グループ5を席巻した『ポルシェ935』が現代に復活。ラグナ・セカで世界初公開

2018年9月28日(金)12時19分 AUTOSPORT web

 ポルシェは9月27日、アメリカ・カリフォルニア州のラグナ・セカで開催されているモータースポーツイベント“ポルシェ・レーシング・レユニオン”内で新型『ポルシェ935』をワールドプレミアした。


 1976年にポルシェ911のレーシングモデルとしてデビューし、以後数年に渡って当時のグループ5(シルエットフォーミュラ)において、圧倒的な強さを誇ったポルシェ935シリーズ。


 そのなかでも“最強の911”との呼び声高いポルシェ935/78“モビー・ディック”を連想させるマルティニカラーを纏った『935』が、ポルシェ創設70周年を迎えた2018年、約40年の時を越えて現代に蘇った。


 ポルシェが誇る911のハイパフォーマンスモデル『911 GT2 RS』をベースとする新型レーサーは77台の限定生産となる予定で、その価格は701万948ユーロ(約9270万円)と公表されている。


 同車は過去から現在まで活躍する多くのレーシングマシンと同様に大幅な軽量化がなされており、ボディの大部分はカーボンファイバーに置き換えられている。また、モビー・ディックに敬意を表し、強大なリヤフェンダーが加えられた独自のボディ形状は、特定のレギュレーションに沿う必要がないことから、設計を担当したエンジニアたちは「ルールに縛られず、開発には自由があった」という。

ポルシェ935/78“モビー・ディック”
特徴的なホイールキャップを装着するポルシェ935 エクステリア
ウイング翼端板LEDライトとエキゾーストはポルシェレースカーの意匠を受け継いだもの


 このほか新型935では、ポルシェの歴代レーシングカーからさまざまな特徴を受け継いでおり、935/78から踏襲したホイールカバーをはじめ、919ハイブリッドから譲り受けたリヤウイングエンドプレートのLEDライト、1968年のポルシェ908で見られたチタン製テールパイプ、そして、サイドミラーは今年6月のル・マンを制した911 RSR由来のものだ。


 また、今年5月に正式発表されたばかりの新型ポルシェ911 GT3 Rのステアリング及び、その背後に置かれるカラーディスプレイが採用され、一見すると最新式のコクピットにも見える室内にも同社の歴史を感じさせる装備を追加。ラミネートされたウッドデザインのギアシフトは伝説のル・マンカーであるポルシェ917や、ヒルクライムのために制作された909ベルクスパイダー、スーパースポーツのカレラGTなどを彷彿とさせる。


 6点式ハーネスを備えるバケットシートは1座のみだが、パッセンジャーシートをオプションで追加することも可能だ。


 新型ポルシェ935の心臓部には最新式の3.8リッター水平6気筒ツインターボが採用された。最高出力515kW(700PS)を発揮する同エンジンはベース車である911 GT2 RSに搭載されているものとほぼ同じもので、組み合わされるトランスミッションは7速PDK(ポルシェ・ドッペルクップルング)となっている。


 1978年のル・マン24時間で時速366キロを記録した935/78“モビー・ディック”のトリビュートマシンである新型935は2019年にデリバリーが開始される予定だ。

現代の往年のポルシェレースカーの雰囲気が混在するコクピット
巨大なリヤフェンダーを装着する新型ポルシェ935
ラグナ・セカでワールドプレミアされた新型ポルシェ935


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