初のスーパーフォーミュラテストに臨んだ佐藤蓮と三宅淳詞が改めて感じた“トップドライバーの凄さ”

2021年12月9日(木)15時34分 AUTOSPORT web

 12月7〜9日に、鈴鹿サーキットで行われた全日本スーパーフォーミュラ選手権の合同・ルーキーテストに参加した佐藤蓮(RedBull MUGEN Team Goh)と三宅淳詞(KCMG)は、3日目のルーキードライバー枠のみならず、1日目から現役ドライバーとともに走行した。そこで“トップドライバーの凄さ”を改めて感じた様子だった。3日目のルーキードライバーテストを終えたふたりに、テストの感想を聞いた。


■佐藤蓮(RedBull MUGEN Team Goh)


 今回、12月7日の走行1日目からレッドブルカラーの15号車をドライブした佐藤。最初は初めて乗るハイパワーマシンに圧倒されていた様子だったが、着実に慣れていき、最終日のルーキードライバー枠では1分37秒283の好タイムをマークした。


「最初はすごく戸惑いました。500馬力オーバーで車重もこれだけ軽いフォーミュラカーに乗るのは初めてだったので。1日目はウエットコンディションでしたけど、ウエットでの走りも、ライツと比べてぜんぜん違うものでした」


「クルマを壊して自分が乗ることができる時間を短くしてしまうのはやってはいけないことなので、そこに関しては充分なマージンをもって周回を重ね、習熟を進めていきました」


 テスト2日目の午後のセッションでは、今季チャンピオンを獲得した野尻智紀が15号車をドライブした。わずか数周ではあったが、そこでのフィードバックとデータが、大いに役立ったという。


「15号車に野尻さんが乗った時に、どういった操作をして、うまく走らせているのかが、データで見えたので、すごく勉強になりました。スーパーフォーミュラ・ライツではTODA RACINGでひとりでやっていましたけど、こうして速いドライバーと比較できることで、自分自身の成長スピードもすごく上がりますし、この環境にすごく助けられています」


「どこで差がついているのかも明確だったので、そこを改善しながら限界まで詰めていくことができた、いい3日間でした。とはいえまだ完璧ではないですし、上げ幅はもう少しあるのかな、と思っています」


「今回テストに参加させていただいて、本当にトップドライバーの皆さんが速いし、経験があってうまいなと思いました。そこに追いつくには、それなり以上の努力が必要だなと感じました」

佐藤蓮(Red Bull MUGEN Team Goh)


■三宅淳詞(KCMG)


 同じく、三宅も12月7日からテストに臨んだ。レギュラードライバーも参加した合同テストでは、国本雄資とともに18号車をシェアし、クルマのフィーリングなどを確認。最終日のルーキードライバー枠では、18号車に加え小林可夢偉の7号車もドライブして、その違いを確認した。


「最初乗った時はアンチラグとか、ブースト、スロットルの調整は正直戸惑いました。経験のある皆さんは、例えば『アンダーステア』が出ているから、ブーストを調整しようとかをやっているんですけど、そこは自分で考えて合わせないといけないので、大変でした」


「でも、乗っている感じは“ダラーラのクルマだな”という印象でした。もちろんパワーも含めてSFの方が高次元ですけど、『クルマの感覚はライツと似ているよね』という話を、佐藤選手ともしていました」


 最初の走行では慣れないことも多かった三宅だが、経験豊富な可夢偉と国本の動きをみて、勉強になったところは多かったという。


「雄資さんが乗って、同じクルマをシェアして、例えばアンダーステアとかオーバーステアというと、僕が乗った時にどう感じるのかを確認していました」


「タイムレベルは雄資さんに負けていましたけど、同じことを感じるので、そこをどうしたら直るのか? 僕たちも知りたいですし、チームも知っていておいた方がレースで役立ちます。そういうところをみんなで話し合いながらテストを進めていった感じです」


「クルマのセットアップの進め方とか、エンジニアとのコミュニケーションの仕方。それに加えて、自分の走行データも比較して、悪い部分とか逆に良かった部分もあったので、そういうところが明確に見えました。今後に繋げられる良いテストになったのではないかと思います」


 そして、そんな三宅も佐藤と同様、コース上で出会う先輩ドライバーたちの“凄さ”に圧倒されていた。


「いちばん驚いたのは、雨のコンディションで、レギュラードライバーが抜いていく時は『あんな速度で抜いていくのか!』と。すごいなと思いました。改めてトップドライバーの皆さんが集まっているカテゴリーだなと思いました」


「ドライに関して言うとタイムは負けていましたけど、徐々に追いつくことはできていました。スーパーGT GT500クラスもそうですけど、将来的にはこのトップカテゴリーでレースをしたいなと思っています」


 ふたりともに今季はスーパーフォーミュラ・ライツで戦っていたが、その一段上であるスーパーフォーミュラは“まったくの別世界”に映ったようだ。この経験が、彼らの将来にどう活かされていくのか。今後の動向も含めて、注目したいところだ。

三宅淳詞(KCMG)
三宅淳詞(KCMG)
三宅淳詞(KCMG)
スーパーフォーミュラ鈴鹿合同テストに参加した三宅淳詞(KCMG)

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