フェルスタッペン優勝、ガスリーは殊勲の2位表彰台!ホンダF1のブラジルGP優勝はセナ以来28年ぶり

2019年11月18日(月)4時24分 AUTOSPORT web

 11月17日現地時間午後2時10分、ブラジルGP決勝が行なわれ、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンがポール・トゥ・ウィンを飾った。チームメイトのアレクサンダー・アルボンは最終盤に接触し15位。トロロッソ・ホンダのピエール・ガスリーは2位表彰台、ダニール・クビアトは10位入賞を果たしている。


 この日は朝から晴天が広がり強い陽射しで気温が上昇。決勝スタートを迎える頃には気温20度、路面温度は49度まで上がった。ただし決勝を前に雲が増え、55度まで上がった路面温度はすでにじわじわと下がってきている。


 予選でパワーユニット(PU/エンジン)トラブルに見舞われノータイムに終わったカルロス・サインツJr.(マクラーレン)は全コンポーネントを新品に交換して決勝に臨むこととなった。


 Q3進出の中で10グリッド降格ペナルティで14番グリッドのシャルル・ルクレール(フェラーリ)はミディアムタイヤ。Q2までで敗退した10番グリッド以下ではルノー勢とクビアト、ウイリアムズ勢だけがミディアムを選び、その他は全車がソフトタイヤをスタートタイヤに選んだ。


 ポールポジションのフェルスタッペンはグリッドに向かうレコノサンスラップでコースオフを喫してしまったが、幸いにもマシンにダメージはなかった。

2019年F1第20戦ブラジルGP 決勝レーススタート


 スタートではフェルスタッペンがホールショットを奪い、その後方ではターン1でルイス・ハミルトン(メルセデス)がセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)のアウト側から大外刈りを決めて2番手に浮上。3番手ベッテル、4番手バルテリ・ボッタス(メルセデス)、5番手アルボン、6番手ガスリー、7番手ロマン・グロージャン(ハース)とグリッド順のまま大きな混乱なくレースのスタートが切られた。


 ルクレールは1周目で11番手までポジションを上げ、2周目にさらにアントニオ・ジョビナッツィ(アルファロメオ)を抜いて10番手に上がった。


 首位フェルスタッペンはファステストラップ連発の走りでハミルトンを引き離していく。キミ・ライコネン(アルファロメオ)は4周目のターン1でペースの上がらないグロージャンをかわして7番手に上がる。


 ルクレールも5周目のターン1でグロージャンを抜いて8番手に上がり、ライコネンの背後につくが6周目のターン9でタイヤをロックさせてしまう。それでも7周目のターン1でパスして7番手に浮上した。


 8周目のターン4でリカルドがマグヌッセンのインを突くが両者は接触。マグヌッセンはスピンオフして最後尾に落ち、リカルドはフロントウイングにダメージを負ってピットストップを余儀なくされた。このインシデントに対しリカルドに5秒加算ペナルティが科された。


 ルクレールは10周目のターン1でガスリーを抜いて中団グループを全てクリアし6番手へ。この時点で前のアルボンとは4秒差、トップのフェルスタッペンとは15秒の差が開いている。


 首位フェルスタッペンは2番手ハミルトンに2秒のギャップを付けて走行。3番手ベッテルはそこから3秒後、4番手ボッタスはそこから5秒後、5番手アルボンは3.5秒後、6番手ルクレールは3秒後と間隔が開いた状態でレースは膠着状態になる。
 中団グループも7番手ガスリーを先頭に各車が2秒前後のギャップを開けてタイヤを労りながら走行している。金曜とは違って暑いコンディションとなっているだけに、どのチームも慎重な走りに徹している。


 18周目にフェルスタッペンはタイヤのグリップ低下を感じややペースが落ち始め、ラップタイムはハミルトンが0.2秒速くなる。


 2番手ハミルトンは20周目に先にピットインしてアンダーカットを仕掛ける。首位フェルスタッペンはこれに呼応して翌周ピットインするが、ピットアウト時にウイリアムズのロバート・クビサが前にはだかり、あわやという場面もありハミルトンの後方でコースに戻ることになってしまった。


 しかしハミルトンはまだピットインを終えていないルクレールに抑え込まれ、ターン12で抜いたものの背後にフェルスタッペンが迫り、フェルスタッペンはそのままメインストレートでDRSを使ってインに飛び込んでハミルトンからポジションを奪い返した。


 フェルスタッペンとハミルトンはソフトを履いて2ストップ作戦を選択。一方のベッテルは25周目まで引っ張ってミディアム、ボッタスは26周目、ルクレールは29周目まで引っ張ってハードタイヤに履き替えて1ストップ作戦の可能性に賭ける。


