MotoGP第17戦アルガルベGP:終盤のアクシデントでレースは赤旗終了。ポールスタートのバニャイアが独走で今季3勝目を飾る

　11月7日、MotoGP第17戦アルガルベGPの決勝レースがポルトガルのアウトドローモ・インターナショナル・アルガルベで行われ、MotoGPクラスは24周目にアクシデントによって赤旗終了。23周完了時点の結果が最終結果となり、フランセスコ・バニャイア（ドゥカティ・レノボ・チーム）が優勝し、今季3勝目を挙げた。最後尾22番手からのスタートだった中上貴晶（LCRホンダ・イデミツ）は大いにポジションを上げ、11位でフィニッシュしている。

　決勝レースでホールショットを奪ったのはポールポジションスタートのフランセスコ・バニャイア（ドゥカティ・レノボ・チーム）で、2番手にチームメイトのジャック・ミラー（ドゥカティ・レノボ・チーム）が続く。しかしミラーは1周目に3番手スタートのジョアン・ミル（チーム・スズキ・エクスター）にかわされ、ミルが2番手に浮上、ミラーは3番手に後退した。

　4番手にはホルヘ・マルティン（プラマック・レーシング）、そして5番手には8番手スタートのアレックス・マルケス（LCRホンダ・カストロール）が続く。7番手スタートのファビオ・クアルタラロ（モンスターエナジー・ヤマハMotoGP）は6番手につける状況だ。

　トップのバニャイア、そして2番手のミルは3番手のミラーを引き離し、ふたりによるトップ争いを繰り広げる。ふたりの差は0.2秒から0.3秒。そこからバニャイアがファステストラップを連発し、ほんの少しずつミルとの差を広げていった。

　その後方ではアレックス・マルケス、マルティン、クアルタラロによる4番手争いが展開されていた。7周目にはアレックス・マルケスが4番手を堅守し、マルティンとの差を広げ、クアルタラロはマルティンの後ろに続く状況だ。

　12周目、アレックス・マルケスが1コーナーでミラーをオーバーテイク。アレックス・マルケスが3番手に浮上した。このころにはバニャイアが2番手のミルに対し1秒以上のアドバンテージを築いており、独走状態。2番手のミルと3番手のアレックス・マルケスとの間にも1秒以上の差がある。

　また、予選で転倒し、最後尾22番グリッドからのスタートとなった中上貴晶（LCRホンダ・イデミツ）は、序盤からポジションを上げていった。レース中盤には14番手に浮上。ポイント獲得圏内を走行していた。

　残り7周になると、アレックス・マルケスにかわされ4番手に後退したミラーが前を走るアレックス・マルケスに接近。激しい3番手争いを展開する。ミラーは残り5周でアレックス・マルケスをパスし、再び3番手にポジションを上げた。この周には7番手を走行中だったクアルタラロが5コーナーでスリップダウンを喫し、転倒リタイアとなっている。クアルタラロにとっては今季初の転倒リタイアとなった。

　トップグループが残り2周に入ったとき、13コーナーで11番手、12番手を走っていたミゲール・オリベイラ（レッドブルKTMファクトリー・レーシング）とイケル・レクオーナ（テック3KTMファクトリー・レーシング）が交錯するクラッシュが発生する。レクオーナが13コーナーのイン側に入ったときスリップダウンし、アウト側にいたオリベイラを巻き込んで転倒したもので、このアクシデントによりレースは赤旗提示。レースの75パーセントを完了したことから、23周時点での結果でレースは成立となった。転倒後、ふたりは互いに言葉を交わしているようだった。レッドブル・KTM・ファクトリーレーシングによれば、オリベイラは問題ないとのことだ。また、レクオーナとオリベイラのアクシデントは審議の対象となっている。

　優勝したのはポールポジションスタートから一度もトップを譲らなかったバニャイア。今季3勝目を挙げた。2位はミルで、今季6度目の表彰台獲得。3位はアレックス・マルケスとし烈な表彰台争いを展開したミラーだった。ミラーにとっては第7戦カタルーニャGP以来の表彰台獲得となった。ドゥカティは今回の結果により、コンストラクターズタイトルを決定した。

　4位は今季の自己ベストリザルトとなったアレックス・マルケス。5位はヨハン・ザルコ（プラマック・レーシング）で、2021年のインディペンデントチームのベストライダーを獲得している。6位はポル・エスパルガロ（レプソル・ホンダ・チーム）だった。

　22番手からスタートした中上は、大いにポジションを上げて11位でフィニッシュ。バレンティーノ・ロッシ（ペトロナス・ヤマハSRT）は13位でレースを終えた。