F1メキシコGP技術解説:レッドブルがわずか数日でフェラーリのフロアをコピー、そのカラクリとは

2018年11月5日(月)11時43分 AUTOSPORT web

 F1の開発はとどまるところをしらず、毎グランプリ、新しいパーツが導入されている。F1iのテクニカルエキスパート、ニコラス・カーペンティアーズがメキシコGPでレッドブルに搭載された改良型フロアを紹介、分析する。
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 F1第19戦メキシコGPで関係者が驚いたのが、レッドブルの搭載した改良型フロアだった。明らかにフェラーリのフロアを模倣しただけでなく、同チームが前週アメリカGPで導入したばかりのものを、さっそく持ち込んだからだ。レッドブルは一体どうやって、そんな短期間にコピーできたのだろう。


 そのカラクリは、こういうことだった。オースチンの木曜日に撮影されたフェラーリSF71Hのフロアの写真は、すぐに英国ミルトンキーンズの空力部門に送られた。彼らの狙いは、フロア両脇のスリット上に取り付けられた小さなデフレクターである。エンジニアたちに風洞を通す時間はなく、CFDだけを使ってデザインを起こした。そして3Dプリンターでパーツが製作され、メキシコに空輸されたのである。

レッドブル、フェラーリ、ザウバーのフロア比較


 レース現場ではメカニックたちが、単純にこのパーツをフロアに糊付けした。そしてフェラーリ同様フリー走行の際に効果を確認し、予選・レースで使用されることはなかった。


 フロア両脇の何本ものスリットは、フロア下部への乱流の流入を防ぎ、ディフューザーの発生するダウンフォース量をさらに増大させることが目的と考えられている。これらのデフレクターは、その効果を助けるためのもののようだ。


 ザウバーはすでに夏の第8戦フランスの時点で、リヤタイヤのすぐ前に同じようなデフレクターを取り付けている。フェラーリとレッドブルが3枚あるのに対しザウバーは1枚だけだが、その狙いは同じのはずである。


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