立川祐路がラストレースを戦い抜く「正直こみ上げてくるものがありました」1996年からのキャリアに幕

2023年11月5日(日)23時38分 AUTOSPORT web

 11月5日、栃木県のモビリティリゾートもてぎで開催されたスーパーGT第8戦『MOTEGI GT 300km RACE GRAND FINAL』の決勝レースは、さまざまな“ラストラン”の一戦となったが、1999年からTGR TEAM ZENT CERUMOを支え続け、三度のチャンピオンを誇るZENT CERUMO GR Supraの立川祐路が最後のレースを戦い終えた。


 GT500クラスで三度のチャンピオンを誇る立川のラストレースは、途中雨が舞う難しいコンディションのなかでの一戦となった。今回、ZENT CERUMO GR Supraは立川にフィニッシュドライバーを任せるべく石浦宏明がスタートドライバーを務めた。


 立川によれば2015年の石浦加入初年度には石浦がスタートを務めていたというものの、石浦は「そうでしたっけ?」というほどここ最近はずっと立川がスタートドライバーだった。それもあり少々緊張していたという石浦だが、きっちりと序盤のスティントを戦い、Deloitte TOM’S GR Supraを駆る笹原右京とサイド・バイ・サイドのバトルを展開するなど、序盤のレースを盛り上げた。


 石浦は22周まで走りバトンタッチ。立川はスーパーフォーミュラでは監督とドライバーの関係であり、今回立川をオマージュしたヘルメットを被ったWedsSport ADVAN GR Supraの阪口晴南を従えながら、長い後半スティントを戦った。


 レース終盤には雨が降り出す難しいコンディションとなるなか、立川は#16 ARTA MUGEN NSX-GTをかわす走りをみせるも、この週末、ZENT CERUMO GR Supraはペースに苦しんでいたこともあり、少しずつポジションダウン。最後は11位でフィニッシュした。


「ラストレースはなかなか苦しい戦いになってしまいましたね。これもレース。これも人生です。前半スティントの石浦選手の状況から苦しいレースになりそうなことは感じていましたが、何にしても最後のレースなので、全力で頑張ろうと長いスティントに臨んでいきました」と立川はラストレースを振り返った。


「終盤はダンプコンディションになり、非常にリスキーな状況でしたけど、とにかくチェッカーを受けて終わりたいという気持ちで、最後までしっかりと走り切ろうと全力で戦いました。長い間一緒に戦ってくれた仲間に感謝していますし、応援してくれた皆さんに感謝したいです」


 そして最後のチェッカーを受けた後、「パルクフェルメまで戻ってくるまでの1周の間、コースサイドからすごくたくさんの声援をいただきましたし、正直こみ上げてくるものがありました」という。


「正直、とにかく少しでも長く乗っていたい、戻ったら終わってしまうんだという寂しさがありました。皆さんにありがとうという気持ちでいっぱいです」


 ラストレースを終え、立川は長年レースをともに戦ったTCDのスタッフ、さらにTGR TEAM ZENT CERUMOのメンバー、家族とともに記念写真に収まった。愛娘がZENT Sweetiesのコスチュームに身を包むサプライズもあり、立川は“父”として笑顔をみせた。


 無事に長年のキャリアを走り切った立川はレース後のコメントのなかで「明日から普通の人に戻りたいと思います(笑)」と冗談めかした。

2023スーパーGT第8戦もてぎ ラストレースを戦った立川祐路のZENT CERUMO GR Supra
2023スーパーGT第8戦もてぎ レース後、セレモニーに登壇した立川祐路と石浦宏明
2023スーパーGT第8戦もてぎ ラストレースのスペシャルヘルメットを被って臨んだ立川祐路
2023スーパーGT第8戦もてぎ 2015年からコンビを組んだ石浦宏明からも花束が渡された。

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