ビニャーレス、ザルコ、中須賀がもてぎを語る! ヤマハMotoGP日本GP直前イベントを開催

2017年10月11日(水)22時18分 AUTOSPORT web

 10月11日、ヤマハ発動機がKITTE丸の内で『MotoGP RIDERS MEET&GREET』を開催。トークショーにはマーべリック・ビニャーレス、ヨハン・ザルコ、中須賀克行が登場し、大勢のファンの前で二日後に控えた日本GPへの抱負などを語った。


 イベントではヤマハライダーによるトークイベントが行われたほか、ヤマハGP500勝を記念した歴史的レース車両の展示、フルバンクのマシンにまたがれるフォトコーナー、中須賀のライディングをバーチャル体験できる『VRライディングコーナー』、YZR-M1のエンジンなどの展示物も用意されていた。


 メインイベントであるライダートークショーには多くのファンが詰めかけ、開始時刻の30分前には用意された観覧席があっという間に埋まり立ち見客が出る盛況ぶり。14時30分にイベントがスタートすると、まずYAMALUBE YAMAHA FACTORY RACINGからワイルドカードでMotoGP日本GPに参戦する中須賀が登場した。


 中須賀は6年連続となるMotoGP日本GPへのワイルドカード参戦で走るツインリンクもてぎについて「得意半分、不得意半分」と苦笑い。

6年連続MotoGP日本GPにワイルドカード参戦する中須賀


「今年、全日本(ロードレース選手権)のレースで転倒したのが2回ともV字コーナーなんです。それもあって、今回のMotoGP参戦は不安要素もありますね」


「ただ、僕はブレーキングが得意なんです。もてぎはストップ&ゴーのコースで、ブレーキングが重要。しっかり止めて、曲げて、加速させる。そういう意味では、もてぎは得意なサーキットではあります。(もてぎは)自分の得意なスタイルが当てはまると思っているので、いい成績につなげたいと思います」


 続いて、モビスター・ヤマハ・MotoGPのマーべリック・ビニャーレス、モンスター・ヤマハ・テック3のヨハン・ザルコが登場。MotoGPライダーが姿を現すと、ファンからは声援が飛び会場はさらなる盛り上がりを見せた。


 ビニャーレスはツインリンクもてぎの得意なポイントについて「僕はセクター2が得意。自分のライディングとマシンを考えてもそこが強みだし攻めどころだと思う」とコメント。


 これには今シーズンMotoGPクラスとして初めてツインリンクもてぎを走るザルコも「(もてぎは)MotoGPでは走ったことがないけど、Moto2クラスなどで走っているときは(僕も)セクター2が得意だった」と同意。「立ち上がりのところで加速していく感覚もよくて、勝負どころだと感じているよ」


 反対に3名のライダーがもてぎで苦手とするポイントについて質問されると、ザルコは「セカンドアンダーブリッジが苦手」と語る。


「(これは)自分の問題なんだけどね。ファーストアンダーブリッジを超えたあたりにいい感覚なんだ。でも、セカンドアンダーブリッジのあたりにはいやな感じがある」


「今回のもてぎで(その理由を)探さなくてはいけないのだと思うのだけど、たぶんブレーキングをしなくてはいけないところや、最後のシケインでのターンがけっこう強めなので、そこでまだ全力を出し切れていなくていい感覚がつかめていない。今回はもてぎでそこを調整したいね」


 一方のビニャーレスは「僕はV字コーナーが苦手」。これに中須賀が「今年の全日本レースで、(僕は)V字コーナーで2回も転倒してしまった」と説明すると、ビニャーレスが「わかるよ。(V字コーナーは)難しいよね」とうなずき、ザルコが「わかった、僕はそこを攻めないことにする」とコメントして会場からは笑いが起こる一幕も。

ポイントランキング3位でもてぎに臨むビニャーレス


 中須賀がV字とともに苦手なポイントとして挙げたのは3コーナーだ。


「視界は開けていてスピードを乗せられそうな雰囲気があるのだけど、非常にコース幅が狭く、思ったほど(スピードを)高く進入できないんです。ブレーキングとリリースの感覚がなかなか合わなかったりするんですよ。そこでスピードを乗せないと5コーナーまでに加速しなくなってしまうので、そういった意味でも3コーナーは難しいですね」


■もてぎで中須賀が乗るマシンは終盤戦にとって「重要」


 さらに、もてぎの特徴のひとつといえるダウンヒルストレートにも話が及んだ。ダウンヒルストレートは「大好き」と語るザルコに対し、「おもしろいんだけど難しい……」とビニャーレス。


「映像ではわからないと思うけど、ものすごく角度があるんだよ。勢いよく加速していくなかでコーナーに向けてブレーキングをしなくてはいけない。そのブレーキングがうまくいかないとワイドになってラインが外れてしまう。そういう部分で、とても難しいよね」


 全日本で何度も走っている中須賀も、ダウンヒルストレートを「ライダーには負荷がかかる場所」と語る。


「(ダウヒルストレートエンドのブレーキングでは)300km/h以上から70km/hまでスピードを落とします。かなり下っていて、リヤがポンピングするのでリヤをしっかり接地させながらじゃないときれいに止まれない。(90度コーナーは)パッシングポイントでもあるので、しっかりバイク造りをしていかないといけないですね」

トークショーでは『YES/NO』の札で質問に回答。中須賀の回答を変えさせようとする(?)ザルコ


 さらにヤマハ発動機の技術本部開発部長、辻幸一氏がステージに登場。「今回は中須賀選手のバイク(YZR-M1)が重責を担っています。中須賀選手のバイクの出来というのが残り4戦のチャンピオンシップを大きく左右すると思っています。そういう観点でレースを見てみてください」と注目の発言も飛び出した。


 トークショーの最後には、駆け付けた大勢のファンの前で各ライダーが日本GPに向けた意気込みを語った。


 ポイントランキング3位でチャンピオン争いに食い込むためにも日本GPでぜひとも優勝がほしいビニャーレスは「僕たちはベストを尽くすよ。みんながよろこぶ結果を出すので、応援してください」とコメント。


 ザルコも「いつも日本のファンの人たちがよくしてくれるから、応援してくれる気持ちに応えたい。もてぎではトップライダーたちと接戦できる自分でありたいね。いい成績を出したいし、表彰台に立ちたい気持ちはもちろんあるよ。ファンのみなさんのためにも期待に応えられるレースにできるようにしたい」とMoto2チャンピオンを決めた地での活躍を誓った。


 ワイルドカード参戦の中須賀は「プレッシャーが大きければ大きいほど、それを力に変えて結果につなげたいです。熱い応援、よろしくお願いします」と力強く意気込んだ。


 ファンの日本GPに向けた緊張感、期待感を高めてくれたヤマハの『MotoGP RIDERS MEET&GREET』。ついに開幕目前となった日本GPは10月13〜15日、ツインリンクもてぎで開催だ。

ヤマハの歴代レース車両がずらりと並んだ
YZR-M1エンジン
MotoGPライダーのバンク角を実感できる撮影コーナーも
YZR-M1(バレンティーノ・ロッシ)


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