F1日本GPでフェルスタッペンがシリーズ2連覇達成 裏方に下がった「ホンダ」のワークス復帰はあるか

2022年10月11日(火)11時0分 ココカラネクスト

レッドブルのフェルスタッペンがF1日本GPで優勝し、シリーズ2連覇を達成((c)RedBull Content Pool)

 9日に鈴鹿サーキットで開催されたF1日本GPで、レッドブルのマックス・フェルスタッペン(オランダ)が今季12勝目をマーク。4戦を残して2年連続2度目のワールドチャンピオンに輝いた。日本GPでタイトルが決まるのは2011年のセバスチャン・ベッテル(当時レッドブル)以来だ。

 「われわれはホンダと共にドライブをしている」とレース後の記者会見では「ホンダ」の名前を挙げて喜びを表し、「昨年から既に良かったが、今年はさらに良くなっている。チーム全体を誇りに思っているが、精神性の面でホンダの皆さんに対しても大変に誇りに思っている」と賛辞した。

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 昨季までチームのコンストラクター(製造者)としての名称は「レッドブルレーシング・ホンダ」だった。ところが今季からは「レッドブルレーシング・RBPT」を名乗っている。RBPTとはレッドブルのパワーユニット(PU)開発部門「レッドブルパワートレインズ」のこと。表記上は「ホンダ」とは出てこない。

 ホンダは昨季限りでF1のワークス活動を終了した。その理由は、二酸化炭素など温室効果ガスの排出を実質的にゼロに抑えるカーボンニュートラル実現の取り組みとして、経営資源を集中させるためだった。

 ただし、同社のモータースポーツ統括会社のホンダレーシング(HRC)を通じて、今季もレッドブルに技術支援する形で間接的にF1に携わっており、昨季と同様の開発体制でPUをレッドブルと系列のアルファタウリの2チームに供給している。

 今季は14勝しているが、F1に登録されているPUは「レッドブルパワートレインズ」。実質的にホンダのPUで勝っているのに、記録としてホンダの勝利数としてはカウントされないという、もどかしい状態でF1を戦っている。

表彰台にはホンダ・レーシングの浅木泰昭常務取締役が選手と一緒に祝福された((c)RedBull Content Pool)

 そんな中で日本GPの表彰式では、ある人がドライバーと共に壇上に立った。昨季までホンダのPU開発責任者を務めたHRCの浅木泰昭常務取締役だ。チーム側の厚意で招かれ、優勝したフェルスタッペンらと一緒に祝福を受けた。

 ホンダ側の対応にも変化があった。日本GP限定ながらマシンの車体には「HONDA」とロゴが今季初めて貼られ、レース後は「Hondaの先進パワーユニット技術が貢献!」と異例のリリースを発表。渡辺康治HRC社長が「この栄冠に向けてRBPTへの技術支援に力を尽くしてくれたすべての関係者の皆様にあらためて感謝したいと思います」とのコメントも添えた。

 そのためホンダのワークスとして復帰のうわさが早くもささやかれ始めている。F1の活動は続けているのに現在の姿はあくまで裏方。今季も「ホンダ」の看板を掲げ続けていれば、チャンピオンの称号を得て世界的にもマーケティングで大きなプラスにつながっていたはずだ。やはりもったいなさを感じざるを得ない。

[文/中日スポーツ・鶴田真也]

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