宮田莉朋がデイトナ初走行へ。アメリカ初上陸のランボルギーニが初日最速【IMSA公認テスト水曜Topics】

2023年12月7日(木)16時22分 AUTOSPORT web

 2023年のオフシーズンも世界各地で来シーズンに向けたプレシーズンテストが順次行われているなか、アメリカ・フロリダ州のデイトナ・インターナショナル・スピードウェイでも2024年1月27〜28日に開催されるウェザーテック・スポーツカー選手権の開幕戦『デイトナ24時間レース』に向けたIMSA公認テストが開催されている。ここではテスト初日となった12月6日(水)のトピックスをお届けする。


■初日はアメリカ初登場のランボルギーニSC63がトップタイム


**デイトナ・インターナショナル・スピードウェイで行われたIMSA公認テストの初日、アンドレア・カルダレッリは、水曜日の午後のセッションで63号車ランボルギーニSC63(ランボルギーニ・アイアン・リンクス)に乗り込み1分35秒027のベストタイムを記録した。このタイムは、午前中のセッションでトップに立ったチップ・ガナッシ・レーシングが運営する01号車キャデラックVシリーズ.R(キャデラック・レーシング)よりも0.105秒速く、午後のセッションの2番手とはコンマ4秒の開きがあった。


**ランボルギーニにとって唯一のアクシデントは、セッション2の最後の30分に左リヤタイヤがパンクしカルダレッリがマシンを引きずってピットに戻ったことだった。幸いクルマにダメージはなく、残り10分となったところで走行を再開している。


**カルダレッリは、リジェベースの新型マシンのコクピットで一日を過ごした。チームメイトのダニール・クビアト、ミルコ・ボルトロッティ、ロマン・グロージャンは2日めに、デイトナ24時間には出場しないSC63をドライブするものと思われる。なおボルトロッティは、IMSA開幕戦のデイトナに向け、19号車ランボルギーニ・ウラカンGT3エボ2(アイアン・リンクス)でさらに周回を重ねることになる。


**一方、フランク・ペレラは、金曜日と土曜日にランボルギーニの“ターゲット・パフォーマンス・テスト”を19号車で行う予定だ。

アンドレア・カルダレッリがドライブした、ランボルギーニ・アイアン・リンクスの63号車ランボルギーニSC63


■宮田莉朋がレクサスRC F GT3をドライブ予定


**水曜日のオープニング・セッションでは、コナー・デ・フィリッピの25号車BMW MハイブリッドV8(BMW MチームRLL)がコース上でストップしガレージまで牽引する必要があったため、1回めの赤旗が提示された。


**午後はさらに2回の赤旗中断があった。最初の赤旗はデブリ回収によるもので、2回目は11号車オレカ07・ギブソン(TDSレーシング)がターン5でクラッシュしたことによるものだ。なお、ハンター・マクエレアがドライブしていたこのクルマはケインインされてガレージに戻ってすぐにトラックに戻っている。


**6日(水)はGTPとLMP2クラスのマシンが3.56マイルのコースを専有したが、7日(木)はこれにGTDプロとGTDのマシンが加わり合同セッションとなる。


**IMSAは6日付で、このテストに参加する全43台のドライバーを掲載したエントリーリストを発表した。


**この中ではTOYOTA GAZOO Racing WECチャレンジドライバーである宮田莉朋の名前が確認できる。スーパーGTとスーパーフォーミュラの“ダブルチャンピオン”は来シーズン、クール・レーシングからELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズに出場するほか、名門ロダン・カーリンでのFIA F2参戦も決定している。


**今回のテストで宮田はGTDクラスに参戦するバッサー・サリバンに合流しており、7日以降、同チームの12号車レクサスRC F GT3をドライブするものとみられている。

11月20日に行われたTOYOTA GAZOO Racing WEC&WRC体制発表会での宮田莉朋


■プロトタイプとGTカーで二足のわらじを履く


**ルイ・デレトラズは、WEC世界耐久選手権チャンピオンのブレンドン・ハートレーがテストに参加しないため、ウェイン・テイラー・レーシング・ウィズ・アンドレッティ(WTRアンドレッティ)が走らせる2台のアキュラARX-06の両方に名が記されている。2024年に新たに登場する40号車アキュラは今週、主要なスポンサーなしの状態で走行している。コマーシャル・パートナーについては発表が保留されている。


**その40号車をドライブするジョーダン・テイラーは、彼の分身であるロドニー・サンドストームのレーシングスーツを着てテストに臨んでいる。これは40号車のクルーが当初着用予定だったスーツが、チームの新しいスポンサーを示していたためだという。


**AFコルセのフェラーリ・ハイパーカーのドライバーであるニクラス・ニールセンは今週、リシャール・ミル・AFコルセのLMP2マシンのステアリングをルイス・ペレス・コンパンクと握り、同時にチームオーナーのロベルト・ラコルテとともにチェティラー・レーシングの47号車フェラーリ296 GT3をドライブする。


**また、ニールセンのWECの同僚であるアレッサンドロ・ピエール・グイディとフェラーリドライバーのダニエル・セラは、ともにリシ・コンペティツィオーネの62号車フェラーリで周回を重ねる予定だ。


**ターナー・モータースポーツの96号車BMW M4 GT3のエンデュランス・カップ・ドライバーにジェイク・ウォーカーが決定した。彼はすでに決定しているロビー・フォーリーとパトリック・ギャラガーのフルシーズンコンビに加わり、デイトナ24時間ではイェンス・クリングマンがラインアップを完成させる。一方、長年チームとともに成功を収めてきたビル・オーバーレンがラインアップから外れることとなった。

インターユーロポル・バイ・PR1マティアセン・モータースポーツの52号車オレカ07・ギブソン(左)と、ショーン・クリーチ・モータースポーツの33号車リジェJS P217・ギブソン(右)


■GTD/GTDプロに新しいミシュランタイヤが登場


**水曜日に4人のドライバーのうち3人を発表したフォルテ・レーシングは、チームのスポークスマンによると、ランボルギーニのファクトリードライバーが4人目のドライバーとしてデイトナ24時間に参加するという。


**Sportscar365は、アキュラARX-06がいくつかのコンポーネントの配置変更に関して、若干の再ホモロゲーションを受けていることを理解している。しかし、2024年の技術規則でそのような許可を申請した唯一のLMDhモデルであるポルシェ963とは異なり、“EVOジョーカー”は保証されていないと考えられている。


**WTRアンドレッティのドライバーは、HPD(ホンダ・パフォーマンス・デベロップメント)でアップグレードされ、ARX-06のステアリングホイールがシステムに組み込まれたシミュレーターの恩恵を受けている。ジョーダン·テイラーはSportscar365 に対し、以前のセットアップから大きく前進したと述べた。


**木曜日は多くのGTチームにとって、来年GTDプロとGTDの両方で『S9M』に代わるミシュランの2024年用新タイヤ、『パイロットスポーツ・プロGT H1』での初走行となる。


**一方、ミシュランとIMSAは、WECで使用されているのと同じ命名法に従ってGTPタイヤオプションの名称を変更した。これによりSLT(ソフト・ロー・テンプラチャー)はソフトに、SHT(ソフト・ホット・テンプラチャー)はミディアム、MLT(ミディアム・ロー・テンプラチャー)はハードとなっている。GTP/ハイパーカーのタイヤコンパウンドは2024年末まで変更されることはない。

スポンサー発表前であるため、ロゴなしの状態で走行したウェイン・テイラー・レーシング・ウィズ・アンドレッティ・オートスポートの40号車アキュラARX-06

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