初開催のF1カタールGPで相次いだ左フロントタイヤのパンク。ボッタスら4名は「前兆がなかった」と振り返る
2021年11月24日(水)5時57分 AUTOSPORT web
![](https://news.biglobe.ne.jp/sports/1124/8965182052/ats_8965182052_1_thum800.jpg)
メルセデスのバルテリ・ボッタスは、日曜日のF1第20戦カタールGPで左フロントタイヤの不具合に見舞われた最初のひとりだった。ボッタスは他のドライバーと同様に、突然のパンクに対し前兆を感じていなかったと明かした。
決勝レースでは、ボッタスはトップのふたりからはかなり離されていたものの3番手を走行し、レッドブルのセルジオ・ペレスの前にいたが、パンクに見舞われてピットストップを余儀なくされた。ボッタスはポイント圏外でコースに復帰したが、その後マシンの損傷が確認されたため、チームの指示でリタイアした。
「何が起きたのか本当に分からない」とボッタスは語った。
「何の前兆も、振動もなく、ペースは安定していた。グリップの感触も問題なかった。ただ起こってしまったんだ」
「最初は、メインストレートに吹いている風が強くなったのだと思った。マシンが横に向いていくのを感じたからね」
「その後1コーナーでパンクだと分かった。ピット出口のすぐ後だったから、間違いなく一番不運な場所でもあった」
ボッタスの不運を皮切りに、ウイリアムズのジョージ・ラッセルとニコラス・ラティフィのふたり、そしてマクラーレンのランド・ノリスに次々と不具合が起きた。
しかしながら、マクラーレンはノリスのパンクをすぐに確認したので、彼はピットストップで大きな影響を被ることはなかった。それほど順位を落とすことなく復帰したノリスは、最終的に9位でフィニッシュした。
「そのスティントをそれほど長く走っていたわけではなかった。20周くらいのものだったと思う。タイヤは20周よりもっと長くもつはずだ」とノリスは述べた。
「どのコースでもタイヤは磨耗するから、いたわって走るものだ。でもすぐに完全にだめになるようなことは予想しないよ」
「今日は多くのドライバーにとってかなり危険な状態だった。これは起きるべきではないことだ」
パンクの原因の可能性について尋ねられたノリスは、原因は“明らか”だが、「でも僕には言うことができない」と用心深く答えた。
「あれは起きるべきではなかった。もしあそこにウォールなんかがあったら、よりいっそう危険になっていただろう」
「もっと質のいいタイヤを作るべきだ。これは僕たちドライバーにとって危険だよ。毎回大きな危険を冒している。F1マシンでサーキットを走ることができないのなら、何ができるというんだろう?」
「僕はとても長いスティントを走っていたわけではない。せいぜい20周や25周だった。もっと長くサーキットを走れるはずだった」
ラッセルによると、ウイリアムズでも話は同様だったが、チームはレース前に潜在的な問題があることを予想していたという。
「何の前兆もなかったが、実は僕たちはレース前に予想していた」とラッセルは語った。
「文字通り左フロント外側が制限になっていた。おそらく左フロントの外側10cmのところだ。僕たちがプッシュし続けたらある時点で文字通りダメになってしまった」
「F1マシンは超高速だからタイヤが磨耗する。右コーナーを通過するし、7速でほぼ全開で走行する。正確なスピードは分からないけれど、おそらく時速270kmや280kmだ。だからパンクは起きるんだよ」
パンク発生後にピットに戻れなかったラティフィも、突然のパンクに驚いたという。
「タイヤのことを聞いた時、自分のタイヤは大丈夫、感触は問題ないと思った。左フロントに制限があることさえ感じなかった」とラティフィは話した。
「左リヤの方が不自由に感じた。そちらの方をいたわるようにしていたようなものだったからね。でも明らかに最後の数周は、全開でプッシュしてアルファロメオ勢を後ろに抑えていた」
「その戦略をうまく実行するのに失うものは何もなかったと思う。特にアルファロメオ勢が後ろにいたんだから。僕たちのレースだったけれど、そうはならなかった」