全日本F3選手権:ThreeBond Racing 2017年第8大会 オートポリス レースレポート

2017年9月14日(木)17時17分 AUTOSPORT web

 9月9日〜10日、全日本F3選手権シリーズ第8大会(第17戦、第18戦)が、大分県オートポリスで開催された。スリーボンドは、ドラゴ・コルセとのコラボレーション、ThreeBond Racing with DRAGO CORSEとしてこのレースに出場した。


 土曜日午前中に行われる公式予選で記録したベストラップタイムで第17戦、セカンドラップタイムで第18戦のスターティンググリッドが決まる。


公式予選


 土曜日の公式予選に先駆けて木曜日と金曜日に、先週走行セッションが設けられた。オートポリスに初めて遠征した#12アレックス・パロウとチームはそこでマシンのセッティングを進める予定だった。しかし木曜日は悪天候で走行はできず、金曜日に走り始めると予想もしなかったオーバーステア傾向に苦しむことに。


 チームはオートポリスに関するセッティングデータの蓄積を持たず、試行錯誤から始めなければならなかった。「木曜日に走れていればなんとかセッティングが進められると思いましたが走れなかったのが痛かったです」と伊与木エンジニアは語る。


 結局突然リヤが滑り出すオーバーステアを消すことができないまま金曜日の走行を終え、土曜日の公式予選を迎えることになった。公式予選セッションが始まるとパロウは早々に4番手につけるタイムを記録するが、ここでセッションは赤旗で一旦中断。


 セッションは残り13分20秒で再開され、改めてタイムアタックにかかったが再び赤旗でセッションは中断、本格的なアタックに入れないまま、強いオーバーステア傾向に苦しめられ、この時点で順位は5番手だった。セッションは残り3分30秒で再開され、一斉にタイムアタックが始まった。


 パロウは1分38秒187を記録して3番手につけると、続けて1分38秒725を記録、これがセカンドタイムとなり公式予選は終わった。


 この結果、ベストタイムで決まる第17戦を3番手、セカンドラップタイムで決まる第18戦を4番手というスターティンググリッドに決まった。


第17戦決勝


 第17戦決勝レースは土曜日午後4時30分から始まった。太陽は傾きかけたものの晴天。レース前ウォームアップでパロウは2番手のタイムを記録したが、やはりマシンはオーバーステア傾向を示している。


 決勝レーススタート合図の瞬間、パロウはうまい加速を見せ、斜め前に並んでいた2番手の#36宮田莉朋選手の加速が鈍った隙にイン側から前へ抜け出した。パロウのアウト側には4番手からスタートした#23高星明誠選手が並びかかってきたが、パロウは第1コーナーのインを守り、2番手のポジションを確保してレースを始めることになった。


 そのままトップを走る#1坪井翔選手を追うが周回毎にじりじりと間隔を開かれる。後方の高星選手との間隔も少しずつ開いたが4周目に入って高星選手が間隔を詰め始め、パロウは坪井選手攻略よりも高星選手を意識せざるを得ない状況となっていった。


 高星選手は1秒弱の間隔でパロウの背後に付き、スキを見て間隔を詰める。パロウはそれを押さえる。そのうち高星選手の後方から、スタートで出遅れた宮田選手も接近し、2番手争いの集団が3車で出来上がった。


 12周目、高星選手は再びパロウのテールトゥノーズにつけて攻めかかってきたが、かろうじてこれを守り、さらに最終15周目にも高星選手はストレートでスリップストリームに入り第1コーナーアウト側からパロウに並びかかったが、パロウはインを守り、2番手ポジションを譲らなかった。


 結局パロウは、坪井選手とは12.805秒差、高星選手とは0.665秒差で2位を守ったまま15周のレースを走りきりチェッカーフラッグを受け表彰台に上がった。


第18戦決勝


 チームは、公式予選から続いた強いオーバーステア傾向を消そうと、思い切ったセッティング変更をマシンに施してパロウをスターティンググリッドへ送り出した。「現状出来る中でかなり思い切ったセッティングですが、このセッティングにしたからトムスの2台に勝てるというものではありません。


 現状、それくらいパフォーマンスで差をつけられています」と伊与木エンジニアは現状を分析する。


 午後3時45分、決勝レースのスタートが切られた。4番手のパロウは、周囲が左右に進路を変えてポジションを探る中、まっすぐ加速、2コーナー先の右50Rで外側から3番手の高星選手に並びかかった。しかしわずかの差で押さえ込まれ4番手のポジションに落ち着いた。


 マシンの状況はセッティングの効果が出てオーバーステアが消えたが、パロウにとっては逆にアンダーステアが強めになっていた。パロウはこのマシンを操って3番手の高星選手を追うが周回毎に少しずつ間隔は開いていった。


 また後続の#2大津弘樹選手との間隔も徐々に開き、前後2秒を置いて単独走行に。21周の長丁場のレースは、その後大きな波乱もなく淡々と進行、パロウは4位でチェッカーフラッグを受けた。


 この週末、パロウは第17戦で2位入賞ポイントの7点、第18戦で4位入賞ポイントの3点を獲得し通算ポイントを97点としランキングではトップの高星選手と45点差、2番手の坪井選手と26点差の3番手を守った。またThreeBond Racing with DRAGO CORSEはチームポイントランキングで2番手と36点差の3番手を守った。


ドライバーコメント


 オートポリスを走るのは初めてでした。決して嫌いなコースではないですが、走り始めるとリヤが急に出るオーバーステア症状が出て苦労しました。第17戦でもオーバーステアは変わらず、難しいレースになりました。3周を過ぎた頃からリヤタイヤにデグラデーション(グリップの低下現象)が出始めて高星選手に攻められました。


 トムスの2人は非常に速かった。そういう厳しい状況の中で2位になれてよかったです。第18戦ではセッティングが変わって、今度は少しアンダーステア気味になってしまいました。4位入賞は、現状出来るベストを尽くした結果だったと思います。


 チャンピオンシップを考えると苦しい状況になってしまいましたが、最後のスポーツランドSUGOで2戦とも表彰台に上がれるよう頑張ります。

アレックス・パロウ(ThreeBond Racing)


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