燃料電池車でありながら、充電も可能な『メルセデス・ベンツGLC F-CELL』登場

2019年11月6日(水)12時51分 AUTOSPORT web

 メルセデス・ベンツは10月23日に、燃料電池自動車でありながら充電も可能なプラグインハイブリッドとして世界初となる『GLC F-CELL』を発表。このモデルは先進的技術への関心が特に高く、かつ水素ステーション網が整備されているヨーロッパと日本でのみ販売される予定で、2020年中頃のデリバリーが予定されている。


 GLC F-CELLは水素を燃料にして発電し、その電気を動力とする燃料電池自動車でありながら、プラグを介して充電することや、回生ブレーキにより発電した電気をリチウムイオンバッテリーに蓄電し、その電気を動力とすることもできる世界初の燃料電池プラグインハイブリッドカーだ。


 エクステリアは、メルセデスの電動化戦略であるEQブランドを象徴するブルーのアクセントがフロントグリル、サイドスカート、リアバンパーに採用され、サイドには“F-CELL”のロゴが入ったブルーのデカールを装着。


 アルミホイールには電気自動車の『EQC』にも採用されているブルーのアクセントが入り、空気抵抗の低減にも寄与する20インチ10スポークアルミホイールが装備される。フロントバンパーはクリーンなイメージの専用デザインとするなど差別化が図られた。


 そのGLC F-CELLのリヤシート下部とセンタートンネル部には、合計約4.4kgの水素を充填することができる水素タンクが配置され、水素のみでの航続距離336kmを達成。そのタンクにも世界標準となる700気圧タンクを採用し、水素補給時間はわずか3分とガソリン自動車の給油時間とほぼ同程度としている。

メルセデスの電動化戦略であるEQブランドを象徴するブルーのアクセントをフロントグリル、サイドスカート、リアバンパーに採用
水素タンクには世界標準となる700気圧タンクを採用し、水素補給時間はわずか3分とした


 また、プラグを介して6.0kWまでの交流普通充電を利用でき、回生ブレーキにより発電した電気を車体後部に搭載される13.5kWhのリチウムイオンの高電圧バッテリーに充電することも可能で、この電力により最高出力200PS(147kw)、最大トルク350Nmを発生するモーターにより駆動する。


 こうして2種類の電源が活用可能になることで、車両の加速初期には高電圧バッテリーに充電された電気を使用し、その後、燃料電池で発電された電気を主に使用するなど、それぞれの特性を理想的に活用することが可能になるという。


 これにより、日常の短距離走行は水素を使用せず、充電された高電圧バッテリーの電気で電気自動車として使用し、水素が不足した場合でも水素ステーションまで充電された電気で走行するなど、まだインフラの部分で制約のある燃料電池自動車の実用性を向上することが可能となっている。


 さらに特性の異なるさまざまなドライブモードやシステムモードを備えることで、電力消費率や快適性、アジリティなどを変化させることが可能となり、とくに燃料電池と高電圧バッテリーの連携関係を調整する4つのシステムモードを駆使することで、より高効率なエネルギーマネジメントが実現できる。


 メルセデスの社内基準に即し、パッシブセーフティに関しても内燃機関モデル以上の安全性を確保するほか、テレマティスクス機能のMercedes me connectなども標準装備され、価格は1050万円となっている。

車体後部に搭載される13.5kWhのリチウムイオンの高電圧バッテリーに充電し、最高出力200PS(147kW)、最大トルク350Nmを発生するモーターにより駆動する
燃料電池と高電圧バッテリーの連携関係を調整する4つのシステムモードを駆使することで、より高効率なエネルギーマネジメントを実現した


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