松井秀喜氏も賛同 「アフリカ55甲子園プロジェクト」で目指すものとは
2024年12月2日(月)8時14分 スポーツニッポン
アフリカと甲子園が結びつく人は少ないだろう。一般財団法人アフリカ野球・ソフト振興機構(J—ABS)による「アフリカ55甲子園プロジェクト」。巨人やヤンキースで活躍した松井秀喜氏が賛同してエグゼクティブ・ドリームパートナーを務め、将来的にアフリカの55の国と地域で「甲子園大会(全国大会)」の実現を目指している。
J—ABSは大会の開催とともに、日本式の野球指導を通じて、「ベースボーラーシップ」と名付けた規律、尊重、正義といったスポーツマンシップを示す精神を現地の子供に伝えている。これがアフリカの教育関係者に評価が高く、人間的成長や学業成績の向上に寄与しているという。
11月23日には、東京都内でアフリカ野球連盟とJ—ABSが「ベースボーラーシップ教育」のパートナーシップ協定を締結。この人材育成スキームのアフリカ全体への普及を目指す。J—ABSの友成晋也代表理事は「このパートナーシップは、アフリカ若年層の人づくりに貢献するものであり、結果的に野球型競技の普及につながるものです。この事業がアフリカと日本の未来をつくるものと確信しています」と話した。
現在このプロジェクトは8カ国で展開中。同じ11月23日には、慶大野球部員ら10人が国際協力機構(JICA)との連携で派遣されて期間中に実施されたガーナ甲子園大会の報告会も行われた。
友成代表理事は「道具を提供すれば野球が普及するわけではありません。この日本型野球指導法がアフリカ社会を変え、副次的に野球が普及していく。この道のりは長いですが、確実に実現できる」と言葉に力を込めた。
指導を重ねるにつれ、徐々に自主的にゴミを拾い、試合中も自分たちで考えるなど変化が見られるという。競技人口減少が危惧される中、日本の「野球道」が遠く離れた地で根を張りつつある。(記者コラム・大林 幹雄)