プロキャリア26年に幕引き…中村俊輔、44歳までプレーできた原動力は「サッカーが好きという気持ち」

2022年11月10日(木)15時35分 サッカーキング

引退会見を行った中村俊輔[写真]=金田慎平

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 2022シーズン限りで現役を引退すことを発表した横浜FCの元日本代表MF中村俊輔が10日、引退会見を行った。

 1978年6月24日生まれの中村は現在44歳。1997年に桐光学園高校から横浜F・マリノス(当時は横浜マリノス)に入団すると、プロ3年目には史上最年少となる22歳でJリーグMVPに輝いた。2002年夏からは欧州トップリーグへと活躍の場を移し、レッジーナ、セルティック、エスパニョールと渡り歩く。セルティック在籍時代の2006−07には、チャンピオンズリーグ(CL)・グループステージ2試合でマンチェスター・Uから直接フリーキックを2本決めるなど、その名を欧州に轟かせた。2010年にJリーグ復帰以降は、“古巣”横浜F・マリノスとジュビロ磐田、そして横浜FCでプレーし、プロキャリア公式戦通算試合出場数は「700」をも超えた。また日本代表としても、ワールドカップ2度の出場を含む通算98試合に出場し、24得点を記録している。

 今現在も横浜FCの練習に参加している中村は「仲間内では来年もやる、みたいな雰囲気になっています」と語りつつも、「30代後半からは、いつでも引退を考えていました。だからこそ、『より悔いがないように』とどのクラブとも単年契約を結んできました。今年に入ってから、足首の状態が悪くなってしまったので決断しました」と告白。続けて「原動力は、自分の中から出てくる情熱や上手くなりたい、“サッカーが好き”という気持ち。上にあがるにつれて似たような選手が集まってきます。40歳過ぎて、カズさんとやれるとは思いませんでした。“サッカーが好き”という強い思いを持っているカズさんと一緒にできたことは自分の中で財産です」と自身のキャリアを振り返っている。

 これまでに中村は、マンチェスター・U戦を筆頭に、左足から数多くのゴールを決めてきた。“フリーキックの名手”と謳われる同選手は「FKだけの選手と言われるのは嫌だったので、意識したのはプロに入ってからです。それまでは試合を支配する力や、パスやドリブルなどのプレーのおまけ程度として取り組んでいたら、最終的にはFKが残ったのはすごく不思議な感覚」としつつ、「こだわりは、PKと同じような感覚で決めるという意識。蹴ったら必ず入る、という状況をチームメイトにも見せて信頼してもらう。キックだけではなくプレーでもそうでしたが、そこの部分はこだわりでした」と秘訣を明かした。

 現役引退後は、指導者を志すことを公言している中村。指導者としての未来に思いをめぐらした同選手は「これまでに、指導を受けた先生や監督が自分にしてくれたこと、支えてくれたこと、そういうのを指導者としてやることが恩返しになると思っています」と目標を見据えるとともに、「理想の監督像は作らないの方がいいのかなと思っています。自分の感覚や物差しでやると、逆に伝わらなかったり、いいことがないかもしれない。(指導者ライセンス)B級取るときも、『自分は答えをわかっているから、教えすぎだ』と言われて、得心しました。まだまだ、色んなことを勉強しなればならないので、あえて作らないようにしています」と決意を口にした。

 26年のプロキャリアに別れを告げた中村俊輔。“サッカーが好き”というあくなき情熱を胸に、指導者としての活躍にも期待だ。

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