ふたりのスポット参戦ドライバーがニッサンGT-Rで速さをみせる【第7戦もてぎGT300予選】

2020年11月7日(土)21時38分 AUTOSPORT web

 11月7日、栃木県のツインリンクもてぎで行われたスーパーGT第7戦もてぎ。13時30分から行われた公式予選では、2台のニッサンGT-RニスモGT3がスポット参戦のドライバーの手により躍進した。富田竜一郎がドライブした植毛ケーズフロンティア GT-R、そして大滝拓也がドライブしたRUNUP RIVAUX GT-Rだ。


■「ヨーロッパでの経験が活きた」Q1で2番手の富田竜一郎


 2020年に向け、新たに世界への挑戦を目指しGT3カーの名手たちが争うGTワールドチャレンジ・ヨーロッパのスプリントカップに参戦を果たした富田竜一郎。名門WRT、そしてアウディワークスドライバーのケルビン・ファン・デル・リンデと組み、見事1勝を飾るなど、新型コロナウイルスの影響で海外への渡航が厳しい中ながら、明るい話題を届けてくれた。


 そんな富田が、1年ぶりにスーパーGTに戻ってきた。もともとNILZZ Racingから参戦を打診されていたという富田だが、海外渡航後の14日間の隔離等もあり、参戦が実現したのがこの第7戦もてぎ。田中優暉と組み、植毛ケーズフロンティア GT-Rをドライブした。


「ひさびさにスーパーGTに戻ってきて、やはりドライバーのレベルがすごく高いと感じますし、シーズン終盤戦だけあってみんなの気合の入り方に気圧されているところもあります(笑)」と富田。


「タイヤのグリップレベルも年々上がっていて、予選に関してはひさびさに乗るとタイヤのグリップ感に驚きますね。長いこと離れていたわけではないので違和感はないですが、ポンと乗っていきなりタイムを出す難しさはありましたね」


 そんななか、チームと事前のミーティングを経て施したセットアップが決まり、植毛ケーズフロンティア GT-Rは好調ぶりをみせる。またヨコハマ、エンドレスのブレーキとうまくマッチングし、Q1で富田は好走をみせ2番手につけてみせた。NILZZ Racingとしてはチーム初のQ2進出だ。


 また、富田は今回のQ1で好タイムをマークした要因のひとつに、ヨーロッパでの経験が活きたと語る。


「GTワールドチャレンジ・ヨーロッパでは、毎戦予選で両ドライバーがアタックしなければならず、そこでニュータイヤを必ず履くんです。タイヤのピークの使い方や予選一発のタイムをまとめる力というのは、昨年のスーパーGT最終戦よりも上がっているのかな、と感じています」と富田。


 レースに向けても、富田の走りは楽しみなところ。「最低限でもポイントは獲得したいですね。クルマのパフォーマンスもありますし、田中さんもレースペースは悪くなかったです。スタートの混乱やセーフティカーの波乱に巻き込まれなければ、後半でトップ10圏内を走れる可能性は高いと踏んでいます。そういう展開になるようチームとミーティングをし、良いレースにしたいですね」と決勝に向けて意気込みを語った。


■予選5番手も「悔しさもある」。デビュー2戦目の大滝拓也


 一方、予選Q2で1分47秒026をマークし、歴戦の猛者ぞろいのGT300で予選5番手につけたのは、第6戦鈴鹿でスーパーGTにデビューを飾ったRUNUP RIVAUX GT-Rの大滝拓也だ。山形大学在学中で、8月にルーキーテストに合格。第6戦鈴鹿で初参戦を果たすと、Q1でいきなり2番手タイムをマーク。今回はQ2を担当してみせた。


「ルーキーテストのときから違和感なく走ることができていますし、自分としてどこまでいけるか……という不安はありますが、落ち着いてやれていると思います。クルマも乗りやすいですが、今までやってきたフォーミュラやカートと違って、セッティングが繊細ですね。その難しさは感じます」と大滝。


「今回はQ1を青木(孝行)さんが突破してくれて、僕はQ2を担当したのですが、自分のなかではうまくまとめたつもりだったものの、ポールポジションのタイムを見ると、タイヤの熱の入れ方やセッティングを知ることなど、まだ詰めが甘かったかな、と感じています。翌周もセクタータイムは更新していたのですが、リヤタイヤが厳しくなってしまいました。タイヤの“おいしいところ”をうまく使う、適切なタイミングをアタックするたびに気づいている状況です」


 初のスーパーGTながら、ライバルをうならせるタイムを刻み続けている大滝。2戦目ながら、公式練習でもロングランを担当し、良いタイムも記録できているという。「レースは追い上げられると思いますし、優勝も狙えると思っています」と自信をみせる。


「3番手までには入れると思っていたので、この結果には悔しさもあります。5番手からは厳しいかもしれませんが、レースは勝てる自信もあります。自分の力を信じて、ベストを尽くせたら結果が出ると思いますし、優勝もポールポジションも夢ではないと思っています。そこは信じてやっていきたいと思います」


 激戦のFIA-F4では優勝した実績をもつだけに、その速さは疑いようがない。第4戦もてぎでは悔しいレースとなったRUNUP RIVAUX GT-Rにとっては、“忘れ物”をとりに行くための強力な武器となりそうだ。

2020年スーパーGT第7戦もてぎ RUNUP RIVAUX GT-R(青木孝行/大滝拓也)

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