【高校選手権展望】<長崎総科大附>世代No.1FW安藤筆頭に強力陣容 名将・小嶺監督は新たな栄誉なるか
2017年12月29日(金)17時34分 サッカーキング
今年は“大会の顔”と言える存在のU−20日本代表候補FW安藤瑞季をはじめ、“九州屈指の点取り屋”MF荒木駿太や小嶺監督が認めるリーダー・DF田中純平主将、エースキラーのDF嶋中春児、GK湊大昂ら攻守に好選手多数。選手権では12年度のベスト16が過去最高成績となっているものの、今夏のインターハイベスト8を越える躍進、「一回一回勝っていって優勝したい」(荒木)という目標も十分に期待できるチームとなっている。
安藤が「自分たちの強みはフィジカルだったり、球際で戦うことだったり、気持ちで戦う部分だったり。(そして)小嶺監督の教えてくれる部分は特別なもの」と語っていたが、名将の存在がチームにとって大きな支えになっていることは間違いない。
72歳となった現在も変わらぬ情熱、本気で選手たちと接している小嶺監督だが、「(現代の子どもたちは)変なプライドがある。結構、わがまま言うんですよ(笑)。昔と違って手綱を緩めているところ」というように、選手たちの意見も聞き入れながら、それが上手くいかなかった場合は経験を踏まえて修正。同時に、選手、チームのベース作りには徹底して取り組み、体力強化のために5キロのメディスンボールを持ったままのダッシュでリレーを行うなど、日常生活含めて“アメとムチ”を使い分けながらチームの土台を構築してきた。
FW西原先毅や安藤を筆頭に、前線から実行する迫力十分のプレッシングがチームの生命線。そして相手のキーマンをマンマークで消し、全国トップクラスのフィジカルコンタクトを活かしてボールを奪うと、すかさずに強力アタッカー陣にロングボールを入れて相手ゴールに襲いかかる。右SB岩本蓮太のロングスローなどセットプレーも強み。加えて、荒木やMF中村聖鷹がスピードあるドリブルからゴールを強襲する。
そして、安藤だ。劣勢でもDFを弾き飛ばすような突破、強烈なシュートによって一人でゴールを奪い取ってしまうストライカーだが、前回の選手権は無得点で2回戦敗退に終わっている。「選手権は小さい頃からの夢。あの大舞台で戦うことへの自分のモチベーションは凄いものだと思う」という選手権で今年はゴールを連発し、名将に新たなタイトルをもたらすか。苦境に立たされても我慢強く戦うことのできるチームに、スーパーエースがゴールを加える。
取材・文=吉田太郎