ブリヂストン、2輪用タイヤBATTLAXの新モデルを発表。スポーツタイヤS22のスペックは先代モデルを凌駕

2018年11月28日(水)22時35分 AUTOSPORT web

 11月28日、ブリヂストンは都内で2019年2月に発売する2輪車用タイヤブランドBATTLAX(バトラックス)の新モデル、『BATTLAX HYPERSPORT S22』(以下、S22)と『BATTLAX ADVENTURECROSS AX41』(以下、AX41)を発表した。


 2018年で35周年を迎えたブリヂストンの2輪車用タイヤブランドバトラックスは、1983年に登場し、モータースポーツの舞台でタイヤの技術を磨いてきた。


 1991年のロードレース世界選手権(WGP)125ccクラスではバトラックス装着車が鈴鹿戦で初勝利。以降、バトラックスブランドはモータースポーツの様々なシーンで活躍。2002年〜2015年はMotoGPの最高峰クラスに、2017年からはFIM世界耐久選手権(EWC)などでバトラックスブランドは活躍している。


 今回発表されたタイヤは、バトラックスのスポーツカテゴリー『S22』とアドベンチャーカテゴリー『AX41』のふたつだ。

BATTLAX HYPERSPORT S22
BATTLAX ADVENTURECROSS AX41


■先代モデルのS21を凌駕したS22。スペックが大幅向上


BATTLAX HYPERSPORT S22

 S22は、ホンダCBR1000RRやヤマハYZF-R6などのスーパースポーツに新車装備されてきた先代モデルの『BATTLAX HYPERSPORT S21』(以下、S21)の後継モデルとなるタイヤだ。最近では2019年モデルのカワサキNinja ZX-6RにS22が新車装備されることが発表されている。


 S21をすべてにおいて凌駕することを目的に開発されたS22は、新設計のトレッドパターンとコンパウンドを盛り込み、ドライグリップ、軽快性、ウエット性能の向上を追求したという。

日本刀をモチーフトレッドデザインもS21から引き継がれている


 トレッドパターンは、ショルダー部分の溝を増やして排水性を向上。フロントタイヤではセンター部の溝を短くし、立てることで剛性が最適化されている。


 リヤタイヤにはセンターゴムに微粒経シリカを2輪タイヤで初採用。シリカは、タイヤのゴムの配合材として使用されている白い粒で、濡れた路面や凍結路面での摩擦力が高いといった性質を持つ。

BATTLAX HYPERSPORT S22のコンパウンド設計
ブリヂストンMCタイヤ開発部設計第2ユニットリーダーの高橋淳一氏


 従来使用しているシリカよりも小さい微粒経シリカをタイヤのゴムの中に配置する技術は、補強性の確保が難しいとされていたが、S22では「技術陣営が一丸となって、いかにまんべんなくシリカを配置させるかという研究を続け、微粒経シリカの採用に成功した」とブリヂストンMCタイヤ開発部設計第2ユニットリーダーの高橋淳一氏は語る。


 微粒系シリカの採用により、シリカ面積がS21に比べ25%アップし、ウエット性能が向上。加えて、フロントタイヤのセンターゴムとリヤタイヤのトラクションゴムの樹脂を最適化することによって、幅広い温度域でのドライグリップ性能が向上したという。


■S22は一般公道だけでなくサーキットでも高いポテンシャルを発揮


 発表会ではS22を大分県のオートポリスで性能評価したデータも公開された。ドライコンディションでは、従来モデルのS21に比べてコーナリング速度が向上。オートポリスの3コーナーではコーナリング速度が15%アップ、サーキットラップタイムでは平均で約1.2%短縮されたとのことだ。

BATTLAX HYPERSPORT S22 サーキットでの性能評価(ドライ路面)


 また、別サーキットで行ったウエット路面での性能評価では直進時の加速が向上し、ラップタイムも従来モデルより5%短縮されている。

BATTLAX HYPERSPORT S22 サーキットでの性能評価(ウエット路面)


 S22の発売は2019年2月から開始。発売サイズはフロント1サイズ、リヤ5サイズが設定され、価格は以下のようになっている。







































用途タイヤサイズメーカー希望小売価格(税込)
フロント120/70ZR17M/C(58W)22,734円
リア160/60ZR17M/C(69W)30,510円
リア180/55ZR17M/C(73W)33,588円
リア190/50ZR17M/C(73W)34,236円
リア190/55ZR17M/C(75W)35,100円
リア200/55ZR17M/C(78W)37,206円


 またS22と同じく会場で発表されたAX41は、オフロード走破性能と耐久性を追求したタイヤとなる。トレッドパターンは、ロッキーな新パターンを採用。リヤタイヤの高断面積のブロックは、ぬかるんだ路面で高いトラクション性能を発揮させるためにオンロード用のA41より30%増やし、オフロード走破性を向上させたという。また、強度と剛性を30%向上させたリヤコンパウンドを採用。こちらは、トラクション性能向上に貢献しているようだ。

BATTLAX ADVENTURECROSS AX41のリヤパターンと形状設計
BATTLAX ADVENTURECROSS AX41のリヤタイヤのトレッドパターン


 フロントタイヤには走行時におけるブロック変形を考慮したブロック形状を採用。従来は踏込み端と蹴り出し端が同じ形状としていたが、新たに蹴り出し端の角度を立てることによって、ブロック後端に発生する段差摩耗を抑制させ、耐久性が確保に貢献しているとのことだ。

BATTLAX ADVENTURECROSS AX41のフロントパターン設計


 AX41の発売はS22と同じく2019年2月から開始。発売サイズは以下のフロント4サイズ、リヤ5サイズが設定されている。価格については発表されていない。
































































用途タイヤサイズTT/TL備考
フロント100/90−19M/C 57QTL
フロント110/80 B 19M/C 59QTL
フロント120/70 B 19M/C 60QTL
フロント90/90−21M/C 54QTL
リア140/80 B 17M/C 69QTL
リア150/70 B 17M/C 69QTL
リア170/60 B 17M/C 72QTL
リア150/70 B 18M/C 70QTL
リア130/80 B 17M/C 65QTL


※ タイヤのサイドウォールに「USE TUBE ON TUBE TYPE RIM」の刻印が入っているタイヤに限り、チューブレスタイヤにチューブを装着することでチューブタイプリムに装着可能。


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