第66回マカオグランプリ:ルターが2度の赤旗で荒れたモーターサイクルGPで優勝。ポールのヒックマンは2位
2019年11月19日(火)12時21分 AUTOSPORT web
第66回マカオグランプリのモーターサイクルグランプリ決勝レースが11月16日、全長6.120kmのギア・サーキットで行われ、2度の赤旗中断という荒れたレースでホンダRC213V-Sを駆るマイケル・ルター(MGM by Bathams)が通算9度目の勝利を収めた。
今年で53回目の開催となるマカオ・モーターサイクルグランプリ。予選は14、15日の2度行われ、ベストタイムでグリッド順が決定する。
ポールポジションは、予選1回目に2分25秒100を叩き出したピーター・ヒックマン(MGM by Bathams)が獲得し、フロントロウは予選2回目に2分25秒382を記録したルター、2回目に2分26秒093をマークしたデイビッド・ジョンソン(Tak Chun Group by PBM Ducati)が並んだ。4番手のジョン・マクギネス(Tak Chun Group by PBM Ducati)は技術的なトラブルが発生したためフォーメーションラップでレースから離脱した。
27台が出走した決勝レースは、晴れ、気温は24度のドライコンディションで開始した。12周のレースがスタートし、ポールスタートのヒックマンがホールショットを獲ると、ルターが2番手、5番手スタートのリー・ジョンストン(Ashcourt Racing)が3番手につける。
リスボア・ベンドでデイビッド・ジョンソンが3番手を奪い返すと、メルコヘアピンでは立ち上がりでアンドレ・ピレス(Beauty Machines Racing Team)がハイサイド転倒を喫しリタイア。オープニングラップは、ヒックマン、ルター、デイビッド・ジョンソンの順でコントロールラインを通過した。
2周目にはトップのヒックマンがルターに2秒ほどギャップを築いており、その1.5秒後ろにデイビッド・ジョンソンが続く。3周目に入る頃にはヒックマンが後続に4秒の差を開き独走態勢に。トップ3は順位に変動はなく、4番手からはジョンストン、ホースト・サイガー(Saiger Racing)、デイビー・トッド(MGM by Penz13)、ゲイリー・ジョンソン(Ashcourt Racing)、イアン・ハッチンソン(Team Milwaukee with SMT)と続く。
ガードレールに囲まれた市街地で、コース幅も狭いため、オーバーテイクは少ないが、3周目にトッドがサイガーを交わし5番手に浮上。トップ4はまたも順位が変わらずヒックマンとルターの差は7秒に開いた。
4周目、14番手を走行中だったロバート・ハドソン(JGH Racing)がS字区間であるソリチュード・エセスでスリップダウン。後ろを走っていたマレク・チェルヴェニー(Wepol Racing)はウォールから跳ね返ってきたマシンと激突寸前で、ブレーキをかけると転倒を喫した。
コース上では、ハドソンが駆っていたS1000RRの燃料タンクからガソリンが大量に漏れだしたため、ヒックマンのみ5周目に入った段階で赤旗が掲示されレースが中断。ライダーはピットに戻り、レース再開を待った。
レース中断から20分程度でピットレーンがオープンし、序盤にリタイアした2台と赤旗の原因となったクラッシュに巻き込まれた2台を除く23台がグリッドに向かった。
再開後は、3周目終了時点での順位がグリッドに適応され、残り周回は8周。好スタートを決めたルターが1コーナーでヒックマンからトップを奪い、トッドがふたつポジションを上げ3番手に。その後ろはデイビッド・ジョンソン、ジョンストン、サイガー、デレク・シェイルズ(Burrows Engineering / RK Racing)、ハッチンソン、ゲイリー・ジョンソン、マイケル・スウィーニー(Martin Jones Racing)というトップ10だ。
デイビッド・ジョンソンがリスボア・ベンドでトッドを抜き3番手に浮上し、1周目終了時点ではルター、ヒックマン、デイビッド・ジョンソンがトップ3。4番手にトッド、5番手にジョンストンが続き、ハッチンソンが6番手に上げ、7番手がサイガー、8番手がゲイリー・ジョンソンと順位が入れ替わった。
2周目のリスボア・ベンドで、ヒックマンがすかさずトップを奪い返して後続を引き離しにかかり、ハッチンソンも5番手に浮上した後、ポリス・ベンドで6台のマシンが絡むクラッシュが発生。赤旗が掲示され2度目のレース中断となった。
