繰り広げられるはずです。我々は前戦、フェラーリの地元であるモンツァで勝つことができたので、当然彼らは我々のホームでのリベンジを狙ってくるでしょう。すべてを正しく進め、ミスすることなく、上位で争えるよう努力を続けます。今季も残り2戦となり、チャンピオン争いにおいても重要なレースなので、全力を尽くします」


●マイク・コンウェイ(7号車トヨタGR010ハイブリッド)


「ホームレースはつねに特別で、シーズンの真のハイライトでもある。僕たちはライバルと違い、富士で多くの経験を積んできているので、走行初日の金曜日から優位に進められるはずだ」


「富士において過去には天候が重要なファクターとなったこともあったが、(昨年に引き続き)例年よりやや早い季節の開催となるので、週末を通してドライコンディションで戦えることを望んでいる。モンツァでの勝利によって、我々の7号車もチャンピオン争いに復帰することができたので、この勢いで富士も戦いたいと思う」


●ホセ-マリア・ロペス(7号車トヨタGR010ハイブリッド)


「日本でのレースは最高だよ。日本のファンの皆の熱狂ぶりは誰もが知っており、すべてのドライバーにとって信じられないような経験になるが、とくに我々TOYOTA GAZOO Racingのドライバーには格別なんだ」


「ここ数年、チームは富士で素晴らしい結果を残してきているし、もちろんホームレースでの勝利はとても重要なので、この週末はすべてを尽くして戦うつもりだ。GR010ハイブリッドは富士との相性が良いはずだが、ハイパーカークラスのパフォーマンスは非常に接近しているので、エキサイティングなバトルになるだろう」

TOYOTA GAZOO RacingはWEC富士5連勝中。2022年はブエミ/ハートレー/平川組8号車が優勝した。


●セバスチャン・ブエミ(8号車トヨタGR010ハイブリッド)


「富士6時間は毎年楽しみにしているレースだし、個人的にもとても楽しんでいる。富士では4勝しており、多くの素晴らしい思い出があるんだ。日本のファンの皆や、我々のプロジェクトを遠くから支援してくれているパワートレイン開発エンジニアやトヨタの関係者に会える特別な場所でもある」


「多くの人たちGR010ハイブリッドが活躍しているのを見てもらえる唯一の機会なので、チーム全員、良いパフォーマンスを見せるべく張り切っているよ」


●ブレンドン・ハートレー(8号車トヨタGR010ハイブリッド)


「僕たちのホームレースである富士スピードウェイに、両チャンピオン争いでリードして向かえられるというのは素晴らしいことだし、この週末は好結果を得てタイトル争いをさらに確実なものにすることが目標だ」


「モンツァではハイパーカーバトルがいかに接近したものであるか、そして、わずかなミスが大きく結果に響くということもわかってもらえたと思う。それだけに我々は最高の状態で臨む必要がある。とくにフェラーリは今シーズンを通して非常に速いので、間違いなく富士でも素晴らしいバトルになると思うが、それも望むところだし立ち向かう準備はできている」


●平川亮(8号車トヨタGR010ハイブリッド)


「富士スピードウェイはチームにとってのホームレースであるとともに、私自身にとっても母国レースであり、勝利への想いには特別なものがあります。私個人としては、富士では今年3度目のレースになりますが、スーパーフォーミュラで戦ったこれまでの2戦は表彰台の中央に立つことができなかったので、3度目の正直になることを願っています」


「昨年は好きなサーキットのひとつでもある富士で、母国ファンの皆さんの前で勝つことができて、最高の気分でしたし、今年もまた同じ気分を味わいたいと思っています。GR010ハイブリッドを日本のファンの皆さまに見ていただけるのは素晴らしいことですし、この週末もたくさんの応援を楽しみにしています。忘れられないレースをお見せしたいと思います」

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