地元開催インハイは無念の初戦敗退も…選手層の厚み増がプラスに 過去最高8強越え狙う徳島市立

2022年12月26日(月)20時43分 サッカーキング

2大会ぶり19回目の選手権出場となる徳島市立 [写真]=森田将義

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 メインターゲットにしていた地元開催のインターハイはDF稲川陽友(3年)、MF柴田侑茉(3年)といった主力のケガによる欠場もあり、初戦敗退で終わったが、今年の徳島市立は力がある。U−17高校選抜のGK藤澤芭琉(3年)、DF河合侑馬(3年)を中心に下級生から試合経験を積んできた実力派が揃う。高校選手権初戦で尚志と当たる厳しいブロックに入ったが、予想をひっくり返す可能性は十分にある好チームだ。

 実力派の多さとともに選手層の厚みも売りだ。夏に続出したケガ人の穴を埋めるべく多くの選手が出場機会を掴み、選手権予選でも多数の選手が緊張感のある舞台を経験したことがプラスに働いている。「今年は交代選手がそれなりにいるので、代えながら戦える。例年よりは起用できる選手が多い」(河野博幸監督)。

 交代要員が豊富で、スタメンの選手は体力を気にせず全力を出し切れるため、今までよりもアグレッシブな守備を準備している。夏のインターハイとは違って、選手権は気温が下がる。90分ゲームのプリンスリーグとは違い、80分ゲームなのも選手権の特徴だ。運動量を気にせず、前から積極的に奪いに行くスタイルを全国でも披露するため、選手権予選では河野監督が「相手の良さを出させないぐらいの守備をして、奪えなかった時に下がればいい」と声をかけながら、高い位置から積極的に奪いに行く姿勢を叩き込んだ。前からの守備で相手のラインが下がれば、組み立てるチャンスも生まれる。堅守速攻からの脱却を目指し、昨年からはパスサッカーにも取り組んでおり、繋ぎの質も高い。いかに、これまで積み上げてきた成果を発揮できるかが、躍進の鍵だ。

 主力不在の間に下級生が頼もしさを増しているのも、プラス材料だ。辛口の河野監督が成長株として挙げるのは、サガン鳥栖U−15唐津から来たMF山座拓達(2年)。「精神的に落ち着いているし、ブレない。他の選手はしんどい、暑いなどで基準が変わるけど、山座だけはブレない。ちゃんと自分の仕事を淡々とやって、プラスアルファもやろうとする」。特色で入学する主力が多い中、一般入学からスタメン争いに食い込むDF瀬口竣介(2年)の評価も高い。得点感覚に優れたFW鈴木悠哉(1年)も注目を集めそうだ。選手権予選の終盤で復帰したケガ人のコンディションも上がっており、激しい競争と選手層の厚みは全国での戦いを後押しするのは間違いない。

「前半から自分たちの良さが出せれば全国でも十分戦えると思う」。そう自信を覗かせるのは主将のMF織田大翔(3年)。2019年に果たした過去成績のベスト8越えを果たせるか注目だ。

取材・文=森田将義

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