その後、レースコントロールはレースの再開をしないことを発表し、再開されたレースの1周目終了時点の順位が今レースの結果となった。クラッシュに巻き込まれた6人全員の意識はあり、うち3人が病院に運ばれたが命に別状はない。
ルターがマカオで通算9度目の優勝を飾り、BMW S1000RRを駆りレースの大半をリードしていたヒックマンが2位、ドゥカティ パニガーレV4 Rsで戦ったデイビッド・ジョンソンが3位を獲得しトップ3が異なるメーカーのバイクとなった。
■第66回マカオグランプリ 第53回モーターサイクルグランプリ決勝順位結果
Pos. | No. | Rider | Team | Motorcycle | Time/Gap |
---|---|---|---|---|---|
1 | 8 | マイケル・ルター | MGM by Bathams | ホンダRC213V-S | 2’31.724 |
2 | 88 | ピーター・ヒックマン | MGM by Bathams | BMW S1000RR | 0.298 |
3 | 20 | デイビッド・ジョンソン | Tak Chun Group by PBM Ducati | ドゥカティ パニガーレV4 Rs | 0.861 |
4 | 74 | デイビー・トッド | MGM by Penz13 | Penz BMW S1000RR | 1.553 |
5 | 13 | リー・ジョンストン | Ashcourt Racing | BMW S1000RR | 1.937 |
6 | 9 | イアン・ハッチンソン | Team Milwaukee with SMT | BMW S1000RR | 2.249 |
7 | 40 | ホースト・サイガー | Saiger Racing | ヤマハYZF-R1 | 2.461 |
8 | 7 | ゲイリー・ジョンソン | Ashcourt Racing | BMW HP4 Carbon | 3.682 |
9 | 38 | エルネー・コスタモ | MGM by Penz13 | BMW S1000RR | 4.083 |
10 | 82 | デレク・シェイルズ | Burrows Engineering / RK Racing | スズキGSX-R1000 | 4.346 |
11 | 65 | マイケル・スウィーニー | Martin Jones Racing | BMW S1000RR | 4.678 |
12 | 71 | フィリップ・クロウ | Handtrans – Lee Jackson- AC | BMW S1000RR | 5.712 |
13 | 26 | ディディエ・グラム | G&G Motorsport | BMW S1000RR | 6.099 |
14 | 2 | クレイグ・ニーブ | Callmac Scaffolding Racing | BMW S1000RR | 7.228 |
15 | 182 | チャビエル・デニス | Optimark by performanX | ホンダCBR1000RR | 9.075 |
16 | 54 | スティーブ・ヘネガン | Reactive Parts | ドゥカティ パニガーレV4 Rs | 9.172 |
17 | 111 | ブライアン・マコーマック | ON-1 Racing | BMW S1000RR | 9.992 |
18 | 22 | ポール・ジョーダン | Dafabet Devitt Racing | カワサキZX-10RR | 10.513 |
19 | 62 | サムエル・ウェスト | PRL | BMW S1000RR | 10.900 |
20 | 11 | ドミニク・ハーバートソン | Dafabet Devitt Racing | カワサキZX-10RR | 11.597 |
21 | 17 | ダニエル・クルーガー | MGM by Penz13 | BMW S1000RR | 11.827 |
22 | 3 | デイビッド・モルガン | DM71 | BMW S1000RR | 12.781 |
23 | 49 | ラウル・トラス | Torras Racing Team | カワサキZX-10RR | 14.028 |