レッドブル・ホンダ密着:決勝に向けてセットアップも順調。予選で雨が降ればさらに追い風に/F1ロシアGP金曜

2019年9月28日(土)11時1分 AUTOSPORT web

 F1第16戦ロシアGP初日、スペック4の新品のICE(エンジン)を搭載したマックス・フェルスタッペンが、トップタイムをマークして初日を終えた。同様に新品のスペック4のICEを搭載したチームメイトのアレクサンダー・アルボンは「フリー走行2回目の序盤にコースをはみ出しそうになった際、フロアがダメージを受けてしまった」ため、ガレージに戻って修復作業を受けなければならず、走行時間を失ったために10番手にとどまった。


 ホンダの田辺豊治F1テクニカルディレクターは「まだ金曜日ですから」と冷静さを保っていたが、順調に初日を終えたことはポジティブなサインだと語る。


「初日が順調だと、レースに向けて、金曜日のうちにセットアップを煮詰めることができます。金曜日が順調に行かないと、土曜日のフリー走行3回目をまた一からやりなおさなければなりません。そこでうまく行けばいいですが、そこでもうまく行かないと、予選に向けて一歩も二歩後退してしまいます。そういうことを考えると、金曜日を順調にスタートし、レースに向けて方向性が見えているということは、土曜日の予選と日曜日のレースにいい形でつながっていくと思います」

2019年F1第16戦ロシアGP アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)


 もうひとつ、今回のロシアGPで初日を順調に終えたことによるアドバンージがある。それは土曜日のソチ・オートドロームは雨に見舞われる可能性が高いということだ。しかも、日曜日はドライコンディションと予想されている。


 つまり、もし金曜日にセットアップがうまく進められず、土曜日に向けて大きく変更しなければならなくなって、しかも土曜日が雨に見舞われると、レースへ向けて変更としたセットアップをドライコンディションの中で試すことができないまま、日曜日のレースに臨むことになる。


 それにしても、ここまで好調なパフォーマンスを見ると、ロシアGPで5基目のICE投入による5番手降格のペナルティを受けるのはもったいなかったような気がする。


 ただし、もし土曜日の予選で雨が降ると、今回の新エンジン投入は、もしかするとレッドブル・ホンダにとって追い風となるかもしれない。なぜなら、予選(特にQ2)が雨となって、ウエットタイヤでのタイムアタックが行われれば、たとえQ3に進出しても、スタート時に自由にタイヤを選択することができるからだ。

2019年F1第16戦ロシアGP FP2でトップタイムをマークしたマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)


 レッドブル・ホンダのふたりはともに5グリッド降格が決定している。もし予選がドライで行われると、ポールポジションを取っても6番手からスタートする。逆にQ3に進出してもポールポジションが取れず、仮に6番手以下に終わると、日曜日のレースは11番手以下からスタートするだけでなく、スタート時にQ2でベストタイムをマークしたユーズドタイヤを使用するしかない。


 それなら、敢えてQ2でトップ10に入らずに、11位を獲得して、日曜日のレースはタイヤ選択に関して自由に権利を持っていたほうが得策となる可能性もある。実際、昨年、ルノーPUを搭載していたレッドブルは予選をあえてQ2で敗退して、スタート時のタイヤを自由に選択できる権利を得て、11番手と12番手からスタートし、メルセデス勢とフェラーリ勢に続く5位と6位でフィニッシュしていた。


 しかし、予選のQ2で雨が降り、ウエットタイヤを使用して自己ベストをマークするよう状況になれば、話は変わる。そうなれば、Q3に進出したドライバーも含めて、全車スタート時のタイヤは自由に選択することができる。そうなれば、レッドブル・ホンダは予選で駆け引きする必要はなくなり、迷うことなく、Q1からQ3まで全力でアタックすることができる。


 フェルスタッペンのトップタイムは、レッドブル・ホンダにとって順位以上の価値がある結果だったと言っていいだろう。

2019年F1第16戦ロシアGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)



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