わずか40分の走行になってしまったWEC富士6時間決勝のアロンソ。7号車に優勝を奪われるも「多少の浮き沈みはあるものさ」

2018年10月14日(日)22時15分 AUTOSPORT web

 前週のF1日本グランプリと連戦となった、WEC世界耐久選手権富士6時間レースのフェルナンド・アロンソ(TOYOTA GAZOO Racing)。日本でのアロンソの初めてのWECでもあったが、アロンソのトヨタ8号車はポールポジションスタートながら、僚友の小林可夢偉組のトヨタ7号車に敗れる2位フィニッシュ。それでもポイントランキングはトップをキープし、レース後もポジティブだったアロンソが6時間の戦いを振り返った。


「いいレースだったと思うけど、セーフティカーのタイミングがアンラッキーだった。(先にピットインした7号車に対して)1分以上リードを築いていた時に(70号車)フェラーリがホームストレートでタイヤバーストがあった。その影響で(セーフティカーが導入され)アドバンテージが帳消しになってしまったんだ」と、まずは勝負の分かれ目をズバッとメディアに話すアロンソ。


「僕たちはタイヤ選択も完璧だった。姉妹車(優勝した7号車トヨタ)と違って、ウエットタイヤでスタートしたんだ。本当にセーフティカーのタイミングだけ不運だった。でも、こういったことはレースではよく起こることだし、今日は7号車に勝てるだけの速さがなかったということさ」と続けたが、実際には7号車のタイヤはアロンソの認識とはちょっと違った。


 アロンソ(とおそらく中嶋一貴)は7号車はスリックタイヤにカットを入れた、いわゆるカットスリック・タイヤでレーススタートに臨んだと思っていたようだが、実際には7号車はウエットカット、つまり、ウエットタイヤにさらに溝を追加した超雨仕様のタイヤでスタートしていのだ。ただ、小林可夢偉が認めたように、7号車のこの選択は「大失敗でした」(可夢偉)だった。アロンソが続ける。


「僕たちはタイヤ選択も完璧だった。姉妹車(優勝した7号車トヨタ)と違って、ウエットタイヤでスタートしたんだ。本当にセーフティカーのタイミングだけ不運だった。でも、こういったことはレースではよく起こることだし、今日は7号車に勝てるだけの速さがなかったということさ。それでもチャンピオンシップを考えるといい週末だったと思う。(直近のライバルである)レベリオンの3号車はリタイアしたから、ドライバーズチャンピオンシップ、マニュファクチャラーズチャンピオンシップの両方でリードを拡大できた。この面では完璧なレースウィークだったと言えるよ」


「WEC富士前はわずか3ポイントのリードだったけど、今は13ポイント差になっているはずだ。どんな形であれ、これはいい結果だと表現できる。セーフティカーの不運さえなければレースで勝てたかもしれないけど、7号車は週末をとおして勝利に値する速さを持っていたよ。次の(第5戦)上海でも、チャンピオンシップのリードをさらに広げたいと思っているよ」


 中嶋一貴、セバスチャン・ブエミに続いて3番目の担当ドライバーとして決勝を走ったアロンソ。アロンソがステアリングを握ったときにはすでに2番手で7号車にトップを奪われていた。そしてアロンソはフルコースイエローが出たこともあって、わずか1スティント分、約40分程度の走行のみとなってしまった。


「今日のカーバランスは完璧とは言い難かった。高速コーナーではアンダーステアが出ていたし、最終セクターも完璧ではなかった。望んでいたような速さは発揮できなかったが、マシンのレスポンスはよかったし、充分な競争力を感じていた。上海に向けて準備は整っていると思う。次は運にも恵まれるとうれしいね。“スーパーシーズン”は全8戦もあるんだから、多少の浮き沈みはあるものさ」


 この富士での週末、アロンソの話す表情や仕草を見ると、F1の時とは違ってリラックスして、レースを純粋に楽しんでいる様子がうかがえた。この週末、常にポジティブなコメントと笑顔を絶やさなかったアロンソの次の行き先はアメリカのオースティン。F1アメリカGPからのアメリカ大陸3戦を経た後、WECの第5戦上海戦に挑むことになる。


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