 中団グループもこの間に1回目のピットストップを終え、7番手はガスリーが堅守して8番手ライコネン、9番手にジョビナッツィ、10番手ペレスという順位に変わった。中団上位勢はいずれもミディアムを履き、11番手まで浮上したリカルドと14番手のクビアトはソフト、12番手のノリスと17番手に落ちたヒュルケンベルグだけがハードを履いている。


 首位フェルスタッペンはハミルトンに3秒のギャップを付けるが、35周目あたりからタイヤカスのピックアップに苦しみペースが落ち始める。ハードのボッタスもペースは思わしくなく、チームはアルボンとの戦いを考慮して42周目にピットインさせハードタイヤを捨ててミディアムに履き替えた。

2019年F1第20戦ブラジルGP トップを走るルイス・ハミルトン


 ハミルトンも43周目にピットインしミディアムに履き替え、再びフェルスタッペンに対してアンダーカットを仕掛ける。フェルスタッペンは翌44周目にカバーに入ってミディアムに換えハミルトンの前で戻ることに成功した。


 ベッテルは49周目にピットインしここでフェルスタッペンが再び首位に立った。ハミルトンも1.5〜2秒の差で食い下がり、1ストップ狙いのアルボンは20秒後方。ベッテルは4番手でコースに戻ったがすぐにアルボンをパスして3番手に上がった。


 その12秒後方では5番手ルクレールと6番手ボッタスが激しい争いを繰り広げ、ペースはボッタスの方が速いものの巧みなブロックにあいコース上で追い抜きができない。そしてボッタスは52周目にリヤから白煙が上がり、53周目のターン3でストップしてしまった。


 ハミルトンはフェルスタッペンの背後に迫りDRSを得るのも目前となっていたが、ここでセーフティカー出動となりフェルスタッペンはすかさずピットインしてソフトタイヤに交換。


 これを見たハミルトンはステイアウトしミディアムタイヤのままトラックポジションを取り、フェルスタッペンは新品ソフトでハミルトンの後方2番手につける。


 3番手ベッテル、セーフティカー直前にピットインしていたアルボンが4番手、5番手ルクレールという上位勢となり、その後方では2回のピットストップを終えてガスリーが中団トップの6番手を維持し、7番手グロージャン、8番手サインツは1回ストップのみ、2回のピットストップを済ませたアルファロメオ勢は9番手ライコネン、10番手ジョビナッツィ、そして11番手にペレスとなった。


 レースは60周目に再開。フェルスタッペンは再開直後のターン1でアウト側からハミルトンを豪快にパスして首位を奪い返し、ターン4でアウト側に並びかけるハミルトンをしっかりと抑え込んで首位をものにした。ここからはみるみるギャップを広げていく。


 後方ではアルボンも同じようにターン1でアウトからベッテルを抜き去って3番手に浮上。後方のフェラーリ勢を必死に抑え込む。ハミルトンはペースが振るわず、アルボンはハミルトン引っかかるようなかたちになる。64周目のターン1ではベッテルにアウト側に並ばれるがインを守って3番手を堅守した。

2019年F1第20戦ブラジルGP決勝 セバスチャン・ベッテルとシャルル・ルクレールのバトル


 ベッテルは66周目のターン1でインに飛び込んだルクレールにポジションを奪われるが、ターン3出口でDRSを使って再び抜き返す。その際にベッテルの左リヤとルクレールの右フロントが軽く接触。これでルクレールのサスペンションは折れ、ベッテルもパンクしてラバーがフロアを大きく壊し、コース脇にマシンを止めてしまう。


 これを見たハミルトンはすかさずピットに飛び込んでソフトタイヤに履き替えるが、その直後にセーフティカーが入ってしまいこれで首位フェルスタッペン、2番手アルボン、3番手ハミルトン。


 リスタートと同時にターン1でハミルトンはガスリーを抜いて3番手へ。しかしターン10でアルボンのインに飛び込みアルボンと接触。これでアルボンは最後尾に落ち、ガスリーがハミルトンの前へ。


 左フロント翼端板にダメージを負ったハミルトンをガスリーがなんとか抑え込み、最終ラップのターン12でハミルトンに抜かれかけたかと思われたガスリーだったが、最終コーナーからの立ち上がりでハミルトンに抜かせず2位でチェッカードフラッグを受けて初表彰台を獲得した。そしてフェルスタッペンはそのまま首位でチェッカー受け今季3勝目を挙げ、ホンダは1-2フィニッシュを果たした。


 3位ハミルトン、4位サインツ、5位ライコネン、6位ジョビナッツィ、7位リカルド、8位ノリス、9位ペレス、10位にクビアトという結果になり、アルボンは15位でフィニッシュした。

2019年F1第20戦ブラジルGP 表彰台に上がったマックス・フェルスタッペン、ピエール・ガスリー、ルイス・ハミルトン

ピエール・ガスリー(トロロッソ・ホンダ)


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